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ほんのりとしたラム酒の風味が、どら餡の甘味を濃厚にふくらませ、口では受けとめられないほどの甘美が溢れる、梅月堂「ラムドラ」(鹿児島)。#レトリカル食レポ(26)

しっとりと、どら餡を
沁み込ませたかのような
薄皮に眼差しが柔らかくなる。
口に運べば、
皮はやんわりと切られて、
あっけなくほぐれ、
押し寄せるどら餡の甘味の中に
溶け込むように折れていく。

そして、
ホワイトオーク樽で熟成された
香り豊かなラム酒として名高い
マイヤーズのダークラムを使った
ラムレーズンを噛めば、
強く甘い琥珀色の香りが
濃く広がり、
そこに重なるように
北海道大納言小豆を煮立てて
濃厚さを深めたどら餡の
甘美なうねりが、
とろけるような極上の
甘みある
らせんを口のなかで回す。

珈琲がより美味しく、コーヒーがラムドラ をより美味しくさせる。



頭脳にじわりと届くほど強い
黒味がかった琥珀色の甘味が
とろりと舌に残った。


「ラムドラ」、鹿児島から来た友人のおみやげ。

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