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映画『教授のおかしな妄想殺人』(2015年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画タイトル:教授のおかしな妄想殺人
原題:IRRATIONAL MAN
製作年:2015年 アメリカ
監督:ウディ・アレン
映画『教授のおかしな妄想殺人』は、
世界をより良くするためにー、という思いこみから完全犯罪を企てる孤独な哲学者を描いたブラックコメディです。
ヨーロッパ遠征の後、久々に舞台をアメリカ東部に移してのウディ・アレン作品です。
キャスト
・ホアキン・フェニックス(エイブ・ルーカス教授)
大学に赴任してきた哲学科教授
・エマ・ストーン(ジル・ポラード)
エイブの教え子
・パーカー・ポージー(リタ・リチャーズ教授 )
エイブの同僚
・ジェイミー・ブラックリー(ロイ)
ジルのボーイフレンド
映画『教授のおかしな妄想殺人』の見どころと感想
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アメリカ東部の大学に赴任してきた哲学科教授のエイブ。生きる目的を失っているかのような、どこかミステリアスなエイブに教え子ジルは惹かれていきます。
そんなある日、エイブはある悪徳判事のウワサを耳にします。
エイブはこの判事を殺害することこそが正義であり、自分の生きがいになると考え始め完全犯罪を企てます。
そうとは知らず、エイブと交際にこじつけたジルですがー。
評)過去の作品のテイストを踏襲しながらも切れ味不足
これまでにウディ・アレンが何度も何度も何度も描いてきた「犯罪」「罪」がテーマの本作。
ホアキン・フェニックス演じる哲学教授エイブは、見事なオッサン腹のインテリ教授。なぜかこれが女子大生(エマ)にも同僚女教師にも言い寄られるという、ウディ・アレン作品によくある展開です。
ウディ・アレン好きの私でも前半はかなり退屈で、悪いのはホアキンなのか、エマなのか、いやウディ・アレンやろ、とモヤモヤ。エイブが完全犯罪を思いつくあたりから、ようやくストーリーは面白くなるのですが、せっかくの面白さを邪魔するかのようなホアキンとエマのかったるいやりとりですよ。
これは2人が悪いんじゃない。2人がこの映画にハマっていないのでしょう。
哲学教授らしいウンチクやらガンチクにまみれたウディ・アレン的なセリフ(『哲学とはほぼ言葉による自慰だ』とか『不安は自由のめまいだ』など)はあるけれど、いかんせんホアキンの濃い顔ではキツすぎる。エマ・ストーンはそんな教授に惹かれる「ちょっとおかしな感じ」を頑張ってはいるけれど。
で、こんなにモヤモヤするのにラストは(ネタバレします)、
結構クリアに「罰」が下るんですよ。そこはモヤモヤさせんかいっ!
久々にアメリカ東部に舞台を移し、過去の作品のテイストを踏襲した映画でありながら正直なところ期待外れ。「ウディ・アレンも、晩年は切れ味がなかったよね」(注:まだご存命です)と言われる作品でしょう、これは。