映画『女と男の観覧車』(2017年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『女と男の観覧車』は、
子連れ再婚した女性の恋と葛藤を描くウディ・アレン監督の大人のラブ・ストーリー。
1950年代のコニーアイランドの幻想的な美しさを背景に、こんなにキツイ話をー。ウディ・アレンってやっぱり最高よね、と思わせる会心の1本です。
キャスト
・ケイト・ウィンスレット(ジニー・ラネル)
元女優 子連れで再婚 遊園地でウェイトレスとして働いている
・ジム・ベルーシ(ハンプティ・ラネル)
ジニーの夫 遊園地のメリーゴーランドの管理人
・ジュノー・テンプル(キャロライナ)
ハンプティの娘 親の反対を押し切ってギャングと結婚
・ジャスティン・ティンバーレイク(ミッキー・ルービン)
コニーアイランドの海岸で働くライフガード
・ジャック・ゴア(リッチー・ラネル)
ジニーの連れ子 火遊びに執着
映画『女と男の観覧車』の見どころと感想
1950年代のコニー・アイランド。遊園地でウエイトレスとして働くジニーは、メリーゴーランドの管理人である夫ハンプティとジニーの連れ子リッチーと平凡な生活を送っています。
そんなある日、ジニーには劇作家志望でライフガードとして働くミッキーと不倫関係に。さらに、ギャングと結婚して家を出ていたハンプティの娘キャロライナが戻ってきたことで、ジニーの生活は大きく変化していきー。
評)どうしようもない大人を描かせたら右に出るものなし
舞台となるのは1950年代のコニーアイランド。ジニーらが暮らす部屋は遊園地の一角にあり、常に観覧車を眺めることができ、室内にも赤や青のネオンが差し込みます。とにかくその画が美しい。
一方、ストーリーはシビア。子連れ再婚のあげく「私の人生こんなもんじゃないわ!」と不倫中のジニーはもうすぐ40歳で現夫は横暴で現在禁酒中。その娘がギャングから逃げて転がり込み、不倫相手のミッキーをめぐる三角関係になるというドロドロ。しかも息子もかなりヤバい状況なのにー。
このギャップと調和が、冷めざめとした感じやほどよいあきらめをもたらしています。
あらためてどうしようもない大人を描かせたらピカイチと思わせるウディ・アレン会心の1本です。
といっても、興行的にも話題的にもイマイチの評価。私自身この評価に影響されて見るのを先送りしていたのですが、見逃さなくてよかった。近年のアレン作品の中では断トツに好きな1本です。
大物を起用したものの微妙な出来だった『マジック・イン・ムーンライト』とか『教授のおかしな妄想殺人』よりも断然イイ!次作となる大ヒット映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』よりもイイ!(個人の感想です)。
イタいアラフォーを演じるケイト・ウィンスレットがお見事。キャロライナを演じるジュノー・テンプルとともに50年代ファッションもお似合いです。
The Mills Brothersの「Coney Island Washboard」やGeorgia Gibbsの「Kiss Of Fire」といった50年代の音楽もイイ。
そしておなじみの101分という短尺。 あらためてウディ・アレンの映画力を思い知る1本『女と男の観覧車』 おすすめです。
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