映画『ワイルド・ローズ』(2018年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『ワイルド・ローズ』は、
カントリーシンガーを夢みるシングルマザーの葛藤を描くヒューマンドラマです。主人公ローズを演じるジェシー・バックリーの歌声とステージパフォーマンスに魅了される1本です。
キャスト
・ジェシー・バックリー (ローズ=リン・ハーラン)
アメリカでカントリーシンガーとしての成功を夢みるシングルマザー
・ジュリー・ウォルターズ(マリオン)
ローズの母
・ソフィー・オコネドー(スザンナ)
ローズの夢を支える資産家
映画『ワイルド・ローズ』の見どころと感想
イギリス、グラスゴーで暮らすローズは2人の子どもを抱えるシングルマザー。カントリーシンガーになることを夢みていましたが、薬物所持により逮捕服役。出所後はクラブのステージに立つことも断られ、子育てはローズの母頼り。生活は荒んでいきます。
そんなある日、地元の資産家スザンヌの家で家政婦として働くようになるローズ。仕事中にローズが口ずさむ歌に魅入られたスザンヌは、知人のラジオパーソナリティにローズの歌を録音したものを送ります。ロンドンのスタジオに呼ばれたローズは自分で曲を作ることを勧められます。
仕事と育児、そして曲作りに追われながらも、スザンナの支援によってカントリーの本場、アメリカ、ナッシュビルのステージに立つというチャンスを手にするローズ。しかしー。
評)ジェシー・バックリーのブレイク直前のエネルギー
シングルマザーの夢と子育てとの葛藤をカントリーミュージックの世界に反映させた本作。主人公ローズは音楽以外のことは頭に入らないかのようなまっすぐな性格で「カントリーミュージックを演るならグラスゴーじゃダメ、ナッシュビルに行かなきゃ」という思い込みで突っ走ったり、ぶつかったり。ドラッグ絡みの前科も無知がゆえとわかる。
そんなローズがなぜカントリーなのか、カントリーミュージックのどこが自分の思いと共鳴しているのかはハッキリと描かれておらず「カントリー・ウエスタンじゃなくて、カントリーよっ!」と強気に言うわりにはオリジナル曲もないという空回りぶり。
が、この映画の最大の見どころはローズ演じるジェシー・バックリー自身による歌唱シーンです。ちょっとハスキーな声がジャニス・ジョプリンを彷彿させます。(ジョプリンをモデルにした1979年の映画のタイトルも『ローズ』)
育児をしていてもどこか所在なげなローズの姿と、ステージに立つ生き生きとした姿のコントラストがとにかく印象的。
ローズを演じたジェシー・バックリーは本作のあと、映画『ジュディ 虹の彼方に』(2019年)でステージに立つ元スターを支える役どころを演じ、さらに2021年の映画『ロスト・ドーター』では、再び夢と子育ての狭間で葛藤する女性を演じ、注目を集める存在に。
ブレイク直前の本作は、バックリーのエネルギーが爆発するような作品です。ぜひ。
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