映画『8月の家族たち』(2013年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『8月の家族たち』は、
父の失踪の知らせを受け実家に集まった三姉妹と母親の愛と確執を描くブラックコメディです。
秘密と告白をめぐる緊張の会話劇。メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツらの熱演が見どころの1本です。こんな実家には里帰りしたくない(笑)
キャスト
・メリル・ストリープ(バイオレット・ウェストン)
ウェストン家の母 ガンで闘病中
・サム・シェパード(ベバリー・ウェストン)
バイオレットの夫
・ジュリア・ロバーツ(バーバラ)
バイオレットの長女
・ユアン・マクレガー(ビル)
バーバラの夫 別居中
・アビゲイル・ブレスリン(ジーン)
バーバラの娘
・ジュリアンヌ・ニコルソン(アイビー)
バイオレットの次女
・ジュリエット・ルイス(カレン)
バイオレットの三女
・ダーモット・マローニー(スティーブ)
カレンの婚約者
・マーゴ・マーティンデイル(マティ・フェイ・エイケン)
バイオレットの妹
・クリス・クーパー(チャールズ)
マティ・フェイの夫
・ベネディクト・カンバーバッチ(“リトル”・チャールズ)
マティ・フェイの息子
映画『8月の家族たち』の見どころと感想
8月の真夏日、父ベバリーが失踪したと知らせを受けたオクラハマの実家に集まった三姉妹。
実家を離れ家族と暮らす長女バーバラ、地元に残り両親の面倒を見ている次女アイビー、自由奔放な三女カレン。
闘病中ながら気が強く毒舌家の母バイオレットは三人の娘に対しても激しく毒づきます。
さらにバイオレットの妹マティ・フェイトその夫、息子。
そして父が遺体となって発見され、これからどう生きていくかに直面することになった家族。
が、それぞれに抱える秘密や確執がむき出しになりー。
評)”家族”がはらむ愛と憎しみをあらわにするブラックな会話劇
家族ってホントに厄介、ってつくづく思わされる話です。
原作は本作の脚本も手掛けたトレシー・レッツの戯曲。まさに演劇的な会話劇がこの映画の見どころです。
とにかくメリル・ストリープがスゴイ。父(夫)の死後、卓を囲む家族一同。まず、男たちが上着を脱いでいること一蹴し(酷暑でエアコンもない部屋なのに…)、そこからひとりひとりをイビリ倒していきます。死んだ夫まで容赦なくdisる。口が悪いだけでなく、頭もキレ、したたかで、執念深い母バイオレット。が、老いに加えガンで闘病中とあってはー。
そんな猛母への複雑な愛憎を滲ます姉妹たち。この姉妹の間にも性格や価値観の違いによる確執があります。
それぞれの抱える問題や秘密とその暴露の具合はたしかにスリリング。が、程度の差こそあれ似たようなことはどの家族にもあるのでは。
この家族の問題はバイオレットの幼少期とその親の間にもあり、長女バーバラとその娘ジーンにも受け継がれるように存在しています。
”家族”という単位自体がはらむ愛と憎しみ。それでも家族だからーと言えるのか。さあ、この家族はどういう今後を選ぶのでしょうか。
繰り返しますが、ほぼメリル・ストリープの独壇場です。泣かせ笑わせ怯えさせ。
そのメリルさんに果敢に挑むジュリア・ロバーツもイイ。個人的には次女のジュリアンヌ・ニコルソンとカンバッチを応援したくなりますし、三女ジュリエット・ルイスの”らしさ”も嬉しい見どころです。
が!イチ押しはメリルさんの妹マティ・フェイのマーゴ・マーティンデイル。曲者っぷりがスゴイ。そしてそのマティ・フェイにいよいよ言いたいことをぶつける夫、クリス・クーパーも泣けてくる。ジュリアの娘ジーンのアビゲイル・ブレスリン(『リトル・ミス・サンシャイン』『スティルウォーター』ほか)はすでに芸達者ぶりを発揮し、その父はー、
ユアン・マクレガーやったんかいっ!
映画『8月の家族たち』 お盆にご家族そろっての鑑賞をおすすめー(しません!)。