映画『レディ・プレイヤー1』(2018年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『レディ・プレイヤー1』は、
VRの世界「OASIS(オアシス)」で理想の人生を楽しむようになった近未来(2045年)の若者を描いた作品。
アーネスト・クラインの原作小説『ゲームウォーズ』に、映画やキャラクター、アニメ、ゲーム、音楽などの80年代カルチャーを集結させて描くスピルバーグ監督の超娯楽映画です。
キャスト
・タイ・シェリダン(ウェイド・ワッツ)
アメリカ、オハイオ州コロンバスのスラム街で暮らす若者
OASISのプレイヤー、パーシヴァル
・オリビア・クック(サマンサ)
OASISのプレイヤー、アルテミス
・マーク・ライランス(ジェームス・ハリデー)
OASISを産み出したプログラマー
・ベン・メンデルソーン(ノーラン・ソレント)
OASISの権利を乗っ取ろうとする大企業IOIのトップ
・リナ・ウェイス(ヘレン)
OASIS内でのパーシヴァルの親友エイチ
・サイモン・ベック(オグデン・モロー)
ハリデーのビジネスパートナー
映画『レディ・プレイヤー1』の見どころと感想
2045年、貧富の差が拡大し、荒廃しきった街に暮らすウェイド。
ウェイドは仮想空間「OASIS」の中ではパーシヴァルとして生き、友だちを作り、戦い、戦利品(アイテム)を得ています。
そんなある日、OASISの開発者ジェームス・ハリデーが死去。彼はOASIS内に隠したイースターエッグを見つけた者にOASISの運営権を譲るというメッセージを残していました。そのイースターエッグを手にするためには3つの鍵が必要であり、世界中がその鍵を手に入れようとゲームに参戦します。
パーシヴァルはOASIS内で出会った謎の美女アルテミスらと協力し、ハリデーの過去から謎を解き明かしていきます。が、運営権を狙う大企業IOIのノーランの妨害を受けー。
評)フィクションはリアルからの逃避ではない フィクションの世界の可能性
ゲームにそれほど親しみのない身としては、「どうかな?」と思いながら見始めたのですが、随所に織り込まれている映画(『シャイニング』最高!)やアニメのシーン、キャラクター(日本製も多め「オレはガンダムで行く!」)が効いていて充分楽しめる映画でした。
特に音楽がイイ!のっけからヴァン・ヘイレンの「Jump」、ティアーズ・フォー・フィアーズの「ルール・ザ・ワールド」。さらにプリンス、ニューオーダー、ビージーズらの懐かしい名曲がふんだんに使われています。そして、ラストが、ホール&オーツ! 「You make my dreams」完璧な選曲ではないでしょうか。
これは紛れもない娯楽映画ですが、スピルバーグ監督が一貫して伝え続けてきた、「フィクションの世界の可能性」が描かれています。
「バーチャルの世界は、しょせん現実ではない。リアルの世界でのリアルな体験のほうが本当は大事なんだ」と、スピルバーグ自身を投影したとも思えるハリデーに語らせていますが、これは「だからバーチャルやフィクションはダメ」という意味ではないでしょう。
リアルな世界から逃げるためにフィクションの世界があるのではなく、体験や経験、意識はつながっていくー、だからこそリアルを大事にしよう、というメッセージじゃないのかな、と。
『レディ・プレイヤー1』は、アニメやゲームの世界で豊かな体験をしてきた人にもおすすめの1本です。