文章をお金を出して買って読むくらいの教養のある人。
そんなフィルタをかけないと、
「現代の世界というのは恐ろしくて
ものをいうのも二の足を踏んでしまう」と
[中野信子]さん
(『小説新潮』7月号)。
[林真理子]さんも『週刊新潮』で、
「一円も払わないオオカミたちほど
吠えまくる」と
ネットの書き込みにおける
批判を揶揄している。
そう言えば、東京五輪のサッカー競技で
「埼玉スタジアムからのシャトルバスが
密確率100%」と批判した[日刊ゲンダイの記者]は、
徒歩圏(スタジアム見ながら行ける)に駅があることを知らずに、
つまりお金を払ってスタジアムに行かずに書いて
サッカーファンの総攻撃を受けた。
*
[春風亭一之輔]さんとFMの仕事で少し
お話した際、私が
「毒炎会観てます」と言うと、
「そりゃお客さまだ、
ありがとうございます」
と言われた。
この会はCS有料放送でのみ放映されるので
そう言っていただけたのだろうが、
いろんなコンテンツがインターネット経由で
実質無料になり、
パフォーマンスする側にとっての
「有料」の意味が違ってきたのかもしれない。
*
教養とは、「新明解国語辞典」(第三版)によれば
「広い知識で養われる心の豊かさ」だ。
しかし私は、中野さんのコラムを図書館で読み、
林さんのギネス記録のコラムは、喫茶店で読み、
一之輔さんの放送はケーブルテレビの
セット料金のみで観ている。
いずれもインターネットではないが、
「教養」と言うには、ちょっと違う。