映画『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』(2015年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』は、
精子提供でシングルマザーになるつもりが略奪婚で母にー。優柔不断な夫とその元妻の三角関係を描いたロマコメです。映画『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグのまだまだ続く自分探し!?
キャスト
・グレタ・ガーウィグ (マギー・ハーデン)
仕事をしながら大学でデザインを学ぶ女性
・イーサン・ホーク (ジョン・ハーディング)
大学の文化人類学者
・ジュリアン・ムーア (ジョーゼット)
ジョンの妻 コロンビア大教授
・ビル・ヘイダー (トニー)
マギーの元カレ 現在は良き理解者
・マーヤ・ルドルフ(フェリシア)
トニーの妻 マギーの同僚
・トラヴィス・フィメル (ガイ・チャイルダーズ)
マギーの大学の友人 精子提供者
映画『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』の見どころと感想
大学でアーティスト・コーディネーターとして働くマギー。30歳を過ぎ結婚を考えていますが相手がいない。が、子どもは欲しい。マギーは精子提供でシングルマザーになることを決意し数学好きの旧友ガイに精子提供を依頼します。
そんなある日、大学で文化人類学者のジョンと知り合いになるマギー。ジョンは書き温めている小説をマギーに読んでほしいと頼み、以後ふたりは親交を深めます。
ガイから提供された精子を自己注入する直前、マギーの部屋を訪ねてきたジョン。ジョンはマギーに思いを告白します。
それから3年後、ジョンは妻ジョーゼットと離婚しマギーと再婚。娘を授かりジョンの連れ子2人の面倒もみる慌ただしい日々を送るマギー。あいかわらず小説を書いているジョンにかつてほどの魅力を感じなくなったマギーは、前妻ジョーゼットにジョンを返すことを思いつきー。
評)自分にバカ正直な生き方を真剣かつ飄々とー。グレダ・ガーウィグの魅力が光る
不倫で略奪婚、そのあげくーという話なのに、この自分にバカ正直な生き方を真剣かつ飄々とやってのけるマギーがなんとも魅力的。映画『フランシス・ハ』(2012年)同様にいつまでモラトリアムやってんだ、と言いたくもなりますが、いいんじゃないですかね。無理に大人になることもないし、大人のなりようにもいろいろある。この映画の中で良識的ポジションのトニーとフェリシア(マーヤ・ルドルフの抜け感がイイ)の夫婦にも説教臭さを感じない、ある意味、懐の深さを感じる映画です。
グレタ・ガーウィグのガサツそうで繊細、どこか抜けているのになぜか頼りがいを感じる、といった稀有な魅力が本作にもあふれています。子どもとお風呂に入るシーンは、見ているこちらも思わず顔がほころぶほど。
お相手のイーサン・ホークは安定のダメ男っぷり。前妻ジュリアン・ムーアも余裕しゃくしゃくな感じが微妙に怖くてイイ。監督は『50歳の恋愛白書』(2009年)のレベッカ・ミラー。インテリアやファッションにも見どころありの1本です。