【神田カレースタンプラリー(27)】お茶の水、大勝軒
2024年11月初旬
この日、最近のド暇が嘘のように急に仕事が降ってきた。
今まで長い間沈黙していた複数の取引先が一斉に進捗を寄越してきたのだ。
なぜ今日。なぜ一斉に。
期日までに返答できるか怪しい量が一気に来たのは気が重いが、やることがあるのはありがたい。
午後一で打ち合わせを入れたので、ランチは近いところにしよう。
今日のランチは「お茶の水、大勝軒」に決めた。
こちらはカレースタンプラリー対象店の中では比較的職場から行きやすい場所にあるお店だが、ラーメン屋さんであることを理由になんとなく後回しにしていた。
新しそうな店構え。そういえば最近まで花輪が出ていたような。
入り口の券売機の前には外国人のお客さん。
そのお客さんが食券を買うのをサポートしている店員さんがいて、すぐ私に気がついてくれた。
「カレーやってますか?」と聞いてみると、「やってますよ!」とメニュー表を手渡してくれたので、眺めながら待つ。
前のお客さんが食券を買い終わると、店員さんは「お待たせしました」と私を券売機に案内し、メニュー表もさっと預かってくれた。
なるほど。券売機前に一人スタッフを配置して列を整理したり、メニュー表を配ったりするのはとても親切なサービスだと思った。
店の奥にあるカウンターで食券を渡す必要があると教えてもらい、ドキドキしながら店の奥へ。
明るくて清潔感のある広々とした店内は、見渡す限り男性客ばかり。
あの店員さんは、私が女一人で明らかな「アウェー」に赴いたことを察して特に親切にしてくださったのかもしれない。ありがたい。
カウンターの前にセルフサービスのお水があるので注いで、一人で座っても良さそうな席に座る。
料理ができあがると、食券の半券の番号で呼ばれた。自分で取りに行くスタイル。
注文したのは「スパイシードライキーマ」。
本当は「復刻版」という、かつて大勝軒が「町中華」として親しまれた時代に出していたカレーライスを復刻したものが気になっていたのだが、そちらは夜だけのメニューだそうだ。
「復刻版」が食べられないのは残念だが、2019年の神田カレーグランプリで準グランプリとマイスター賞をダブル受賞したという「スパイシードライキーマ」に期待。
こちらが「スパイシードライキーマ」。
アート!
ラーメンでも町中華でもない、大勝軒の新しい挑戦としてのカレー。
すごいものを注文してしまったと理解した。
ごはんの周辺に敷き詰められた砂のようなものが気になり過ぎてどんどん近づいて接写。
小さなベージュの丸い粒はケシの実、縦線の入った細長いのはフェンネルシード?、大きめの茶色いのはアーモンドを砕いたものかなと思うのだが、それ以上はちょっと分からない。
他にも多数のナッツ?スパイス?が混ざって敷き詰められている。
ひとくち食べてみる。
スパイシーなカレーとごはんに、プチプチ、ザクザクの食感が混ざってすごく楽しい。
食感オタクにはたまらない悦び。
私は大のナッツ好きでもあるのだが、それは食感オタクだからなのかもしれないと急に納得した。
卵黄を割り、スパイシーなカレーにとろりとしたマイルドさが加わるのを楽しみ、あとはできるだけ口に運ぶ一口一口の全体にプチザク成分を纏わせることに必死になった。
けしの実一粒も残さず食べたい。
挽いていないスパイスを含むドライな粒子群をザクザク直喰いする感覚は癖になる。
ごはんとカレーというウェットなものの表面にそれをまぶしながら食べる。
こんな料理は今までに食べたことがない。
(一つだけ近いものがあるとしたら…良き時代のサイゼリヤで「辛味チキン」に卓上の「唐辛子フレーク」を大量にふりかけ、一口食べるごとに皿に落ちた唐辛子フレークにチキンをちょんちょんして表面に纏わせながら食べた思い出が鮮明に蘇った。唐辛子フレークは卓上から姿を消し、サイゼリヤにはめっきり足が向かなくなってしまった。私は死ぬまでにあと何回「辛味チキン」と「唐辛子フレーク」のことを思い出せるだろうか。)
大勝軒が生み出した新しいカレーに感動し、サイゼリヤの良かった頃に思いを馳せながらペロリと完食。
カウンターの返却口へ食器を戻す。
そこに神田カレースタンプラリーのQRコードを発見。
読み取ってスタンプをゲットし、珍しくやることがあるオフィスへ戻った。
この日ランチしたお店
お茶の水、大勝軒
【いただいたメニュー】
スパイシードライキーマ 1500円