『パンと植木鉢』(モフセン・マフマルバフ、1996)
これまで見ていなかったせいでキアロスタミの『クローズアップ』を何度見ても「マフマルバフさん!」と崇められる理由がいまいち分からなかったのだが遂に心の底から肯ける日が来た。これは名前を騙りたくもなる気がせんでもない。
噂に違わぬ傑作でラスト・ショットのフリーズフレームの切れ味がちょっと凄まじい。特に差し出される手の速度と止まるタイミング。クレジットでも静止画面は続くのでよく確認できるが、パンがブレてるのが本当に良い。心理的動機を追い越すアクション。私のなかでは『イタリア旅行』に並んだ。
付け加えるとマスタークラスで思いを強めたのは、相当完璧主義というかコントラーブルでないと気が済まないのではないか(笑)という点。イラン映画は詐欺師が多い、泣くけど。
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