映画『グリーンブック』(2018年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『グリーンブック』は、
天才黒人ピアニストと用心棒のイタリア系アメリカン人男性の心の交流を描いた映画です。
トニーの息子ニック・ヴァレロンガによる実話に基づく映画で、第91回アカデミー賞作品賞ほか3部門と、私が選ぶ2019年ベスト映画を受賞した作品です。
キャスト
・ヴィゴ・モーテンセン(トニー・ヴァレロンガ)
ナイトクラブで用心棒をしているイタリア系男性
・マハーシャラ・アリ(ドクター・ドナルド・シャーリー)
天才ピアニスト アメリカ中南部をまわるコンサートツアーを計画
・リンダ・カーデリーニ(ドロレス・ヴァレロンガ)
トニーの妻
映画『グリーンブック』の見どころと感想
舞台は1960年代のアメリカ。
中南部では黒人差別が根強く残る当時、ニューヨークのナイトクラブで用心棒をしていたトニーは、クラブの改装とともに失業。次の仕事までのつなぎとして、コンサートツアー運転手の仕事に応募します。
面接で訪れた豪華な部屋にあらわれた雇い主は、黒人ピアニストのドクター・ドナルド。黒人に対する差別意識を持つトニーはこの仕事に乗り気ではありませんでしたが、ドナルドに見込まれ雇われることになります。
トニーに渡されたのは、南部を黒人が移動するために使われていたガイドブック「グリーンブック」 ここから2人の旅が始まります。
粗暴で無教養のトニーに対し、ロシアで音楽の英才教育を受け品性と教養を身につけているドナルド。対照的な2人はことあるごとに衝突します。
しかし旅を続けるうちに、ピアニストとしてのドナルドに敬意を抱くようになるトニー。トニーは滞在先でドナルドが受ける理不尽な差別に怒りを覚えるようになります。ニューヨークでは充分に成功しているドナルドがあえて南部でコンサートを行う真意に触れ、用心棒としてドナルドを守ろうとするトニー。トニーの家族への武骨な愛情を、手紙を書く助けをすることで家族に伝えようとするドナルド。
さまざまな事件に見舞われながら、ツアーを終えクリスマスにNYに戻る2人はー。
評)むしろアカデミー賞は獲らないほうがよかった、と思う秀作
トニーとドナルド、2人の人物がホントに魅力的なんです。シュッとしたイメージのあったウィゴ・モーテンセンが、見事にイタリア系食べ過ぎ用心棒になっているし、ドナルドの品性と孤独とコミカルに見せてくれるマハーシャラ・アリは完璧。この2人が互いを理解し合っていくストーリーに素直に感動します。
実話に基づいたー、というと必ず「事実はそうじゃない」とか「キャラクター色をつけすぎだ」という批判が上がるだけでなく、この映画『グリーンブック』は ”アカデミー賞に値しない” という厳しい意見があったことも話題になりました。
いまなお人種差別が続く社会で「美談にするな」という意見です。美談っちゃ美談なんでしょうが、この映画はもっと小っちゃな気持ちで見たほうが楽しみどころも多いと思うんですよね。むしろアカデミー賞は獲らないほうがよかったかもー、と思う秀作です。
あ、触れそびれてしまいましたが、音楽が最高!です。
そして最高のメリークリスマスです。
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