映画『われらが背きし者』(2016年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『われらが背きし者』は、
休暇中に出会った男からUSBメモリを手渡されたことから、ある事件に巻き込まれる大学教授を描く。原作はスパイ小説の雄、ジョン・ル・カレの同名小説。一介の素人なのにー、というスリリングかつ不可解な展開が見どころのスパイサスペンス映画です。
キャスト
・ユアン・マクレガー(ペリー)
イギリス人大学教授
・ナオミ・ハリス(ゲイル)
ペリーの妻 弁護士
・ステラン・スカルスガルド(ディマ)
ロシア人マフィア
・ダミアン・ルイス(ヘクター)
MI6捜査官
映画『われらが背きし者』の見どころと感想
モロッコで休暇を過ごしている大学教授のペリーとその妻で弁護士のゲイル。2人はディマと名乗る男と偶然知り合います。ディマの娘の誕生パーティーに招待された2人はディマにあることを依頼されます。
ディマはロシアのマフィアの一因でマネーロンダリングに関与しており、あることからボスに命を狙われている。「このUSBメモリをMI6(イギリスの秘密情報部)に渡してほしい」と頼まれるペリー。
やむなく依頼を引き受けロンドンに戻ったペリーは、MI6捜査官のヘクターにUBSを渡します。
捜査を始めたヘクターはディマに接触しようとしますが、ディマはペリー夫妻を同席させるよう条件を付けます。
そして再会の場となったパリの美術館には摘発対象の実業家プリンスほか、ロシアンマフィアの面々が。あのUSBには肝心の口座番号がない。口座番号情報を入手しようとするヘクターですが、ディマは自分と家族の身柄を安全にイギリスに移すまでは、とこれを拒否。
マフィア組織に狙われるディマの逃走を手助けすることになったペリー夫妻はー。
評)人間臭さが際立つジョン・ル・カレ原作の地味スパイ映画
素人ですよ、ペリーも奥さんも。で、ほぼほぼ初対面の外国人の依頼を引き受ける? そのことがずーっと頭に引っかかってしまうこの映画。しかもちゃんと素人。ありがちなだんだん強くなる、なんてことはありません! MI6も人手不足(?)なのか、結構ショボくて妙に人間臭い。
スパイものでありながら、人間臭さが表に出るのがジョン・ル・カレ作品の良さ。映画『誰よりも狙われた男』の人を信用しない主人公の真逆といく本作のペリーはホントに人がイイ。ユアン・マクレガーが涙目で頑張ります。
ノワール・フィルムっぽい邦題も良し。ストーリー的にも派手な展開はありませんが、ちょっとだけビックリする結末まで、映画『われらが背きし者』をぜひ。