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スイッチ!「変われないを変える方法」 要約
(このnoteでは端的にするため、簡単な事例しか取り上げていません。本書には、不可能と思われるほどの状況をどのようにして変えたのかをフレームワークに当てはめながら、説明してくれています。このnoteではなく、本書を読んでみてね)
あなたは人生を変えたいって思ったことありますか?
こんなつまらない人生は嫌だ。
もっと自分の望む人生にしたい
とか。そんな人に一言。
人生を変えるってどういうことかわかってますか?
これを明確に答えられないと変われません。
人生を変えるというと、なんか壮大で、すごいことみたいに思うかもしれないんですが、そもそも漠然すぎるんです。
本書はそういった漠然としたことを細分化して、「変える」ということを具体的にどう変えていくのかを丁寧に丁寧に紹介してくれています。
ちなみに、人生を変えるとは、どういうことか?の問いに答えると
人生を変えるとは、行動を変えるということ。
たとえば、
ある肥満の男性が健康体になることを決心し、
毎日コーラを飲んでいたのを、水に変えた。
これを1ヶ月、1年って続けると、以前よりも健康体になってるのは想像に容易いですよね。
これを10年続けたら?これを死ぬまで続けたら?
そして、おじいちゃんになったらきっとこう言います。
「コーラを水に変えたことで私は健康になり、人生が変わった」と。
これって人生が変わったのは、行動を変えたからですよね。
その行動の蓄積によって人生が構成されてるわけです。
でもそんな簡単な話じゃあないのは、百も承知なはず。
それ以前に(コーラを水に変える前に)この男性の中で何かが変わってるはずなんです。
それはこの3つ。
思考を変える
心を変える
環境を変える
一度は聞いたことがあると思いますが、心理学者のウィリアムジェイムズの有名な言葉があります。
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
またヒンズー教の教えにも
心 が変われば 態度が変わる。
態度 が変われば 行動 が変わる。
行動 が変われば 習慣 が変わる。
習慣 が変われば 人格 が変わる。
人格 が変われば 運命 が変わる。
運命 が変われば 人生 が変わる。
本書では、それを事例をまじえながら、フレームワークに落とし込んでくれます。
では、ここから思考、心、環境の3つを変えることへの具体的なアプローチを紹介していきます。
のまえに
本書では思考と心(感情とも表される)をわかりやすく置き換えています。
思考とは、象使いのようなもの
象使いは、象を上手に扱い目的地へ向かわせる役割を果たす。象使いの得意なことは、計画を立てたり、分析をすること。しかし、象ほどのパワーがないため、象を動かすにしても、すぐに体力が無くなってしまう。
また、思考や分析が得意ゆえに、常にポジティブな側面をもつことはなく、頭で考えれば考えるほどネガティブな方向に考えてしまう傾向にある。
心(感情)は象のようなもの
思考や分析はできないが、感情によってとてつもないパワーを発揮する。
しかし、象使いが優秀でないとそのパワーは活かされないため、象をうまく使う必要がある。(ここをクリアできずに頭を悩ましている人は多いはず。)
つまり、両者は運命共同体で、片方だけが優秀では意味がないってことですね。頭がいいけど、成果を出してない人って死ぬほどいると思うんですが、そういった人たちは、象をうまく使えてないんですね。
逆に、オラオラでリスキーなことに手を出してしまう人は象使いが優秀じゃないってことが言えます。
本題
人生を本気で変えたいと思う方はこの3つの観点から考えてみてください。
①象使いに方向を教える
②象にやる気を与える
③道筋を定める
ひとつずつ説明します。
象使いに方向を教える。
目的地の絵はがき
つまり、目的地を指し示すということです。
例えば、iPhone。
iPhoneを作る過程でスティーブ・ジョブズが描いた理想は、
「音楽や電話、インターネットなどが全て一つに集約し、かつ携帯できるデバイス」
といった感じだと思います。
こういうのを「目的地の絵はがき」と例えられています。
ゴールはどんなものなのか?どんな景色なのか?を具体的に描き、それを象使いに共有するんです。
これってナポレオンヒルの「思考は現実化する」の話と似てますよね。
というかほぼ同じで考えていいです。
ここでひとつ注意点。
できるだけ「感情に訴えかけるような絵はがきを描くこと」です。
例えばこれが、「通信速度○○bpsの端末をつくる」だと数字があり具体的ですが、想像しづらい。
それより「世界最速の通信速度をもつ端末」の方がわかりやすく、ワクワクさせますよね。
具体的かつワクワクさせるような絵はがきを描くことで
象使いだけでなく、象をも動かす手助けになります。
大事な一歩の台本を書く
次にこれです。
たいていの人は変化を起こそうと思っても何から手をつけていいかわからず、結局なにも変われてない。
それって、改善すべき点が多すぎることが原因だったりします。
例えば、国の政治。
国の政治なんて、どれから手をつけていいか全くわからないですよね。問題がありすぎて。
高齢化による医療負担や年金確保の問題、少子化による内需の低下など、でかすぎる問題が山積みです。
けど、どれだけ小さくてもいいから一歩を踏み出さないと何も変わらない。
だから、一歩目を具体的にかつ踏み出しやすい台本が必要なんです。
アメリカの肥満率が高く、問題となっていた時があります。
そこで、「健康的な生活を送ろう!」と言っても何をどうすればいいのかわからないですよね。
曖昧すぎるし、インパクトがない。
人を変えるには具体的かつ簡単に変えられることから始めさせるのです。
そこでどうしたかというと、新聞・ラジオ・テレビで、普通の牛乳を低脂肪牛乳に変えることを推薦する広告を打ち出したのです。
アメリカは牛乳を飲む風習があり、1日に大量に摂取するんですが、普通の牛乳には脂肪分が多く含まれています。
それはコップ一杯のミルクにベーコン5枚分の飽和脂肪酸が含まれているほど。
そして、これも広告に打ち出したんです。
これで、牛乳コップ一杯を見ると、ベーコン5枚分の飽和脂肪酸も連想し、飲めたもんじゃなくなるんです。
これにより、アメリカの肥満率は標準値まで下がったらしいです。そして、アメリカの低脂肪牛乳のシェアは18%から35%まで跳ね上がった。
人々の行動を変えたのです。
これが見事なポイントなのは、インパクトのある広告を打ち出した、かつ人々にハードルの高いことを求めたわけじゃないんです。
いつも買ってる牛乳を低脂肪牛乳にしてみる(新たな行動は必要ない)
つまり、購入行動を変えただけ。
人の行動を変えるには、一歩目を明確に描いてあげること。
シンプルで明確な行動ほど、人は実行に移せるんです。
象にやる気を与える
計画や戦略を立てることが得意な人はいっぱいいると思うんです。勉強だって、ゴールまでの道筋は見えて、あとはやるだけだ!というフェーズがあると思うんですが、結局実行できずに終わってしまうパターンを何度も見てきました。
ただ、そこをクリアできずに詰むなんてことはもったいないです。逆に、そこで詰んでる人がほとんどなので、少しでも前に進む方法を知っておくと強いです。
感情を芽生えさせる
まずは、象を動かすために「目的地に向かってみたい」と思わせることが大事です。
そのために、感情を動かすような何かが必要で、憧れや怒りなどアプローチは様々です。
(ネガティブな感情の方がパワーあります。)
例えば、テストの点数。
テストでいつも平均点ぐらい取っていて、あとプラス10点は必要という状況。
やらないといけないとわかってるけど、できない。そんな時に、先生から返却されたテストの点数が5点とかだったら、さすがに「やっべ、次はまじで挽回しないと」ってなるじゃないですか。
これが感情のパワーで、象は猛スピードで進もうとするんです。
だから人を動かしたい、自分を動かしたいと思う場合、理論理屈では絶対に動かないので、感情に訴えかけるよう心がけてみているといいです。
(自分自身の感情に訴える時は、落ちるとこまで落ちてみるといいです。やべってなるから)
変化を細かくする
これは「大事な一歩の台本を書く」と同じだと捉えてもらっていいです。
象の腰は引くぐらい重いです。
あれやこれや変えようとすると、象はどこへ進んだらいいわからずに、逆に座り込んでしまいます。
だから、変化を細分化し、大きな変化も小さな変化が集合したものだとわからせます。
そうすれば変化へのハードルが小さくなり、象の重い腰も軽くなります。
例えば、部屋の片付け。
みなさん経験あると思うんですが、めちゃくちゃ散らかってる部屋を片付けようとする時って腰が重いじゃないですか。
それって、なにから手をつけていいかわからないから。
でも、「今日は下に落ちてるものだけ片付けよう」と決まれば、腰がすこし軽くなりますよね。
それと全く同じで、象を動かすために、妨げとなっているものを一つずつ明確にし、それを一つ一つクリアしていく。
一歩目がなければ、二歩目はないです。
道筋を定める
ここまでで、象使いが目的地を把握し、そのために象に訴えかけて、何をクリアすべきかは明確にしました。
最後に、「そこに辿り着くためには、どんな環境が必要なのか」を明確にしていきましょう。
習慣を変える
その手の一つとして、習慣を変える。
習慣っていうのは、言い換えると「行動の自動化」です。環境を変えるよりも、強制力はないですが、慣れてくると、意志の力はほとんど必要なくなります。
例えば、レジ打ち。
レジが登場する前は、紙に商品や金額を記録していたと思います。
でも、やっぱり記録漏れやミスが多発するわけですよね。
じゃあそれを、なくそうということでレジが登場したわけですが、なかなか浸透しなかったと思います。
導入費がかかるのもそうですし、なにより人ってよくわからないものに対してめちゃくちゃ抵抗するので。
でも抵抗してるように見えて、戸惑っている場合が多いんです。
そして、レジを導入してみると、最初は慣れないですが、1週間もすれば慣れていき、結果レジを打つのが当たり前で、「商品や金額を正確に記録する」という目的が達成されたわけですよね。
重要なのは、目的を達成するための習慣であるか?です。
そこの設計が曖昧だと、出る結果も曖昧になるので、そこは注力が必要ですね。
環境を変える
これもレジの事例に似てるのですが、習慣よりも強制力があります。
例えば、こんな実験があります。
アメリカのある映画館で、ポップコーンの無料配布を行っていました。
大きな器をもらった人と小さな器をもらった人がいます。
当然、大きな器の方がポップコーンの量は多いです。
無料ですから、みんな受け取るわけですが、
このポップコーンは湿気ていてとても食べれたもんじゃないです。
映画の後はみクレームだらけで、ポップコーンを残していったわけですが、その量をみてみると
大きな器を受け取った人の方が、ポップコーンを多く食べていたのです。
つまり、人は器が大きいほど、まずいものにも関わらず多く食べてしまうのです。
これって環境が人を動かす典型的な事例で、それほど人って環境に支配されているんです。
食事制限をしたい人は、これを逆手にとって、買う器を小さいものにすると自動的に食べる量は少なくなります。
こうして、何か目的を達成しようとする時、環境を設計することは大きな変化の一助となります。
まとめ
変われない自分を変えるには、
理論(象使い)
感情(象)
環境
この3つの観点からアプローチしてみると成功しやすい。
逆にそこの設計が曖昧だと、
持続性がない(象使いが象を引っ張る状態)
大変な状況に陥る(象があちこちに突進)
といったことになる。
次、変化を成功させたいと思う人は少し本気で以下の3つを考えてみてください
象使い方向を指し示す(iPhoneの例)
象を動かす(テストの点数・低脂肪牛乳の例)
道筋を定める(レジ打ち・器の例)
以上。