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映画「最後まで行く」日韓両方観た。ネタバレ多少あり

結論
私は韓国のほうが好み

今年5月に封切られた映画「最後まで行く」

あ、もう大ヒット上映中じゃないです、念のため。
藤井道人監督で主演は岡田准一。でもW主演と言ってもいい感じの綾野剛。
2014年に韓国で公開された映画のリメイク版。
私はだいぶ前にオリジナル版を観ていた。いろんな意味で「これぞ韓国映画!」な作品だったので、日本でこれをリメイクするときはどうすんだ?と思っていた。派手な爆破とかね。

あらすじはざっくりいうとこんな感じ

ある汚職刑事が人は跳ねてしまう。慌てて車内に飛び出し救護をしようとするが、即死のようだった。焦った刑事はその場から立ち去る時にその遺体をトランクに乗せてしまう。そして偶然にも同日に亡くなった母親の棺に入れて遺体もろとも隠蔽してしまおうと考えた。しかし刑事は謎の男から「お前は人殺しだ」というメッセージを受け取る。そして無茶な要求をしてくる男と対決をすることになるが・・・

毎度ざっくりしすぎなあらすじだけど、轢き逃げどころか、遺体を隠蔽とか警察官のすることかい。と、書いててこの主人公である汚職警官のクソっぷりに腹が立ってしまった。しかし韓国映画だとなんか受け入れちゃうんだな。この時点で日本というお国柄的に合わないような気がしてた。

そんなことはさておき。
リメイクだから、細かい設定は日韓で違いはある。
たとえば
【韓国】主人公は離婚。一人娘がいるが、妹夫婦と一緒に暮らしている。
    主人公を追い詰める悪徳警察官は単独行動
【日本】主人公は離婚寸前で別居中(だと思う)一人娘は妻と暮らす
    主人公を追い詰めるのは県警本部の監察官。
    組織ぐるみの隠蔽の実行役

な感じ。そしてさらには
【韓国】埋葬方法は土葬 故人がクリスチャンだから
【日本】埋葬方法は火葬

他の感想サイトでは「埋葬方法が違うからそこがポイント!」といっているところがいくつかあったけど、私は全然気にしてなかった。
言われてみればなるほどね、ってくらい。これは藤井道人監督じゃなくても考えるでしょ。

さて、私がなぜ韓国のほうが好みかというと。

韓国のほうがすっきりとわかりやすいから。

*閲覧注意*以下韓国版ネタバレ
主人公が轢いてしまった人は、すでに撃ち殺されていた(ようだ)。なぜなら謎の男の持っている個人口座にあった麻薬を持ち逃げしようとしたから。謎の男は悪徳警察官(警部補)で、取り締まりで押収した麻薬を盗み、再生成し違法クラブで売買をしていた。警部補はうまくその男を使っていたようだが、その男は口座の鍵と麻薬を持って逃げた。そして追ってきた警部補に撃たれた。その現場にたまたま通りかかった主人公が誤って轢いてしまった。そんな背景があるとは知らない主人公は慌てて死体をトランクに乗せ走り去ってしまった。遺体には鍵があるはずなのに。だから警部補は遺体を差し出すよう要求したのだ。
途中、主人公の行動を怪しいと思った同僚が、力を貸してくれそうになる。
しかしそれも警部補には見抜かれていて見事に殺されてしまう。
自分一人だけでなんとかしなくてはならないと思った主人公は、娘と妹夫婦を地方のホテルへ行かせ、自分は警部補と決着をつける。
車を爆破し、車ごと湖?沼?に落ち、浮かび上がってこない姿を確認し、家に帰る。しかしなんと警部補は家に来るのだ。死闘の挙句、警部補は死亡。
警察はひどすぎる不祥事に隠蔽を決める。そして主人公は退職する。
妹夫婦と娘と墓参りをした時に、娘があるものを持っていた。
それは例の口座の鍵だった。
その口座の鍵で金庫内に入るとそこには一生かかっても使いきれないほどの札束が積み上げられていた。
秘密を墓場まで持って行く。
つまり「最後まで行く」というわけだ。

一方の日本版はというと、

車で撥ねた男がすでに銃で撃たれていたのはオリジナルと同じ。
違うのは黒幕は警察上層組織というところ。
綾野剛演じる県警本部監察官は上の命令で遺体を回収しなくてはならない、という役どころ。でも序盤から結構

サイコパス気質が出てて怖い


もう事件は決着がついているのに
汚職刑事と監察官の死闘は続くよどこまでも
「行くとこまで行ったろか!」的な終わり方になっていた。
まあ「最後はで行く」という一つの解釈なのかなとも思うけど。

県警本部長の娘と結婚をし、将来を約束されたような監察官だけど、
それはその「秘密」を守るという命があるからであり、
それができないなら出世の道はないという。そのための死体さがし。
なんだかちょっと令和の日本には合わないような感じがしたのよね。
同僚刑事をあっさり殺すシーンや監察官の車を爆破するシーンもあったけど、娘を人質に取るのはなんかちょっと違う気もしたし。


さらに藤井道人監督だから出てくるかなって思ったけど、やっぱり出てきた

ヤクザ

「最後に笑うのは誰か」みたいなオチだった。


両方ともNetflixで配信しているので、
ぜひ両方をご覧あれ。


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