映画『カモン カモン』(2021年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『カモン カモン』は、
数日間を9歳の甥とともに過ごすことになった中年独身男の奮闘を描くヒューマンドラマです。
慣れない経験がもたらしたのは、自分自身にとってかけがえのない時間でありー。
監督、脚本は映画『人生はビギナーズ』ほかのマイク・ミルズ。この映画が心にもたらすものをずっとずっと大切にしていきたい。そう思える1本です。
キャスト
・ホアキン・フェニックス(ジョニー)
ラジオ局に勤めるジャーナリスト
・ギャビー・ホフマン(ヴィヴ)
ジョニーの甥
・ウディ・ノーマン(ジェシー)
ジョニーの妹 ヴィヴの母
・スクート・マクネイリー(ポール)
ジェシーの夫 心を病んでいる
映画『カモン カモン』の見どころと感想
NYのラジオ局に勤めるジャーナリストのジョニー。ジョニーはアメリカ各地の子どもたちをインタビューする取材に取り組んでいました。
そんな中、ロサンゼルスで暮らす妹ヴィヴがある事情で家を空けるため、留守宅で9歳の甥のジェシーの面倒を見てほしいと頼み込んできます。
慣れない子育てをすることになったジョニーは、好奇心旺盛なジェシーに手を焼きながらも次第に心を通わせていきます。
やがて仕事でNYに戻ることになったジョニー。ジェシーを連れていくことを決心しー。
評)この出来事もやがて過去になる。そう思わせるモノクロ活写が効いてる
「これ前にもあったよな」とか「いつものアレね」と思うことの多くなった日々ですが、ほんとは大人になってもその瞬間瞬間は、いつかの「再現」ではなく新しい体験なんだと気づかされました。同マイク・ミルズ監督の別作ではありませんがまさに「人生はビギナーズ」です。
軸になる甥っ子とのストーリーの背後には、さまざまな現代の問題が映し出されています。取材でめぐる各地の子どもたち、心を病んだジェシーの父。そうした”今”を描きながらも、この映画がモノクロで描かれていることの意味深さを感じました。
これもいずれ過去になるというノスタルジーの前借りのような切なさと、それでも前に、未来に進む「カモン カモン」という清々しい気持ちをずっと大切にしていきたい。そう思う1本です。
主演のホアキン・フェニックス、甥っ子のウディ・ノーマンのコンビは最高。病んだ父のスクート・マクネイリーも印象的。
映画『カモン カモン』ぜひ。