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ぼっち在宅介護 『人生は棚からぼたもち!』小林まさるさんの人生を知る

今日は、過去読み、読書感想文を少しnoteします。

『人生は棚からぼたもち!』 小林まさる著

この本は、何年前に読んだでしょうか?
義母のeちゃんが健在で、私たちのマンション近くの施設に入ってくれた頃なので、コロナ前4年くらい前になるでしょうか。

樹木希林さんや瀬戸内寂聴さんなどの人生感みたいな本もよく読んでいたeちゃんなので、ちょっと違う方はどうかなぁ…と差し入れた本でした。

が、我々の近くに来る頃は、もう字を追うのがしんどくて…やんわり返されてしまい、私が読んで感想を簡単に伝えた記憶があります。
(こう言う時、耳が聞こえない障害がある高齢者とのコミュニケーションがなかなか難しくて。私は、声がデカいし、しつこく筆談もできるので、いくらか伝えられるのですが…主人や声の通りの悪いスタッフさんは難儀したと思います。朗読で伝えられたらいいのですが…難しいのです。)


で、小林まさるさんを読んでなんですけど…

よかった!読んどいてほんとによかった!eちゃんが読めなくて、私に託してくれてラッキーだったと思ったのを今でも覚えています。


小林まさるさんって誰よ?
って方いらっしゃるかもですが…

料理研究家 小林まさみさんと
小林まさるさん

ご存知の方もあると思いますが、料理研究家の小林まさみさんと義理のお父さん(舅)の小林まさるさんです。(このお二人血の繋がる親子ではありません)

なんと、息子のお嫁さんのアシスタントをされています!

ある料理番組を見ていたら、おじさんがチラチラと見切れていて気になって、調べてみたらそうだったのです。
これがたまらなくおかしくて、主人に夜話しましたら、「すげ〜な!このおじさん。なかなかできひんことやでー」と。

そう。そうなんですよ。

年齢を重ねた方が、年若い者のアシスタントにつくと言うこと。
女性のアシスタントに男性がつくこと。
しかも、息子の嫁のアシスタントにつくということ。

年齢的にも、日本男子は、こういう仕事の選び方ってなかなかできないと思うので、驚きしかなかったのです。


が、この本を読んで、
あぁ、この方ならできるなぁ…
素敵な生き方だなぁ…と思ったのです。


本の内容は、全部載っけたいのですが、著作権がありますから、端折りますけれど…
目次だけでも載せたいわぁ。

まさるさん、とてもご苦労されてきているのです。今の時代の先駆けくらい、いろんなご経験をされています。

まず、樺太で生まれはりました。
13歳の時に終戦を迎えられます。が、8月の終戦のあと、ロシアから砲撃を受けます。
日本統治下の樺太の炭鉱で、機械の修理工をされていたまさおさんのお父さんはロシア兵に捕まってしまいます。修理技術をロシア人が得るまで、ご家族皆さん日本に返してもらえなかったそうです。14歳のまさおさんはニシン工場に強制徴用されていたそうです。

ここまでで、えーっ!ってなりますよね。

また読んでいただきたいです。


が、まさおさんの人生にはまだまだあるのです。

仕事が大変でした。
酒に溺れて、奥様に苦労をかけました。
奥様が病弱だったため、子供を引き取り離縁し、働きながらシングルファーザーの道を行きます。働きながら、お弁当をつくってさしあげました。

奥様の具合がよくなく復縁されます。
50代後半で奥様をなくされます。

定年を迎え一人でやって行こうと思っていたら、息子さんたちから同居を申し入れられます。

気楽な一人暮らしのつもりが、息子たちの世話になる…そんなことが許されるのか…いろいろ考えて、決断されます。

はじめに
の一部


そして、料理研究家のアシスタントを経て、ご自身も料理研究家になられます。70歳からのスタートです。



簡単に書いてくれるな!
と怒られそうですが…


なんというか、ご苦労やご自身の不甲斐なさやいろいろな難局を向き合って越えて来られた方は違うなぁ!とつくづく思うのです。



私自身、介護がはじまってしばらくは、泣き暮らしました。痩せました。頭がおかしくなりそうな日々もあったんです。

で、周りのいろんな方に介護経験をうかがっていきました。リサーチです。

ガッツリと耐え難い介護をされてきた方は、びっくりするくらい生き生きと農作業をされています。憑き物が落ちたように、楽しんでらっしゃいました。

でも、介護方法に後悔を持っているのか、終わってもなお沈んでる方もいらっしゃいました。
それは、介護以外にも大事なことがあって、やむなく施設や病院にお世話になった方々でしたけど、気にすることないのにお気にされている様子でした。


ああ、人の数だけ介護があるし、人生があるなーと、まさるさんも含め。学ばせていただきました。


まさるさんの本に、
「残りの人生、温め直せばまだまだ楽しめる!」という章があります。

いいフレーズだなぁと思います。

作りたて、手作り、
こだわらなくても、楽しめる方法はいくらでもあるんですよね。


日本人だからかな、
みんなきっちりかっちりしたかったり、
世間体を気にしたり、
哀れに思われたくない気持ち、
すごく強いですよね。

ケアマネさんを家に呼べるまで、
免許を返納するまで、
ヘルパーさんに助けてもらうまで、
時間がかかるお年寄りの多いこと。


もうへんなプライドなんか早くに捨てて、
気軽に早めに「たすけてくれへん?」と言うたら、復活劇があったりするかもしれへんのになぁ…

助けてもらったことが、自分の頑張りではなかったのではないか…と悔やんだり。
いやいや、手伝ってもらって空いた分、周りの方々を気をつけてあげたらいいやないですか。


自分の過去、自分の苦手、自分の弱点をきちんと見つめて向き合ってからの…

人生の温め直し

すごく楽しく読める本でした。


ぜひ、たくさんの方々の目に触れたらいいなぁと言う本です。

良ければぜひ。

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