映画『ロード・オブ・ウォー』(2005年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『ロード・オブ・ウォー』は、
世界を股にかけた武器商人と紛争の裏側をシニカルに描くアクション映画です。
ニコラス・ケイジ演じる主人公には複数のモデルがいるとされますがあくまでもフィクション。テンポも良く見せ場も多い1本です。
キャスト
・ニコラス・ケイジ(ユーリ・オルロフ)
武器商人
・ジャレッド・レト(ヴィタリー・オルロフ)
ユーリの弟 商売の相棒
・イーサン・ホーク(ジャック・バレンタイン)
インターポール捜査官
・ブリジット・モイナハン(エヴァ・フォンテーン・オルロフ)
ユーリの妻
映画『ロード・オブ・ウォー』の見どころと感想
幼い頃、両親とともにユダヤ人を装ってウクライナからアメリカに移民してきたユーリ・オルロフ。
家族で営むレストランは客の入りが悪く、両親は信仰をめぐって仲違い。そんなある日、偶然マフィアの抗争を目にしたユーリは、武器の価値に気づき、武器商人となることを決意します。
弟ヴィタリーを相棒に商売を始め、才覚を表すユーリ。が、ベルリンの兵器市では相手にされず、以後闇取引で商売を拡大していきます。
薬物に溺れる弟、長年憧れた末、財力でものにした妻、そしてユーリを執拗に追うインターポールのバレンタイン捜査官。
リベリアの大統領にある取引を持ちかけられたユーリ。事態はそこからー。
評)武器が必要とされる社会の現実が見える
「武器は抑止力になる」「武器は必要悪である」を体現するかのような存在のユーリ。たとえ武器商人(「死の商人」とも呼ばれる) を取り締まったところで戦争がなくならないのは自明の理です。
かといって戦争を肯定することもなく、あくまでも武器商人の世界を淡々と主人公ユーリの語りで描いているところが面白い。ユーリ自身が語るのは自身の苦悩などではなく、武器商人としての心得と、武器が必要とされる社会の現実です。そこが、この映画の見どころでしょう。
監督は『ガタカ』『TIME/タイム』のアンドリュー・ニコル。弾丸を”体験”できるシーンなどの映像も面白く、数々のエピソードもテンポよく展開。
ニコラス・ケイジ、ジャレッド・レト、イーサン・ホークら役者陣はいずれも好演。
武器は抑止力になるのか、武器は必要悪なのか。あえて「善悪」を差しはさむことなくフラットな気持ちで見たい映画『ロード・オブ・ウォー』 ぜひ。
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