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髙橋海人と”地獄変” King & Prince LIVE TOUR 24-25 ~Re:ERA~ 観戦記録
King & Prince LIVE TOUR 24-25 ~Re:ERA~ マリンメッセ福岡公演に参戦してきた。
過去、キンプリの現場は「King & Princeとうちあわせ(ファンミーティング)」「King & Princeとうちあげ花火(花火大会――すごいな。)」に参戦したことがあるが、通常のいわゆるライブは未経験だった。
120%の、フル充電の通常営業アイドル専門店バージョンの髙橋海人を全身で浴び、一旦語彙力が宇宙の彼方に飛んで行ってしまったので、「ライブレポです」とは言えないレベルだが、記録として残しておく。
これまでの諸々の不運はたぶんこの日のためだった
マリンメッセ福岡公演の往路、車を自宅の塀に軽く擦ったとか。
高校時代、イエモンがいつ再結成してもいいように東京の大学を目指しそして上京したのに、28歳でUターンした数日後にイエモンが再結成したとか。
そういう、ほぼほぼ自己責任の不運をBETした結果かな? というくらいの
良席(控え目)であった。
「嘘だろ……ここを海人が通ったら……海人の呼気が私のコンタクトの潤いを奪うレベルですけど?!(※比喩)」
っていうくらいの良席であった。
ここで私を猛烈な後悔が襲った。
「嘘っ、私のうちわ、視認性低すぎ……?!」
アイドル現場素人が調子に乗って自我出しうちわ作ると、こういう本気で視認してもらえる場面で困るんだよ、おとなしくフォントサイズMAXの「海」うちわ持ってきとけバカタレが。オタクは黙って蛍光色。
神に感謝→うちわを反省→賢者タイム を5セット繰り返し、れんかい召喚の呪文「キンプリ🍞🍞」をみんなで詠唱していたら、あっという間に客電消灯。
ロケットの発射に合わせたカウントダウンの映像がスクリーンに投影され、0になるまでは比較的冷静だった。
テッテッテレッテッテッテッテテ~♪
この感じ……
いや感じじゃなくて音なんですけど……
LOVE HACKERだぁあああああああああああああああ
LOVE HACKER大好き大好き大好き大好きLOVE HACKERがピースツアーにおける「分かってるつもり」みたいなアルバム収録曲なのにツアーで披露されない曲枠になったらどうしようって心配してたんだよおめでとうLOVE HACKER~大優勝!!!!!!
と、瞳孔かっぴらき状態でハアハアしていたら、天井からスイーっと。
スイーっと。
ご 本 尊 降 臨
私「カイトーーーー!!!ホアーッ!!!!ホアーーーーーー!!!!!!」
と、インターネット老人会ムーブかまして申し訳ないが、「ほっちゃんコピペ」状態になった。
なんかもうキランキランしたスーパーシャイニー宇宙服に、前髪サイドにかき上げ海人が、完全に星の王子様みた……ってちょっと待って!!!
この感じ……
”地球へ…”だ……
明日17日には『夏への扉』
— 竹宮惠子TAKEMIYA公式! (@trapro2017) June 16, 2023
明後日18日には『地球へ…』が再上映されます。
一日限りですが奇跡のようなチャンスです♥️
日時:2023年6月18日(日)
場所:秋葉原UDXシアター https://t.co/x452Nt6Ux3
特に『地球へ…』はドリパス。
ユーザーからのリクエストで上映が決定しました。#竹宮惠子 pic.twitter.com/aESCmY827f
そっかぁーーー萩尾望都作画かと思ってたけど、竹宮惠子だったかあーーーー。ようこそ地球へ!!!
と熱烈歓迎体制に入っていたら
海人「ただの他人ン~から知人ンン~♪」
んんんんんんん歌うめぇええええええええええええええ
思い知ったけど、私、アイドルとして好きだけど普通にシンガーとしても好きなんだ…この鼻にかかったセクシーな声で安定感あるところとか…ホント好き、全部好き、こんなに全て兼ね備えたアイドルってほかに
廉「君の心にひょっこり~♪」
私「レエ!!!!!!!!レエーーーーーー!!!!(訳:廉)」
んんんんんん声キレ―――――――――――
喉かっぴらいているので唇を閉じられない故に「ン」が発音できず、「レン」が「レエ」になったって話ですね~。隣におった。全て兼ね備えたアイドル、ほかにも隣におったわ。ナガチャンほんと声奇麗だね。お顔と同じくらい奇麗。
全てを兼ね備えたデュオ・れえかいの実物が目の前に存在している。画面越しで見るのとまったく同じなんだけど、それが却って異常というか、「普通液晶画面通さないと知覚できないものが肉眼で見れるってどういうこと?」という不思議な感覚に陥った。歌いながら少し切なそうに眉根を寄せる海人がセクシーすぎてごめんなさいねだった。
1曲丸ごと、喉かっぴらきのうえ、口の形が「わーーーーーー」のまま固定され、のどぬーるスプレーのパッケージの人みたいな状態だった。
※1曲目の時点で1,700字かかってます。この調子ですべてを記していくと日常生活に支障出るレベルで執筆時間がかかるので、以降は半ダイジェストでお送りします。
記憶があんまりない瞬間が多いので一部の曲は割愛します。
『WOW』
「れんとなら優勝でしょ」
でニチャァ笑いしたことにより、無事のどぬーるスプレーを卒業した。
『moooove!!』
海人のラップ、終始いかがわしい。いかがわしい男、好き。大好き。いかがわしいままセンターステージまで歩いてくる。我、センステ付近の民。いかがわしい星の王子様が、我が家のリビングのソファーからキッチンカウンターまでの距離感のところにいる。王子たちが鱗粉のごとく煌めきをまき散らして踊りまくり、我、セーラームーンRの魔界樹からエナジーを得るエイルとアンみたいになる。さっきから比喩が特定の世代にしか刺さってないけど無事?
『COLORS』
サビのハモリ、海人の下ハモが渋くて良い。
センステの一部がせり上がり、上空の海人を崇める我ら、という形になる。
物理的な見上げたさと精神的な見上げたさが一致して落ち着く。
途中、ナガチャンもこちらサイドにお越しになったが、浮かび上がったシルエットが完全に碇シンジ。今最も碇シンジに近い男、それが永瀬廉。スタイルの良さに伴う永遠の少年感がすごい。
今後『光る君へ』方式で庵野秀明主人公の大河ドラマ『シン・大河』を作る機会があったなら、永瀬廉が碇シンジ役で出演できる。
【幕間映像】
2人の会話の間が、完全にコントのそれである。早くコント番組出ないかな……と思って観ていたら、最後の海人の「○○きたねぇ~」というセリフが完全に若林で、ひとり大歓喜。
『Odessey』
たぶんこのあたりで、ナガチャントロッコが付近を通過。
顔小さすぎ。「顔のポータビリティ高め~」というバカの感想を抱く。半端なく美しい。あんなに全パーツ美しいことある? 手を振る姿の落ち着きっぷりが王者の風格だった。
『One Sided Love』
One Sided Love大好き民なのでもうニッコニコ。背中側から拝む形になるけど全然OK。
海人「そんなとこに惹かれてるんだ~♪」
私の心のコール「俺も―!!!!!!」
落ちサビの海人のファルセット、通称海ファルを堪能しながら、(今この瞬間の鼓膜を切り取り、大阪万博で『海ファルによって振動した鼓膜』として展示してほしい)と思うなどした。
『Don’t Grow Up』
ペンラとうちわを置いてみんなで踊るターン。全面的に海人に仕切られて嬉しい。「みなさんペンライトとうちわをいったん置いてください! あと〇列×番の人(私)はそのまま床に正座してください!」と言われて、(まったく海人って奴ァ……)と苦笑しながら正座して踊ってみたい。今の一文妄想だから、安心してくださいね。
『A Little Happiness』
好き!!!!!!めっちゃ好きなのこの曲!!!!!!!
完全ノーマーク!!!!!
前にどこかで書いたけど、「雨上がりのsky」が「I made a ガキの使い」に聞こえることが生で確認出来てうれしかった。
『Cloudy』
「同じ」「後悔」「本当に」「不甲斐ない」
の裏声交じり吐息交じりの掛け合いが美しくて淫靡。アイドルのライブよな? 今手に持ってるの、ペンラとうちわよな? と混乱。
『HOTTER HOTTER』
ナガチャンの思惑通り「永遠に」のれんかい最接近で沸きました。ただ、ナガチャンも計算してなかったと思うけど、本当に沸いたときオタク(私)は「キャー!!!」じゃなくて「んんんんんんんんんんんんんん」って言うんだよ。
『POPSTAR in the KINGDOM』
びっくりすると思うけど、記憶がない。
一生懸命見てたんだ……あと庭ラジで寄せられていた空耳情報「けんちゃーん、けんちゃーん、けんちゃーん」が強烈過ぎた。ガキの使い同様、やはり生でもけんちゃんって聞こえるな、と確認してしまった。
『SPOTLIGHT』
2人が踊る姿をスマホ画面風にセンタースクリーンに表示、両サイドのスクリーンにはシューティングゲーム風の映像が流れる演出が楽しい。そしてお待ちかねのラスサビの隊列。よくぞまぁあんなぶちあがる振りを付けてくれたものだ……。基本的に海人が何かを率いている瞬間が好きでたまらない。ドラクエみたいに常に何かを率いててほしい。
【幕間映像】
ツアー開始以降、Xで絶対にネタバレを踏まないように設定して生活してきたので、今回何の曲から始まるかすら知らない状態で参戦した。なので当然、城たけについても年末配信で初めて存在を認識し、「ん? たけやん? って誰?」となり、城たけドームアンケートも「良く分からないけど来たらいいと思うよ!」と思いながら観ていた。
うすうす思っていたけど、実際映像を観たら案の定たけやんめっちゃ好きなタイプだった。空ひれー。
【からのMC】
コント番組出ないかなぁ。という数十分前の願望がまさかの伏線になる。MCが、城之内くん(廉に激似)・たけやん(海人に爆似)によるコント。たけやん、すっっっっっっごい汗。顎先から汗が滴り落ちててセクシーすぎてごめんなさい。あの汗を集めて~~したい、みたいな比喩を入れるか? と思ったが、どうやったっていかがわしくなってしまうので自重します。あのピンクのデカサングラスを提案した人は誰ですか? グッドデザイン賞に推薦したい。
『harajuku』
そっかー! harajukuはトンチキソングだったのか!!
ナガチャン、こういうシュール系無表情コントすごく似合うよ。ヘラヘラとニヤニヤの狭間でも、やはり隠し切れない海人のセクシーさ……ってごめん、たけやんだったね。あとシュール系無表情コントが似合うのもナガチャンじゃなくて城之内くんだったわまじSorry。
【MC】
MC長めで体力的にとても助かる。
最近SNSで流れてくるれんかい情報が高確率でコントみたいないちゃつき情報だったので、ひっそり「れんかいかわいいコント」と名付けていたのだが、MCは「れんかいかわいいまんざい」だった。「うちあわせ」の頃より安定感が増している。お互いがお互いを泳がせとけばなんか面白くなるっしょ、という信頼関係が垣間見えて胸が熱くなった。
どんな面白まんざいだったかについては割愛。Xで詳細に記録されている方々がたくさんいます。
まんざいの終盤、センステに少しずつかわいらしいカラフルなベンチや街灯のセットが運び込まれる。あらあら、『踊るように人生を』でもやるのかしら? と思っていたら~
『生活(仮)』
号泣。
曲として好き、というのもあるけれど、私は小説を書いている期間特定の曲しか聴かないので、創作大賞~文学フリマ期間の7~1月の間、これを書くために、ほぼ毎日30分は『生活(仮)』を聴いていた。書いている期間は楽しいは楽しいんだけれども、結果待ちのドキドキ・中間選考通過後の複雑な感情・落選を察した頃のショックと切り替えての8万字加筆修正(マジか)・文フリで予想以上に買っていただけました等々、いろんな思い出のある曲だ。正直生で聴ける日が来るなんて微塵も思っていなかったこともあり、頑張った数か月のご褒美をもらったような気がした。
それ故か、その後数曲記憶がない……
『染み』のシンプルに聴かせるという潔さがナガチャンらしくて素敵だ……! とか、「素敵やん」のサムズアップが可愛すぎるとか、断片的な記憶はございます。すみません。
『僕のワルツ』
1コーラスずつ2人で分けるという歌割の贅沢さ!
そしてあんなに丁寧に何度も「愛しているよ」と歌い上げてもらえる贅沢さよ。別に直接自分に向けた「愛しているよ」じゃなくていいんですわ、あなたが「愛しているよ」と真剣に歌ってる様を見せていただけたらもうそれだけで最高に幸せなんです……と拝みたくなる。
『I promise』
王道アイドルソングは、無条件で聴く者をニッコニコにしてしまうものなのだな、と知った。美味しすぎて笑っちゃう、と同じ、アイドルすぎて笑っちゃう、という幸せな笑みが顔に憑りついて離れない。おなじみ跪く振付のパートで「キンプリ屋!」と声をかけたくなる。I promiseは歌舞伎。
『& LOVE』
再びの号泣。『生活(仮)』と同じ理由。
2024年下半期、日本で一番『& LOVE』『生活(仮)』を聴いてたのは私だと思う。絶対。普段車の中で聴きながら、間奏のクラップのパートでは指先でハンドルを叩いていたが、まさか海人の生煽りでクラップできる日が来るとはね……しかもこれ、Blu-rayに残る、よね? ありがとうKing & Prince。
『LOVE PARADOX』
これも好きなんですよーーーーー!!!!
しかも海人の生「Let’s Go!」だぁ……夢みたいだけど、今まで書いてること、全部夢じゃないんだよな。『Don’t Grow Up』のダンスの指示とか『シン・大河』のくだり以外は。
そして、この曲の途中で海人トロッコが我が席に向かってくる。
私は、トロッコルートの真横。端の席。1メートル上空を、海人が通過した。
真下から見る海人…………顎が割れてて本当に可愛い。本当に、かわいい。
本人は嫌がるかもしれないけれど!!
私は!!!!
顎が割れている男の人が大好きです!!!!!
顎の割れ目は恋のシャイニングロードやぞ!!!!!!
そして、通過した後の横から見る海人…………横顔の顎のシルエットがめちゃめちゃ美しい。本当に、美しい。
ファンサ中の、「ん~?」とうちわを読んだり、ニコニコしたり、ファンの目を見る近距離仕様の海人は、完全に「人間」だった。星の王子様ではなく人間。ただ、とてつもなく美しい、今まで見たことないくらい美しい人間で、その美しさの源泉が
顎なんですわ。
一般人だったら絶対顎下に存在するたるみが一切ない。完璧なフェイスライン。
海人さん。私があなたに伝えられることなんてほぼないんですけど、一点だけ伝えたい。
顎がめっちゃ好きなのでもっと誇ってください。
『koi-wazurai』
koi-wazuraiなんてなんぼあってもええですから。楽しいよね~背中側から観たけど全然OKです!
『なにもの』
すごくホッとする、リラックスできる。
だが情で初めてなにものVer.のエンディングがOAされたとき、ものすごく緊張しながら観たこと。CDTVでの生初披露を固唾を飲んで見守ったこと。そんな日々が嘘のように安心して聴ける曲になったことが、すごく感慨深かった。2人のパフォーマンスの安定感を、この2年弱で何度も確かめてきたおかげでもある。
『1999』
最後の挨拶代わりのような1999。この曲にも湿っぽい感傷を持ち込まずに聴けるようになった。聞き手の私の気持ちが強くなったという意味で。そうさせてくれたのも、間違いなくれんかい。2人はしっかり2人で立てる、歩いて行ける。そういう姿を何度も見せてもらえたから、曲がどんどん逞しいものになっていったのだと思っている。
と、しんみりしたところで
『ツキヨミ』!!!!!!!!!
まじか!!!!
まじか!!!!!!!!!!
やんのか!!!!!!!!!!!!!
2人のツキヨミは、5人時代よりも神秘的というか、儀式的な雰囲気を感じた。5→2という絶対数の減少と、線の細い2人がパフォーマンスするからかもしれない。5人時代のツキヨミがねぶたなら、2人のツキヨミは夜神楽、という印象がある。どちらも好き。これから年齢を重ねてどんどん色が変わる曲だと思うので、今後も観れる機会があったら嬉しい。
最後の特効の音がはちゃめちゃにデカくて変な声出た。
アンコール
『HEART』
振付っ……! 可愛すぎる!! 顎に手を添える振付が……ってまた顎の話かよ。いやでもあそこが可愛いのよ。あと、あの片手だけ黄色いグローブという衣装をスタイリングした人もグッドデザイン賞受賞なのでちゃんと申請(?)しといてくださいね。あの黄色いグローブ側の手で殴られたい♡ ってXで書いたけど全然賛同を得られなかった。何でや。
『シンデレラガール』
シンデレラガールを合唱できるのはティアラの特権やね……年末の第九みたいだった。シンデレラガールはもはや縁起物の域。
この先は私の内省です
博多駅行きのバスの中で、揺れに耐えながら、海人の美しさに改めて思いを馳せていた。顎奇麗。そう顎奇麗なんだけど、実は私は、この人の眉がすごく好きなのだな、ということに気が付いた。眉尻のほうよりは、眉頭。いや、その眉頭が、表情筋によって形を歪められた瞬間。
私は、海人の苦しそうな表情が、ひいては「苦しそうな海人」が好きなのだ、と気づいてしまった。
思い返せば、初めて髙橋海人その人をきちんと認識したのは『おしゃれクリップ』の号泣シーンであり、決定的に好きになるきっかけとなったドラマ『だが、情熱はある』では終始苦しそうな顔をしていた。『95』でもそう。『COLORS』で海人の下ハモに感動したが、その時に、かつてナガチャンが
「海人が苦しそうに低音を歌うのが好き(意訳)」と言っていたのを思い出していた。全く、同意だ。髙橋海人がとんでもなく美しい、ということを現場で確認したが、同時に、眉根を寄せて顔を歪めたり、汗を垂らしたり、苦しそうな様子をしている時が格別に美しい、ということも確認していた。顔を歪めているのに、目が会場中のペンライトを全部流し込んだかのようにキラキラしているという矛盾も。美しく、そしてどこか背徳的ないかがわしい魅力がある。
要約すると私は、あの美しく、いとおしいと思っている人が、苦しんでいる様が好きなのだ。なかなかにグロめの愛情だと思う。これを「ギャップ萌え」というポップなワードで単純化出来たらどんなにいいだろうか、と思うが、さすがにその程度の糖衣では覆い隠せない。ちょっとした嗜虐心と言えるかもしれない。芥川龍之介の『地獄変』を普段使いの濃度に薄めたらこういう口当たりになりそうだ。『HEART』の黄色いグローブで殴られたい、と思ったのはその裏返しの感情なんだろうか。
しかし一方で、私は決して特殊なファンではない、と確信している。海人が苦しそうな顔は格別に美しい、と思うのは、きっと私だけではないと思っている(黄色いグローブで殴られたいくだりがあんまり同意を得られなかったのでそこは除外するとして)。それは、「可愛い」「応援したい」という感情ととても近いところにあるはずだ。
対象が想起させる感情が複雑であればあるほど、人はその対象に執着し熱狂する確率が上がる、と思っている。いとおしい人の苦しそうな顔を魅力的に感じる、というのは、本来は「いけないこと」に分類されるのだろう。ただ、髙橋海人を追っていると自然とその「いけない」感情を抱いてしまう。その背徳感や申し訳なさを無意識に愛情で上塗りしているから、複雑な味わいになる。だから癖になる、そういうことなんじゃないだろうか。
はっきり言って、こんなグロめの愛情についてさらけ出す必要なんてないのだけれど、私は、この感情を自覚しておいて、今後「純粋に推しの幸せだけを願っています」という顔はできないな、と思った。それに、こういう複雑な魅力のある人をこそ私は好きになったので、きちんと書き残しておきたかったのだ。
人間の愛情の形は一筋縄ではいかない。「推す」という、割と記号化された愛情表現活動をしていると、そういう複雑さを忘れそうになってしまうが、生の髙橋海人を観てその人間の生臭さを思い出すことができた。私は生臭いものが好きで、どうやっても隠せない人間の汚さが好きなので、極上のキラキラ空間の中でそれらを思い出させてくれる髙橋海人に惹かれるのは、きっと当然のことだったのだろう。