映画『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』は、
第三次世界大戦後の全体主義となったロンドンを舞台に、仮面の男”V”とその反政府活動に巻き込まれる女性テレビ局員を描く近未来サスペンス。
とりあえず、”ガイ・フォークス”をチェックしてから、の1本です。
キャスト
・ナタリー・ポートマン(イヴィー・ハモンド)
国営放送局員
・ヒューゴ・ウィーヴィング(V)
仮面の男 テロリスト
・ジョン・ハート(アダム・サトラー)
独裁国家の首相
・スティーヴン・フライ(ゴードン・ディートリッヒ)
イヴィーの上司
・ティム・ピゴット=スミス(ピーター・クリーディー)
秘密警察の長官
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』の見どころと感想
第三次世界大戦後、イギリスは独裁者アダム・サトラーによって統治され、かつての大国アメリカもイギリスの統治されています。
自由を制限された暮らしの中、国営放送局に務めるイヴィーは夜間の外出禁止令を破って外出し、秘密警察に発見され乱暴されそうになります。が、そこに”ガイ・フォークス”の仮面を被った男が現れイヴィーを助け出します。
翌日TV局をジャックした仮面の男”V”は国民に向けて「1年後の11月5日に国会議事堂の前に集まるように」とメッセージを発します。
この時”V”の逃亡を手伝ったイヴィーは、”V”の隠れ家に匿われ行動を共にするようになります。しかし、次々とターゲットを手にかけていく”V”を容認できないイヴィーは”V”の元から逃げ出し、かつての上司ゴードンのもとへ。
しかしゴードンは政権批判の番組を作ったことで独裁者サトラーの怒りを買い粛清され、イヴィーも囚われの身に。
”V”の協力者として拷問にかけられるイヴィー。”V”に関する情報を提供するよう強いられますがー。
評)とりあえず、"ガイ・フォークス"をチェックしてから
”V”の複雑なヒーローっぷりが見どころ。ですが、そこがいかにも劇画的で個人的にはちょっと苦手。
まったく素顔を晒さない”V”(ヒューゴ・ウィーヴィング、熱演)の実在感のなさに加え、美しいイヴィー(ナタリー・ポートマンも坊主頭で熱演)に恋しちゃう展開も微妙っちゃ微妙。アクションはさらに微妙。”V”にちっともハマり込めなくて難儀しました。
あのマスクに象徴されるとおり、”V”は17世紀にイングランドで起きた上院議場爆破未遂事件の実行犯ガイ・フォークスを模しており、キーとなる11月5日こそ、その爆破事件の日。現在でもイギリスでは「ガイ・フォークス・ナイト」として花火を上げるイベントも行われている(行事の趣旨は時代とともに変化している)らしい←ザックリ情報でスイマセン。
こうした背景を後付けで知った次第なので、この映画をホントに楽しめたかというとかなり怪しいのですが、第三次世界大戦後のディストピア感はジョージ・オーウェルの『1984年』やレイ・ブラッドベリの『華氏451度』にも通じるところがあって、なるほどな、と。
で、その映画版の『1984』(1984年/マイケル・ラドフォード監督) 体制に疑問を抱く主人公を演じているジョン・ハートが本作では”ビッグ・ブラザー”さながらの独裁者を演じているのも面白い。
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』、まずは”ガイ・フォークス”を抑えてから、ぜひ。