映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は、
卒業を控えた女子高生のモリーとエイミーが「学生らしい思い出づくり」に奔走する青春コメディです。学園ものにありがちな設定をくつがえし、現代らしい多様性を描いています。
自身も女優として活躍するオリビア・ワイルドの初監督作品です。
キャスト
・ビーニー・フェルドスタイン(モリー・デヴィッドソン)
卒業を控えた高校生 生徒会長
・ケイトリン・デヴァー(エイミー・アンツラー)
モリーの親友 レズビアン
・ジェシカ・ウィリアムズ(ファイン)
モリーとエイミーのの担任教師
・ジェイソン・サダイキス(ジョーダン・ブラウン)
校長先生
・リサ・クドロー(シャーメイン・アンツラー)
エイミーの母親
・ウィル・フォーテ(ダグ・アンツラー)
エイミーの父親
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の見どころと感想
高校生活も終わりに近づいたある日、モリーは「ガリベンでダサい」という陰口を言われている現場に遭遇します。ここまで勉強一筋に過ごし、希望のイェール大学への進学を決めたモリー。しかし陰口をたたいていたチャラいクラスメイトたちも名門大学への進学や一流企業への内定を得ていると知りショックを受けます。
自身の高校生活は何だったのか―、そう悩んだモリーは親友のエイミーを誘って、卒業式の前夜は思いっきりはじけようと決意。
人気者のニックが開催する卒業パーティに参加しようとしますが、パーティ会場がどこかを知らされていない2人。会場を探し奔走する2人に次から次へとハプニングが。
そしてあることから仲違いしてしまうモリーとエイミーはー。
評)もはや多様であることを言及すらしない「あたりまえでしょ」という潔さ
卒業前夜にはじけよう、という設定は珍しいものでありません。
が、学園ものにありがちなお決まりの人物像や関係性を巧みに崩していくこの映画は実に新鮮。
生徒会長でガリベンのモリーの夢は最高裁判事。自信家でも卑屈でもなく自分らしさ大切にしている女子。そのモリーよりおっとりしているエイミーは、レズビアンであることをカミングアウトしており、イイ感じに気負いがない。
既成のイメージを覆すのはこの2人だけではありません。金持ち、ビッチなどのよくあるキャラも、この映画ではその裏側にある意外な姿を見せていきます。さらに、モリーのぽっちゃり体型やエイミーのレズビアンをいじめの材料として描いていないところも現代的。
本来お決まりの「型」になどはまらないはずの人間。そのあるがままを丁寧に、しかも面白く描いていく。「白人以外も登場させときましたよっ」というような雑な「多様性」ではなく、もはや多様であることを言及すらしない「あたりまえでしょ」という潔さが気持ちいい。
監督は女優でもあるオリビア・ワイルド( 『リチャード・ジュエル』『クーパー家の晩餐会』など)。美人でセクシーでリッチで気が強いといったイメージが強いオリビアですが、監督作品で自身のそのイメージを打破するというところも新しい。あっぱれ!な1本です。
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