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多原子分子の内部エネルギー

・単原子分子気体の場合

並進運動のみ!!

原子間の相互作用が無視できれば、エネルギーは運動エネルギーしかない。

例えば、1分子のx軸のみについて考えると、

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となる。
*ボルツマン定数k_B…分子1個当たりの気体定数 
 N_0はアボガドロ定数

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で定義される。

本当は原子が3方向に移動できるため,自由度は3である。

よって、分子1個当たりのエネルギーは、

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nモルの気体に関しては、単原子分子気体の場合、内部エネルギーが

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となる。

・二原子分子気体の場合

並進運動+回転運動!!

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単原子分子から1自由度増えると、

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エネルギーが増加する。

図のような、二原子分子の場合、並進運動のほかに、回転運動がある。

二原子分子をダンベルのように見て、

x軸周りに回転させても、状態は変わらないため、エネルギーは0となる。

よって、y,z軸の回転運動が加わるので3+2で自由度は5になる。

分子1個当たりのエネルギーは、

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nモルの気体に関しては、二原子分子気体の場合、内部エネルギーが

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となる。

・三原子分子の場合

並進運動+回転運動!!

二原子分子の状態と比べて

三原子分子では、x軸周りに回転させたら、状態は変わる。

つまり、並進運動と回転運動で自由度が6になる

ゆえに、分子1個当たりのエネルギーは、

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nモルの気体に関しては、三原子分子気体の場合、内部エネルギーが

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・まとめ


原子の数がたくさんになると内部エネルギーが増加していくことは体感的にもわかると思います。

次回はこれを利用して、令和1年度の東工大に出ていた比熱比について書こうと思います。

お読みになっていただいて、ありがとうございます。

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