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映画『ルビー・スパークス』(2012年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:ルビー・スパークス
原題:Ruby Sparks
製作年:2012年 アメリカ
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス

映画『ルビー・スパークス』は、

スランプの小説家とその目の前に現れた小説の主人公”理想の女の子ルビー”のラブストーリーです。

主演は脚本も手掛けたゾーイ・カザンとそのパートナーのポール・ダノ。
理想の相手との恋のはずがー。

キャスト

・ポール・ダノ(カルヴィン・ウェア=フィールズ)
スランプの小説家

・ゾーイ・カザン(ルビー・スパークス)
カルヴィンの目の前に現れる小説の中の女性 

・クリス・メッシーナ(ハリー)
カルヴィンの兄

・アネット・ベニング(ガートルード)
カルヴィンの母

・アントニオ・バンデラス(モート)
カルヴィンの母の再婚相手

・スティーヴ・クーガン(ラングドン・サープ)
ベテラン作家

・エリオット・グールド(ローゼンタール医師)
カルヴィンのかかりつけの精神科医

映画『ルビー・スパークス』の見どころと感想

(C)2012 Twentieth Century Fox

天才作家として華々しくデビューしたカルヴィン。が、その後思うように書けなくなり大スランプに陥っています。

独りよがりで友だちもおらず話し相手は兄のハリーだけ。意のままにならない飼い犬の存在さえもストレスに感じるカルヴィン。何気に自分の理想の女性が登場する小説を書き始めたある日、自分が創作した理想の女の子”ルビー・スパークス”が目の前に現れます。

幻覚かと疑うカルヴィンですが、自分が描くとおりにルビーの性格や行動がわかることに気づき、さらには自分以外の人にも見える存在であるとわかり、たちまち恋に落ち、家族に紹介するまでに。そして”そのままのルビー”を好きでいるために小説の執筆をやめてしまいます。

社交的でカルヴィンの家族や仕事関係者とも親しくなるルビー。内向的なカルヴィンはそんなルビーに捨てられるのではないかと心配になり、再び”自分の理想のルビー”を書き始めます。

しかし2人の関係はぎくしゃく。カルヴィンは出ていこうとするルビーに「自分の想像の産物」であると告げてしまいー。

評)ある意味 ”恋愛ってホラー” を痛感する映画

理想の相手とのロマンチックなラブストーリーかと思いきや、ある意味ホラーな本作。いや、間違いなくロマコメなんですが、理想を求めるオタク男子に対する毒味がたっぷりです。

主人公のカルヴィンはお洒落で生活感のない家でタイプライターで執筆するようなこだわりっぷり。彼女にもフラれ、友だちもおらず、犬だけが心の友。理想が高いといえば多少聞こえもイイのですが、要は独りよがりなんですね。

そんなカルヴィンが”理想”として生み出したルビー。はじめはとても魅力的に思えるのですが所詮カルヴィンの考えを反映させているにすぎません。「楽しく過ごす」「そのままでいる」というカルヴィンが書き換えた設定のルビーは現実味のない奇異な存在になっていくのです。

恋愛相手に自分の理想を求めるのはよくあること。けれどもその思いは相手だけでなく自分自身も傷つけてしまう。誰かに自分の理想を求めることの無意味さを、カワイイ犬やカルヴィンの自由な母とそのパートナーほかクセ強めの脇役が総動員で気づかせてくれます。

ヒロイン、ルビーを演じるゾーイ・カザンがとにかくイイ。リアルパートナーでもあるポール・ダノも好演。

小説、メガネ男子、犬、オシャレインテリア、と個人的にも好きが詰まった映画『ルビー・スパークス』おすすめです。ぜひ。

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