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映画『プライベート・ウォー』(2018年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:プライベート・ウォー
原題:A Private War
製作年:2018年 アメリカ
監督:マシュー・ハイネマン

映画『プライベート・ウォー』は、

2012年シリア内戦の取材中に亡くなった女性戦場記者メリー・コルビンの半生を描く伝記映画です

片目を失いPTSDに苦しめられそれでも戦場に赴くコルヴィン。そこまで駆り立てたものは何か。記者としてだけでなく、ひとりの人間として自身の使命に生きる姿を描く1本です。

キャスト

・ロザムンド・パイク(メリー・コルヴィン)
ジャーナリスト スリランカ内戦の取材中に左目を失う

・ジェイミー・ドーナン(ポール・コンロイ)
メリーと行動を共にするフリーのカメラマン

・スタンリー・トゥッチ(トニー・ショウ)
メリーの恋人 実業家

・トム・ホランダー(ショーン・ライアン)

メリーの上司

映画『プライベート・ウォー』の見どころと感想

(C)2018 APW Film, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

2001年取材中のスリランカで戦闘に巻き込まれ左目を失明したジャーナリスト、メリー・コルヴィン。以後、黒い眼帯をトレードマークに紛争地での取材活動を続けていました。

過酷な仕事によるPTSD、酒やタバコへの依存、そんな状態で仕事にのめり込んでいくコルヴィンに上司ショーンは治療と仕事のセーブを告げます。

しかし2012年、内戦が続くアサド独裁政権下のシリアへ。
女性や子供たちが犠牲になっていく姿を目の当たりにしたコルヴィンは、テレビのライブ中継を決行。多くの人々にその現実を伝えます。が、その後ー。

評)戦地に駆り立てられるコルヴィンを美化せず見せる戦争の真の姿

命を落としたジャーナリストの実話ものとあって、全編にヒリヒリした空気が漂う映画です。が、ホントにヒリヒリさせているのは戦闘や爆撃シーンではなく、平穏な世界のコルヴィンの姿です。

宿泊先で一夜の情事にふけったり、友人との会食で痛飲したり、幸せでいることに居心地の悪さを感じているかのようなコルヴィン。トレードマークの黒い眼帯もまるで自虐のよう。コルヴィンを徹底して美化しないことで、紛争によってえぐり出される人間の醜い姿が一層浮彫になってきます。

コルヴィン自身が語った「何度戦地に行っても、なぜ戦争が亡くならないのかわからない」という言葉。この映画は、コルヴィンのその「なぜ」を受け継がなければならないと訴えかけているかのようです。

コルヴィンを熱演するのは映画『ゴーン・ガール』(2014年)のロザムンド・パイク。行動を共にするカメラマン、ポール・コンロイを演じるジェイミー・ドーナンの抑えた演技が印象的。
監督はマシュー・ハイネマン。『カルテル・ランド』(2015年)『ラッカは静かに虐殺されている』(2017年)ほかドキュメンタリー出身のハイネマンは、コルヴィンに自身の姿を投影したのかもしれません。

気骨あふれる映画『プライベート・ウォー』をぜひ。


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