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【気になる生態】 #36 女の浮気はバレにくい 「ツバメ」
夏が近づくとものすごい速さで空を飛び回るあの鳥。
おそらく一番近くで巣作りや子育てを、見ることのできる渡り鳥です。
ツバメと人間は古くから密接に暮らしてきました。
というのもツバメは人間の人工物にしか巣を作らないという習性があります。
人間の近くには天敵が少ない、ならば人間の近くで暮らしてしまおうということです。
人類が建物という概念を持たなければ、ツバメもこのような進化を遂げなかったと思うと大変興味深い話です。
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ツバメの「渡り」
日本に帰ってくるツバメは、マレー半島、フィリピン、台湾、オーストラリア、など南の暖かいエリアからやってくるそうです。
ツバメは一度作った巣にまた次の年に戻ってくるとされていますが、その確率は5割ぐらいと言われています。案外低いですよね。
巣が保存状態よく残っていることも少ないので、巣を失った去年とは違うツバメが既存の巣を占領してしまうということがあるみたいです。
戻ってきた!と思っても別人ていうパターンがあるという少し寂しい話しです。
ツバメのメスは浮気しがち!?
ツバメの渡りの習性としてオスがまず越冬地に飛び立ち、去年の巣の修復などメスを迎え入れるためにせっせと働きます。
オスが日本に着く頃メスも、越冬地にそろそろと向かおうとするのですが、その途中で若い他のオスにアプローチされることが多々あり、新たなカップルとして子育てを始めてしまうそうです。
若いオスも旦那がいないのをいいことに人妻に手を出しているという人間に例えるとなんとも生々しい話ですが、あんなに頑張って準備したオスの苦労が報われないこともあるのです。
もし鳥類界に「FRAIDAY」「文春」があったとしたら、毎週ツバメの記事が掲載されるでしょう。
そして、残されたオスも必然的にまた新たなパートナーを探すわけです。
メスとしてはより良い遺伝子を残すためには仕方がないことですが、離れるときはそんなにあっけないものなのかという気持ちにもなります。
先ほどの去年作った巣に戻ってくる確率が低いのもメスの浮気が関係しているようにも思えますね。
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子育ては一苦労
夏にかけてツバメの子育てはピークとなり、親鳥は一生懸命ヒナのために餌を運びます。
1日に巣と餌場を往復する回数何と500回と言われています!
しかも一回に運ぶ餌の数は虫だとすると一匹とは限らないので、500匹以上の餌をヒナは食していることになります。大体5羽のヒナが孵るのでので1羽当たり100匹以上。まさしく子供は寝て食べるのが仕事といったところでしょうか。
この季節しか子育てができないとなると、短い期間でしっかり育てなければなりません。親鳥の苦労が伺えます。
ただやはり春から夏にかけては虫たちも活発になるので、それだけ餌が方にある場所を選んでるということですね。
そして体も大きくなり巣立ちを迎えた頃、巣は空っぽになります。
子育てを終えるとすぐに、南国に渡ってしまったのかと思っていたのですが、巣立った雛や、子育てを終えた親ツバメは夜に集団を作って眠るようになるそうです。
餌をとる練習など自然で生きていく術をを親と一緒に学んでいるのでしょう。
ちなみに日本に来て2回子育てをする場合もあるそうです。
最後に
去年、家の近くにできたツバメの巣を観察していたときに昼頃にはいなかったヒナたちが夕方にはきちんと巣の中に揃っていたことがありました。
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その時に鳥というものは急には巣立たないものなのだと学びました。(全ての鳥がそうとは限りませんが)
鳥のヒナの成長をこんなにも人の生活の近くで見せてくれる鳥はツバメだからこそ新しい気づきが増えました。
泥沼な関係を超えて子育てをしているかもしれないのだなと思うと、ツバメの観察の仕方が変わってきそうです。
今年の夏もツバメの成長を見られることを楽しみにしています。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!