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トップガンの主役はトムクルーズじゃなくて、バドワイザーだ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:プロダクト・プレイスメント広告とは何か。レバレッジとは何か。「小よく大を制す」のほんとの意味とは。

トップガンの主役はトム・クルーズじゃなかった?

30年前の映画トップガンをテレビで見ました。

ご存じトムクルーズの代表作で、シリーズ最新作トップガン・マーベリックが昨年日本でも大ヒットしたのは記憶に新しいですね、

僕はこの映画を見て、主役はトムクルーズじゃない、そう思ったのです。

じゃあ誰よ(笑)となるわけですが、それはバドワイザーです。

この映画の序章で、パイロットたちがパーティをしているシーン、
トムクルーズがうまそうに瓶のバドワイザーを飲むんです。

下の絵、ちょっとわかりにくけど、トムがバドワイザーのビンを持ってます。

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映画やテレビドラマのシーンに、実際の商品を登場させる、

マーケティングのテクニックで、プロダクト・プレイスメント広告、と呼ばれる手法です。

もはやマーケティングの古典といえる技法ですが、プッシュ型と言われる従来のマーケティング的な押しつけがましさがなく、映像に登場するスターたちのスター・オーラを製品がまとうことで、製品の魅力が拡大すると言われています。

いまさら古典のマーケティング理論を、さも新しいかのように喧伝するつもりはないけれど、温故知新と言うし、僕のモットーはリライト(物事を定義し直す)ですので、ちょっと気がついたことを書いてみます。

レバレッジが効いているか

結局ね、現代の経営の最重要課題は何かというと、「小よく大を制す」ってことなんですよ。

つまり、中小企業がいかに大企業に一泡吹かせるか、ってことです。

でも今の世の中見てくださいよ、誰もGAFAに勝てないでしょ。だから世界は独禁法で押さえつけるくらいしか、抵抗できない。

それだって大企業にみんなぶら下がっているから、当の政府さえ税収で頼っているから、事実上野放し状態です。

大企業は、脅威となる中小企業が出てきたら、最初は泳がせておいて美味しくなったところでM&A(買収)で、自社に取り込んでしまう。

AIやメタバースに対応するためには、莫大な資金がいる。中小企業はもはや打つ手がありません、ただ一つのことを除いては。

それは知恵を使うことです。

経営学的にそれを表現すれば、「レバレッジをかけろ」となります。

レバレッジ、つまりテコの原理ですね。

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小さい力で大きい結果を生むことです。

プロダクト・プレイスメントというレバレッジ

僕はトップガンのトム・クルーズがバドワイザーを飲む、あのシーンを見て「あ、レバレッジがかかってるな」と直感的に感じました。

その中身はこうです。

1.マッチングというレバレッジ

製品とそれを使うスターの相性、ドラマの性質と製品のマッチング、時代と製品の出会いのタイミング。こうしたマッチングがレバレッジを生むのです。

「トップガンの主役はバドワイザー」とあえての言葉をぶつけましたが、本音です。

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マッチングということでは、映画全体のコンセプトが、バドワイザーとマッチしていると思うんです。

もしこれがキリンラガーとか、ミケロフの黒ビールだったらどうでしょう。

映画とトム・クルーズの醸し出す価値観、「軽くカッコよく、スリルと臨場感にあふれる」にはそぐわないでしょう。

2.スターパワーというレバレッジ

最近の経営学でよくでてくるのが「スターパワー」という言葉です。文字通り、スターのオーラが製品に乗り移ることです。

3.国際性というレバレッジ

映画は世界中の人が目にする娯楽です。国内向けのものよりも、世界すべてを相手にする製品は、世界中の目に留まる映画とレバレッジを生成します。

4.SNSというレバレッジ

一度バズってしまえば、勝ち、です。バズるのは偶然の要素が大きいとはいえ、映画で出てくるプロダクト・プレイスメント広告は、皆がネットで噂にする確率は高いです。

5.インフルエンサーというレバレッジ

インフルエンサーという言葉が世界に定着しました。ネットで影響力を持つ人物のことです。

このトップガンのプロダクト・プレイスメント広告の命運を握るのは、当代きってのインフルエンサー・トム・クルーズにほかなりません。

トムが自分のSNSでチラッとこれに触れるだけで、広告の勝ちは倍加、いや100万倍になるでしょう。

もちろん、スターがこれみよがしにそんなことをすると、以前問題になったステマ(ステルスマーケティング=有名人がお金をもらって粗悪商品をPRする)に問われる場合があります。しかし、間接的に触れるならノープロブレムでしょう。トム次第です。

コストという問題

おそらくバドワイザーの親会社である、アンハイザー・ブッシュ・インベブ社は莫大な費用を、このプロダクト・プレイスメント広告に払っているでしょう。

大企業だから払えた、そんな天文学的な額かもしれません。

しかし、レバレッジが効いた分、投資は成功だと思うのです。

それでもコストはかかりますから、これは中小企業の絶対の切り札と強弁はできないでしょう。

でも、もしこのプロダクト・プレイスメント広告が、映画の価値そのものを上げるとしたらどうでしょう。

交渉次第で、その製品の魅力やマッチングの度合い次第で、タダになるかもしれないじゃないですか。

僕は、本当のレバレッジとは、交渉力、だと思っているんです。

それは説得力、と言ってもいいでしょう。

最強のレバレッジは書く力だ

それには何が必要か、ズバリ書く力、です。

中小企業の社長のあなたが、映画のプロデューサーに直談判、首尾よく説得し、無料のプロダクト・プレイスメントを得る。

それもありかもしれません。

しかし、今は組織の時代です。

欧米企業だって、稟議書みたいなものを回して、組織全体で意思決定するのです。

その際にぜえったいに必要なのが、企画書つまりいかにこの広告が映画の価値を上げるかを説得力豊かに書いた書類、ですよ。

https://qr.quel.jp/pv.php?b=3wCNRa2

説得するには、書く力だけではなく、世界の動向やら経済学やら、経営学やらマーケティングやらコミュニケーションの技法やらが必要なことも間違いありません。

中小企業の切り札は、書く力、そう繰り返し言いたいのです。

あすまたトップガンで、今流行りのリスキリングとやらを解説したいと思っているんですが、結論を言っちゃいます。

現代の労働者に必要なスキルはAIでも、プログラミングでもなく、ライティングつまり書くこと、です。絶対に。

高校生の皆さんにも、ちょっと前に書いたのを参考に、貼っときますね。

じゃあ、また明日。

野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー


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