映画『プロミスト・ランド』(2012年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『プロミスト・ランド』は、
天然ガス開発を進めるエネルギー会社社員の葛藤を描く社会派ドラマです。
マット・デイモン主演・脚本、ガス・ヴァン・サント監督という1997年の映画『グッド・ウィル・ハンティング』のタッグ。それなのにー、という1本です。
キャスト
・マット・デイモン(スティーヴ・バトラー)
開発を進めるエネルギー会社社員
・フランシス・マクドーマンド(スー・トマソン)
スティーヴの同僚
・ローズマリー・デウィット(アリス)
地元の小学校教師
・ジョン・クラシンスキー(ダスティン・ノーブル)
開発に反対する環境法後活動家
映画『プロミスト・ランド』の見どころと感想
エネルギー会社グローバル・クロスパワー・ソリューションズに勤務するスティーヴ。開発を担当するスティーヴは同僚のスーとともにある田舎町を訪れます。スーの勧めでネルシャツ他一式を買い揃え、地元に溶け込もうとするスティーヴ。住民の家を1軒1軒回り契約を取り付けていきます。
その後地元小学校の教師アリスと親しくなるスティーヴ。万事順調に進んでいくかに思えたある日、体育館で行われた住民説明会の席で高校教師のフランクが開発による土地の荒廃のリスクを指摘。住民はスティーヴたちに不信感を抱くようになります。
そして町に環境保護団体の活動家ダスティンがやってき、開発中止を求めるキャンペーンを展開。窮地に陥ったスティーヴは開発に賛同する住民とともに祭りを企画します。が、当日は大雨で中止を余儀なくされ、いよいよ行き詰ったスティーヴはあることに気づきー。
評)開発をめぐる社会派ドラマのはずが
開発のために土地が買い上げられる様子は、どの映画で見ても気持ちのいいものではありません。地元の人々が難しいことがわからないのをいいことに上手に言いくるめるセールスマン。この映画のスティーヴもそんな人物です。
ま、それでもマット・デイモンです。冒頭では出世に目がくらむ素振りを見せながら、現地入り後早々に心がゆらぎ始めます。
常に行動を共にする同僚スー(マクドーマンド)にイイ感じに弄られながら、ビジネスマンとして、人として成長していくー、はずが、地元説明会で突如現れる有識者。そこ、抑えとけよ!って話ですよ。
続いて胡散臭い環境保護活動家が登場。定石どおりの困難にブチ当たるマット・デイモン。で、どうするのかといえばー、祭りかいっ!祭りじゃどうにもならんじゃろ!しかも雨! せっかく力の抜けたマクドーマンドさんが複雑な大人の世界をお教えしているのに、アンタは小学校の先生とー。
「社会派ドラマ」と言いましたが、シェールガス開発が環境にどんな影響を与えるのか、この会社のやっているのことはある種の詐欺なのか、についてはモヤッとしたまま。ガス・ヴァン・サント監督が描きたかったのはそこじゃないのかもしれませんが、なんだかすごい中途半端な思いが残る1本です。