映画『スノーデン』(2016年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『スノーデン』は、
アメリカ政府による国際的な監視の実態を内部告発したエドワード・スノーデンを描いた作品です。スノーデンが、なぜすべてを投げうってまで告発しなければならなったのか。情報社会の闇と、そこに生きる普通の人間の心理が描かれた作品です。
キャスト
・ジョセフ・ゴードン・レヴィット(エドワード・スノーデン)
NSA(アメリカ国家安全保障局)、CIA(中央情報局)の元職員
コンピューターセキュリティ関連に従事
・シェイリーン・ウッドリー(リンゼイ・ミルズ)
スノーデンの恋人
・ニコラス・ケイジ(ハンク・フォレスター)
CIAの教官
・メリッサ・レオ(ローラ・ポイトラス)
ドキュメンタリー作家兼カメラマン
スノーデンの告発の協力者
・ザカリー・クイント(グレン・グリーンウォルド)
英ガーディアン紙の記者
・リス・エバンス(コービン・オブライエン)
スノーデンの上司
映画『スノーデン』の見どころと感想
香港のホテルでのスノーデンの告発と、告発にいたるまでのスノーデンの半生を描いたストーリーが同時進行していきます。
9.11に影響を受け、国のために働きたいと特殊部隊に入隊したスノーデンですが、訓練中に大怪我を負い除隊。失意のなか、プログラミング能力を生かしCIAに採用されます。
採用直後のテストで驚くべき能力を発揮したスノーデンは、上司コービンに認められスイスに赴任。
そこで中東の情報収集を目的とした活動を行いますが、スノーデンは何も知らないまま、一銀行家とその家族を不幸に陥れることに関与してしまいます。
こうした非合法なやり方に疑問を抱くスノーデンはCIAを退職。民間スタッフとしてNSAやCIAの仕事に関わるようになります。その後、日本やハワイに赴任しますが、多忙な仕事に加え、自身の監視、情報傍受に過敏になり恋人リンゼイのSNSも監視。そんなストレス過多の生活が起因したのか、スノーデンはてんかんを発症します。
自身が開発に携わったエピックシェルターが軍事利用され、多くの犠牲者を出していることを知りショックを受けるスノーデン。そして国家がらみの大規模なインターネットの監視、情報傍受が行われていることを知ったスノーデンは、告発を決意しー。
評)意外と普通のー、と思わせる人間エドワード・スノーデンを描く
コンピューターセキュリティー関連の話はややこしいしー、と思いきや、そこはサラッと流して小難しい説明はなし。これは、人間エドワード・スノーデンに焦点をあてた映画です。
このスノーデン氏はロシアに亡命した今でもメディアに登場し、その姿を確認できます。(映画のラストにも登場)そのスノーデンを演じるのは、ジョセフ・ゴードン・レヴィット。特徴のないニヤけた中途半端なイケメンって感じでパッとしない(スイマセン)んですが、この映画ではスノーデンの ”意外とフツーの人だったのね……” という人物像を見事に再現しています。
アメリカ政府は外国首脳に対する長年の盗聴も認めたものの、あくまでも監視プログラムの正当性を主張しています。見られてマズイ発言や行動のあるなしではなく、収集された情報によって自分の社会や未来が変わってしまうかもしれないー。そんな状況を甘受できますか?
スノーデンがすべてを失ってでも訴えたかったのは、私たち一人一人に関わることだからなのでしょう。