映画『ボーイズ・ドント・クライ』(1999年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『ボーイズ・ドント・クライ』は、
LBGTに対する社会的偏見と差別、それによって自己を深く傷つけられても「自分」を懸命に生きようとした青年の話です。
主演のヒラリー・スワンクは、この作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞しています。
キャスト
・ヒラリー・スワンク(ブランドン)
性同一性障害を抱える青年
性別は女性であるが自己意識は男性であり、外見や行動なども男性として生活している
・クロエ・セヴィニー(ラナ)
ブランドンと恋に落ちる女性 酒浸りの母親との生活にウンザリしている
・ピーター・サースガード(ジョン)
ラナ親子の家に入り浸る刑務所帰りの男 ラナと恋仲になるブランドンへの嫌悪を抱く
・ブレンダン・セクストン三世(トム)
ジョンの友人 同じくならず者
映画『ボーイズ・ドント・クライ』の見どころと感想
アメリカネブラスカ州に暮らす性同一性障害の青年ブランドンは、地元のバーで知り合った刑務所帰りの男ジョンと意気投合。一緒にフォールズ・シティで過ごすようになり、そこでラナと出会い恋に落ちます。
ある日、ジョンら仲間と出かけた際に起こしたスピード違反によって運転免許証が照会されたブランドン。そこでブランドンは「女性」であることが仲間に知られてしまいます。
それでもなおブランドンを深く愛するラナ。しかし、ブランドンの身に起こることはー。
評)偏見や差別が引き起こす悲劇から目をそらすことできない
性障害を抱える人に対する偏見や差別の酷さ、差別や偏見は悲劇しか生み出さないことを強く訴えかけてくる映画です。
「差別はなぜいけないのか」を知識として知るよりも、この映画を観て「自分がどんな気持ちになるのか」をしっかり体験すべきでしょう。正直、鑑賞後の気分はかなり滅入ります。
さらにこの映画は、1993年に実際に起こった事件をもとに作られていることがエンドロールで出てくるため二重三重のショック。アメリカは自由の国とはいうけれど、差別による事件が後を絶たない病んだ一面もー。
映画は社会の「病巣」をえぐり出し、見る人に「これでいいのか?」と訴えてきます。性問題だけでなく社会規範に反するという理由で自己を否定されることは、生きるうえで大きな障壁になります。
それでも別の誰かに代われるわけじゃない。自分を生きるしかないー。「自分を生きるとはどういうことなのか」を訴える映画『ボーイズ・ドント・クライ』 必見の1本です!
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