人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている 要約
はじめに
あなたは
この世の中を実力社会だと思うか。
能力がある人が勝ち取る社会か?
成果を上げてきた人が勝ち取る社会なのか。
違う。
もし、この世の中が実力主義なら、
政治家は能力によって選ばれるはずだし、
面接では能力のある人が採用されるはずだ。
しかし、そうではないだろう。
無能だが代々政治家の人と有能だがバックグラウンドがない人。
当選するのは前者だろう。
人脈も認知度も資本も違う。
ほら、こんなに実力とは関係ない要素があるんだ。
そう。そんなに単純な話ではない。
人生は、実力より、運より、大事な「あるモノ」で決まる。
このnoteを読むことで、あなたが今まで見えなかった「あるモノ」が見えるようになり、あなたはそれを利用することができる。
それは周りの人には見えない、強力な武器だ。
興味を持ったら、ぜひ本書を手にとって見てほしい。
あるモノの正体
あるモノの正体を明かす。
それは錯覚資産だ。
錯覚資産とは、勘違いさせる力だ。
もう少し詳しく言うと
である。
思考の錯覚とは、認知バイアスのことだ。簡単に言えば、偏見のようなものだ。
僕らは常に、この認知バイアスというメガネを通して、世の中を見ているのだ。
例えば、1974年にカナダでの選挙のこと。
イケメン政治家は他の政治家よりも2.5倍の票を獲得したのだ。
確かに、容姿がいいほうが当選確率は上がりそうだ。良い印象を与えられるのだから。
しかし、ここで重要なのは、投票した理由だ。
投票者の73%は、「イケメンだから投票したわけではない」と答えた。
「イケメンだから投票したかも」と答えたのは14%。
さらに、投票した理由をきくと、イケメンだからと自覚なしに、「信頼できそう」とか「実績があるから」など、容姿とは別の理由だったのだ。
※この研究論文はわかりやすくするために少し加工されていると注意書きがありました。
これと同様のことが世の中には蔓延している。
採用面接や会社での地位、SNSインフルエンサーなど。
こんな人たちがSNSにいるだろう。
・半年で月収100万円達成
・一部上場企業で年収1000万
・タワマン暮らし
この人たちを優秀だとおもうか?
なぜかビジネスをやらせたら、成功させそうな気がしないか?
なにか一つ優れた要素があると、その人は他のことをしても成果を上げるだろうを錯覚を起こすのだ。
これは認知バイアスがもたらす、ハロー効果というものだ。
ハローというのは「後光」という意味で、一点が優れていると、後光がさして他のことまで優れて見える錯覚のことだ。
錯覚資産は、このハロー効果によって初めてモノになる。
ただ、この錯覚資産はトリックのようなものだ。
あの人が言っている。だから、正しい
この「だから」は成立しない
しかし、人は直感的に正しいと捉えてしまうのだ。
人は本当に正しいかではなく、直感的に正しいと思えることを正しいとしか思えないのだ。
これを利用し、錯覚資産を増幅させ、いかにも自分がすごい人間であるかを主張し、成功を手にするのは卑劣な行為だ。
錯覚資産は、誇れるものではない。
でも、錯覚資産を使わずして人生を生きるのは、かなりハードモードになる覚悟をすべきだ。
運ゲーで運を運用し、成功する
成功するには、錯覚資産が必要だ。
しかし、錯覚資産を作るには?
それにも成功が必要だ。
ここにジレンマが生まれるが、
このジレンマを解消するために、運を運用する。
運ゲーで勝つのにいちばん簡単なことは、小さく賭けることだ。
運ゲーであれば、試行回数を重ねた方が当たる確率は高い。
とにかくハロー効果の得られそうなものに小さくチャレンジしていく。
確変状態になるまで賭けるんだ。
そして確変に入ったら一気に投資額を大きくしていく。
そして、たまたまハロー効果を得られたら、よりよい環境を手に入れる。
そこで存分にハロー効果を発揮し、自分を「優秀な人間」だとインプットさせる。
すると、その人の頭の中が、常に自分という人間が「思い浮かびやすい」状態になる。人脈をつくることの意義はここにある。
ある仕事を誰かに頼む時に、「思い浮かびやすい状態」にある人が勝つ。
そして案件を勝ち取り、また成功を掴む。このサイクルで芋づる式に錯覚資産が形成される。
このサイクルが複利的に錯覚資産を増大させ、圧倒的な差をつけて成長できる。
当たりを引く確率を飛躍的に高める方法
PVとCVRという概念がある。
主にWebマーケティングで用いられる。
PVは、ページを見られた回数。
CVRは、ページを見た人うち、商品を購入する人の割合のこと。
これは何を意味するのか
商品がどれだけ良くても、PVがなければ売上はない。
反対に、PVがあっても商品が粗悪品であれば、売上はない。
つまり、PVとCVRのバランスが重要なのだ。
この考えは、運ゲーで当たりを引く確率を上げるのに役立つ。
PVは、あなたのことを思い浮かべる人の数
CVRは、あなたのことを思い浮かべる人の数のうち、あなたの実力を買ってくれる人の割合
ここでの運ゲーはただサイコロをふるような運ゲーではなく、当たる確率を上げることのできる運ゲーだ。
なぜかというと、実力によって当たる確率が多少高まるからだ。
逆にいうと、人脈(思い浮かべる人の数)が増えても、実力が0なら、当たることはない。
ここで陥りがちなのが、
CVRが低い人は、PVを上げる努力を嫌う傾向にあるということだ。
なぜなら、実力がないのにPVを上げるのは恥ずべき行為だと思うからだ。
しかし、少しでも実力があるならPVを稼ぐ努力をしたほうがいい。
PVは、成功を生む機会の幅を広げてくれる。
その機会によっては、CVRを上げるチャンスになる。
PV数をあげなければ、いい環境やチャンスには巡り会えないことは覚えておこう。
無能は何をやっても無能
あなたは無能か?
そう思ってしまうことが過去にあったかもしれない。
しかし、その結論を出すのは早すぎる。
そう思ったことがあるなら、あなた自身が思考の錯覚に汚染されているかもしれない。
マイナスのハロー効果だ。
一つのことがダメだったら、なにをやってもダメだろうと錯覚してしまう。
サイコロを一回振っただけで何がわかる。
運ゲーではサイコロを振れば振るほど確率が上がるのだ。
お笑い芸人でも、漫画家でも一発屋というのがいるのは、この理屈だ。
一発あたったら、他のこともできるとみんなが直感で選択してしまう。
でも、その直感はハロー効果によって汚染されている。
逆に言うと、一発当たれば、他のこともできるとみんなを錯覚させることができる。
そのハロー効果をうまく利用し、錯覚資産を作るんだ。
じゃあ、うまくいってなかったらポジションを変えればいい?
ここについては次で。
自分の意志で選択してるとしか思えない
2003年の研究で「自分が死んだ時に、臓器提供する」を選択している人の割合を国ごとに調査した。
するとこんな結果になった。
ドイツ12%
スウェーデン86%
オーストリアほぼ100%
デンマーク4%
なぜこんなにも違いが生じるのか?
歴史的背景?
文化?
社会福祉制度?
どれも違う。
正解は、「デフォルト値の違い」だ。
臓器提供の同意率が高い国では、「提供したくない人」がチェックを入れなければならない。
このデフォルト値の違いが、差を生んでいる。
臓器提供するかはかなり大きな選択だ。脳死状態でも臓器を取り除くのだから。助かる可能性もあるのに。
大きな選択であるほど、選択が難しい。
選択が難しいほど、無意識にデフォルト値を選んでしまうことが多いのだ。
厄介なことに、このデフォルト値効果で自分の選択が決まっていることすら気づかない。
大きな決断に、転職がある。
転職しようかな。
どの会社にしようか。
A社か。それともB社か。
でも、多くの人が、転職せず、「今の会社が結局一番マシだな」
などと理由をならべる。
この判断は、認知バイアスによって歪められている。
直感で判断してしまうと、現状維持のほうがいいと錯覚してしまう。
しかし、認知バイアスの影響を受けているとき、直感は当てにならない。
現状維持がダメというわけではない。
判断が難しいときほど、直感に頼らず、粘り強く思考し、冷徹に見極める必要がある。
でないと、思考の錯覚の泥沼にハマってしまう。
人間は整合性が取れないと不快な生き物
人間は実に都合がいい。
都合よく、自分の意見や欲を書き換える。
例えば、あなたが恋人がほしいとしよう。
でも今はいない。
努力してもできなさそうだ。
ここであなたの中で矛盾が生じる。
現実→恋人がいない
真実→恋人がいる方が幸せ
「恋人がいるほうが幸せ」だけど「恋人がいない」
これだと整合性が取れない。
(この矛盾を認知的不協和という)
だから、こう書き換えたらいい。
「恋人がいない方が幸せ」だから「恋人がいない」
こうしてしまえば、現実の自分を正当化できる。
整合性が取れないのが、不愉快で耐えられないんだ。
だから、無意識のうちに自分の欲を書き換えてしまう。
ここでの犯人は、あなたではない。
無意識だ。
でもこれを読んでいるあなたは、その存在に気づき、今この瞬間に意識することができただろう。
これに気づかずに、書き換えばかりしていると現実はなにも変わらない。
人生は、ハードモードの糞ゲーになる。
だから、真に価値のあるものを書き換えずに、現実の自分を書き換えることで矛盾を解消するんだ。
もし、努力しても現実を書き換えられないなら、人を使うんだ。自分に足りないものを自分だけで補う必要はない。
あなたがお金を大切だと思うなら、それを否定すると損をする。
あなたが学歴に価値があると思うなら、それを否定すると損をする。
と言い聞かせるんだ。
偏りのあるストーリーが大好き
偏りがあるストーリーが大好きだ。
なぜなら、一貫性があって説得力があるからだ。
でも現実は違う。
物事には多種多様な面があって、どこから見るかで顔が変わるんだ。
誰かの相談を受けたことがあるだろう。
その相談を聞くと、いかにもその人が正当な行動をとったように思える。
その人はなにも悪くないと思い込んでしまう。
しかもやけに自信をもっている。
実際にそういった実験があった。
模擬裁判のようなものだ。
①原告の情報しか聞いていない人
②被告の情報しか聞いていない人
③両者の情報を聞いた人
結果は
①は原告に有利な判決を
②は被告に有利な判決をした。
ここで驚きべきは
①と②は両者の意見を聞いた③よりも自分の判決に自信を持っていたのだ。つまり、人は一貫性のあるストーリーに説得力を感じ、魅了される。
大きな錯覚資産がほしいなら「一貫した偏ったストーリー」を語らなければならない。
「シンプルでわかりやすいこと」を言い切るんだ。
真実でないとわかっていても断定するんだ。
ただし、これは主張するときだけだ。
錯覚資産を築くときだけだ。
自分の人生がその偏ったストーリーに飲み込まれてはいけない。
この言葉を思い出してほしい。
判断が難しいときほど、直感に頼らず、粘り強く思考し、冷徹に見極める必要がある。
でないと、思考の錯覚の泥沼にハマってしまう。
錯覚資産を複利で増やす方法
錯覚資産は
「ハロー効果の強さ」と「思い浮かびやすさ」が掛合わさって強烈な力を持つ。
ハロー効果は、一つが優れていると他も優れて見える効果
思い浮かびやすさは、「自分はこういう人間だ」と世間がインプットしている状態。(CVRの話)
そこに思い浮かべる人の数が掛け合わさる。(PVの話)
つまり、「ハロー効果の強さ」✗「思い浮かびやすさ」✗「思い浮かべる人の数」
これで錯覚資産が形成される。
どれかが0だったら錯覚資産は0だ。
これが一回転すると、錯覚資産はゲットだ。
そのゲットした資産を使って、次の錯覚資産をゲットする。
これによって雪だるま式に複利で増えていく。
最初はわずかかもしれない。
しかし、これが10年、20年と経つと、だれも立ちはだかることができない大きな壁になっているだろう。
小さな賭けで成果を出し、それを周りに言いまくれ、人にあって、一貫したストーリーを語るんだ。それで得た成果をまた、ハロー効果を用いて、人が自分のことを思い浮かびやすいように語るんだ。
この卑劣な武器を使うかどうかはあなた次第だ。
※本noteは本書を完全要約したものではなく、運営者が加工している部分もあります。本質は取りこぼさないように注意しています。
書籍
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
著者
ふろむだ
ふろむださんの
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