映画『レディ・バード』(2017年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『レディ・バード』は、
自身をレディ・バードと名乗る女子高生の進学問題や恋愛模様を描いた青春映画です。
脚本・監督は、『フランシス・ハ』や『20センチュリー・ウーマン』の女優グレタ・ガーウィグ。女子のホントの痛々しさが描かれた秀作です。
キャスト
・シアーシャ・ローナン(クリスティン・マクファーソン)
大学進学を控えたカトリック系高校の女子学生 自身を「レディ・バード」と名乗っている
・ローリー・メトカーフ(マリオン・マクファーソン)
クリスティンの母 看護師
・トレイシー・レッツ(ラリー・マクファーソン)
クリスティンの父 失業中
・ルーカス・ヘッジズ(ダニー・オニール)
クリスティンの同級生
・ティモシー・シャラメ(カイル・シャイブル)
クリスティンが一目惚れする男子
・ビーニー・フェルドスタイン(ジュリアン・ステファンズ)
クリスティンの親友
映画『レディ・バード』の見どころと感想
(*ちょっとネタバレありです)
地元(カリフォルニア州サクラメント)の市立大学の進学を勧める母と口論になり、車から飛び降り腕を骨折する女子高生のクリスティン。クリスティンは閉塞的な毎日から抜け出したくてしょうがありません。
が、学内ミュージカルのオーディションで合格したかと思えば、全員が合格するようなショボいミュージカルだったり、イイ感じになりかけた男子には同性愛者だとカミングアウトされたり、親友ジュリアンともぎくしゃくしたりの不本意な毎日。
そんな中、クリスティンは経験済みの女子ジェンナと親しくなり、イケメン男子カイルと初体験を果たします。しかしお互い初めてと思っていたカイルは、実はかなりの遊び人であることがわかり激しく落ち込むクリスティン。そんなクリスティンを衝突しながらも支える母。
クリスティンの進学問題はー。
評)青春は、ダサくてイタくて輝かしい
「女子あるある」映画です。
最近は友達母娘が主流のようですが、マクファーソン家は違います。母(看護師)が一家を支え、父は優しい人だけど心を痛めて失業中。兄(養子)もちょっと社会不適合気味。
で、舞台は9.11後の2002年なんですね。そりゃ、NYに行くなんて親御さんは心配でしょうよ。わかります。誰の母でもない私でもこの気持ちはよくわかります。で、同性として娘の若さがうらましくもある。これも同じ女性としてわかるような気がします。が、そんな母の気持ちがわかっていても、現状から飛び出したくてしょうがないのがこの年代の女子なんですよ。いや、男子もそうかもしれませんが。
別の名を名乗ったり、高級住宅街の豪邸を自分の家だとウソをついたりー。
そういえば私も自分でかわいいニックネームをつけて「前のクラスでは〇〇って呼ばれてたの」と、ウソをつきました。ま、すぐにバレて誰もそのニックネームでは呼んでくれなくてー、って何のカミングアウトですか!? 今思うと「ダッせーなー」と思うことばかりですが、そのダサさや痛さこそが「輝き」なんですよ。
若き日のダサさやイタさを思い出して、ちょっとムズムズしてしまう映画『レディ・バード』。中高年女性にも(もちろんオッサンにも)お勧めです。