映画『バイス』(2018年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『バイス』は、
「アメリカ史上最強で最凶の副大統領」と呼ばれたディック・チェイニーを描いた作品です。
チェイニーを演じるのは、今回はドップリ太ったクリスチャン・ベール。まだ存命の人物をハッキリと「悪」として描いたブラックさも見どころの作品です。
キャスト
・クリスチャン・ベール(ディック・チェイニー)
下院議員から大統領首席補佐官、国防長官を歴任し、副大統領まで上り詰めた政治家
・エイミー・アダムス(リン・チェイニー)
ディックの妻 夫の尻を叩き政治活動を支える
・スティーヴ・カレル(ドナルド・ラムズフェルド)
チェイニーに大きな影響を与える政治家 フォード大統領、ジョージ・W・ブッシュ大統領の下で国防長官を務めた人物
・サム・ロックウェル(ジョージ・W・ブッシュ)
第43代アメリカ大統領 第41代ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は父
映画『バイス』の見どころと感想
1960年代、飲んだくれの青年ディック・チェイニーは、恋人リンの勧めによって政界入りを決意。共和党下院議員のドナルド・ラムズフェルドの元で政治手腕を学び、フォード大統領のもと史上最年少で大統領首席補佐官に就任。さらにジョージ・H・W・ブッシュ大統領の下で国防長官まで昇りつめます。
が、次女に同性愛者であると告げられ、保守的な支援者の反発を懸念したチェイニーは、大統領選への出馬を断念し政界から身を引くことに。
民間企業のCEOとして穏やかな生活をおくるチェイニーでしたが、ジョージ・W・ブッシュからのオファーによって副大統領として政界に復帰。お飾り的な「副大統領」ポジションを逆手に取りブッシュの陰で権力を掌握したチェイニーは、アメリカ同時多発テロ事件を経て、イラク戦争の実質的な指揮を執りー。
評)強者政治家を人間臭くポップに嘲笑う
副大統領となったチェイニーは次々と法律を変えて権力を握っていくんですよね。で、アメリカを間違った戦争に導き世界を混乱に陥れてしまう。
糾弾されてしかるべき人物なんですが、この映画はそんな”告発”の重々しさはまったくなく、むしろポップに嘲笑。チェイニーを単なる悪者、強者政治家としてではなく、野心家の妻や同性愛者の娘との関係に悩む姿や、何度も心臓発作で倒れるエピソードなども組み込んで、存分に人間臭く描いているところが見どころ。
今回は見事なオヤジ体型で「ホントにコレはクリスチャン・ベールなのか?」と思わせるチェイニーをはじめ、サム・ロックウェルのジョージ・ダメ息子・ブッシュや、スティーブ・カレルの強硬派ラムズフェルド、パウエル、ライスもそっくりな仕上がり。
「森友学園問題」とか「桜を見る会」とか、ネタは小っちゃいけど、こんな日本映画も見てみたい。