通勤もいいことがある。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:痴漢に会うくらいなら全部仕事はZoomにしてしまえ。武道の稽古場まで行くのもムダ、オンラインでやればいい。でも人と人が触れ合わない未来には、しあわせも発展もないかもしれない。
通勤通学の無意味さ
なにせ僕の場合、自宅のある東京から木更津まで片道3時間もかかるんですよね。
朝アクアラインが渋滞で、バスは30分遅延で大変でした。
まあそれでも仕事だから仕方ないですが、男はいいとして、きょうびは通勤は女性にとって鬼門ですよね。
満員電車には、痴漢という悪魔がいるからです。
最近は息を吹きかけたり、髪を触ったり「痴漢未遂」というのも出てきて、被害者はPTSDになったの報道もあり、本当に女性にとって通勤は命がけだと認識しています。
稽古に通うこともリスク
今日、火曜日は合気道の稽古の日です。
木更津から、新宿の道場に行くわけですが、これも通勤ではありませんが、道場に行くのは、いつも「怠けたい心」との戦いです。
自宅の近くにあれば、そんな悩みはないのですが、新宿の道場も自宅から1時間程かかります。
「休んじゃいたい」は仕事じゃないからこそ、その誘惑は強いのです。
武道の稽古って、心身へのストレスがかかるだけ、サボリたい欲望との戦いが起こりがちで、ビジネスとしては、稽古場に通うプロセスはできればなくしたいわけです。
歩いていける道場ならば、その葛藤も少なくなるので、途中でやめてしまうことへの抑止力になるかなあ、などと道場へ行く道すがら考えていた次第です。
通勤通学もいいことがある
もう通勤はやめで全部Zoomにする、武道の稽古だってオンラインでやれるじゃないか。
そうすれば痴漢の心配もないし、道場に行こうか行くまいか迷うこともない。
今日は「その通うことのリスクとムダ」を糾弾するつもりだったのですが、いいことが3つあったんですよ。
1.バスの中で熟睡して、乗り過ごすところだったのですが、顔見知りの運転手さんが「お客さん、ここで降りるんだよね」と言って身体を揺り動かして、起こしてくれた。
2.大学のキャンパスに入ったら、付属校の女子高生が学園祭の大きな段ボールを抱えて四苦八苦していたので、「持ってあげるね」と騎士を気取り、感謝された。
3.合気道の稽古帰りによったスーパーで、一匹90円の破格のサンマを4尾手に入れた。でもそれじゃなく、サンマをビニール袋に入れようとして悪戦苦闘している不器用な僕に、知り合いの女店員が「あたいが入れてあげるね」とサンマをビニールに包んでくれた。
通勤は旅だ
会社も稽古もオンラインでできないことはないでしょう。
痴漢にも、サボリたい欲にも、遭遇しないはずです。
でも通勤は人生と同じく旅であり、そこには出会いがあるはずです。
見知らぬ人に親切にされたり、したり、そうしたふれあいが喜びをもたらし、人生を豊かにするのです・・そんなことを感じた一日でした。
ビジネスから生活から、人がどんどん排除されています。
ファミレスでも定食屋でもタッチパネル、いや最近はQRコードをスマホにかざせ、と命令されます。
いくら人で不足でも、人と人とのふれあいがないビジネス現場を放置すれば、ビジネスにいちばん大事なアイディアそしてインスピレーションが生まれません。
人と人との接触がどんどん少なくなっていくに連れ、ビジネスもやせ衰えていく、そんな未来が見えるのですが。
野呂 一郎
清和大学教授