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29歳男性、恋人と別れた。

このタイトルにしておいて何から書出せばいいか分からないがとりあえず、恋人と別れた。5年弱付き合っていた人と2ヶ月前に。ハッハッハッハー(なぞの笑い)

ちなみに別れを切り出したのは向こうから。フラれた瞬間

うわぁぁぁあ!これが人生ってやつかぁぁああ!!!

……と、目の前でクリリンがやられたときの悟空ばりに絶叫した。(もちろん比喩。絶叫してたら奇人すぎるやん?)またあとで詳しく書くが、不思議と失恋というショックは感じなかった。

Twitterエーックス(頑なにXとは言いたくない)で軽い感じで「別れました!」って呟いてもよかったけど、いろいろ考えてみてnoteでじっくり書いてみよ!と思い立ったのである。

別れ話は突然に

4月のある日。散りゆく桜を眺めながら夜のカフェで彼女を待っていた。ずいぶんと久しぶりに会った彼女から淡々と

「ごめん、あなたと結婚する未来が見えない」

と言われる。

そして

「もう終わりにしましょう」

と、淡々と告げられた。目はいつもより潤んでいたような気がしたが、声はいつも通りだった。落ち着きのある声で淡々と言う彼女は最後まで僕が好きだった人の声となんら変わりなかった。

(あ、別れ話って意外と普通だったわ)と思いながら「分かった」と静かに言った。ざっと10分くらいでお店を出た。早すぎる別れだった。

「ココは私が払うね」

と言われ、「あぁ、ありがとう」としか言えなかった。最後くらい「僕が払うよ」とカッコつけさせてくれよ。

交際期間はあまりにも長かった割には別れはあっさり。最後に別れるとき彼女から

「じゃあ、元気でね。今までありがとう」

と告げられた。

「こちらこそ」

と言って本当に別れた。円満に。

このまま帰るのはもの寂しい感じがしたので、コンビニストアで350mlの缶ビールを買って、小さな公園のベンチに座って飲んだ。

どのくらいの時間を過ごしたか分からないくらいに、たたずんだ後、ようやく帰路に着くことにした。

帰りの京王線できのこ帝国の「クロノスタシス」を聴いた。

コンビニエンスストアで350mlスリーファイブオーエムエルの缶ビール買って 君と夜の散歩 時計の針は0時をさしてる 「クロノスタシスって知ってる?」「知らない」と君が言う 時計の針がとまってみえる現象のことだよ

きのこ帝国「クロノスタシス」の歌い出し

きのこ帝国「クロノスタシス」を流したのは恣意的だが、さっきまでの自分の行動とシンクロしてワロタ〜。ハーハッハッハッハー(なぞの笑い)。ワロタってもう死語やんな???アラサーはワロタ世代なんよ(ワロタ世代とは)

さて、なぜ別れたか。

もう分かりきっている。5年弱付き合っていて1度も将来のことについて話し合いしていなかった。つまり結婚のことである。

付き合っているだけで年数だけが経った。そりゃあ別れる。これがカチカン価値観の違い?????いや、簡単に「カチカン価値観の違い」とか言うべからず。誰がなに言うてんねんというツッコミはなしでお願いしたい。

考えなかったわけではない。考えた結果、結婚の話に踏み出せなかったのである。自分には相手の人生をも背負う覚悟ができなかった。ましてやその先、もし子どもが産まれて…。そういった意味では、5年弱、彼女を振り回した結果となった。互いに29歳、仕事に邁進するあまりに心の距離がはなれた。手からすーっと遠ざかっていくかのように。

僕たちの前には、未だ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が、どうしようもなく横たわっていた。

新海誠映画『秒速5センチメートル』に出てくるフレーズだ。誰かと向き合うときによく思い出す。人と関係をつくることは希望でもあり、絶望である。人生の大半の時間は誰かのことを想うために使われるのだと、ここ数年、感じた。

学生のころから付き合って、就職を経て、仕事がようやく軌道にのる。その次に考えるライフプランといえば結婚ではなかろうか。仕事に邁進するあまり、結婚を考えていなかったのと、仕事が忙しいのを理由に互いに会うことも話すことも減っていった。

ここまでの筋書き、本当に『花束みたいな恋をした』みたいだ。この『花束みたいな恋をした』の主題は「学生から社会人への移り変わりによって起こる価値観の変化」を生々しく描いている。彼女から別れ話を持ちかけられたとき、本当にこれを思い浮かべてしまった。

彼女とは学生のときに知り合い意気投合して交際に至った。出会ったのが早すぎたかもしれない。もし、学生じゃなくお互い社会人の状態から交際をはじめたらきっとまた違っていたのかもしれない。そう思うと学生のころから付き合って結婚に至った人、すごい。どうやって価値観の相違を埋め合わせたのだろうか。教えてほしい。人間関係難しすぎるよ。

付き合い始めた段階で結婚を意識していなかったのがいけなかった。だって学生だったから。その感じのまま僕たちは大人になってしまった。

薄々わかる2人の距離

社会人になって最初の1、2年は激動の毎日だったと思う。この時期の記憶がない。本当に。

不器用ながらにも頑張ってきたつもりでも、うまくいかない日々。上司にぶん殴られたこともある。んんんんんん。お仕事ムズカシイ。社会人は大変だ。今も昔も。

しかし、めげずに仕事をこなしていくうちに、ようやくカタチにはなってきたころ、残業が60~80時間が当たり前になってきた。業界全体でそんな感じなので「なんで僕だけ…」という思いは湧かなかったが、社会人年齢があがっていくうちにどんどんキツくなってくるのなんなんだ。

仕事がこんな状態になって起こることは、私生活と人間関係がおろそかになる。当の彼女にも週1回の連絡だけになり2、3ヵ月に1回会えればいい状態になる。別れる半年前になるといよいよ言葉を交わさなくなった。いつ別れてもおかしくない状態というものがある。

そんな折に、冒頭の別れ話になる。

とうとう来たか…。という感じだ。それ以上でも以下でもなかった。失恋というショックは不思議となかった。関係をおろそかにした僕がいけなかった。本当に人間関係、むずかしい。

これからどうする???

どうしましょ。婚期逃した。ダメだこりゃ。

新たに恋人をつくってという過程がめんどくさい。マッチングアプリ?やってられない。

徒歩2,3分圏内で行き来する友だちならめちゃめちゃほしい。利害関係をうまない友だち。恋人をつくるより難易度高そうだが。

恋人ができないのを「出会いがないから」というが、それは出会いのある場に赴いていないだけである。だからといって街コンやマチアプをやるつもりはない。「もう恋なんてしない」とまではいわないが、当分、僕に恋人をつくるのは難しいようだ。

恋人と別れて「おっっっもしれー人生だな」と思う。順風満帆でうまくいく人生っておもしろくない。そのかわり大変だけど。いますぐどうにかしたいわけではないが、これからはもうちょっと人付き合いをよくせねばと思う。

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noruniru
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