飛騨三十三観音霊場 第十四番 福聚山 慈眼寺(曹洞宗)
第十四番 福聚山 慈眼寺(曹洞宗)
飛騨市古川町袈裟丸二二六九
本尊 馬頭観世音菩薩
慈眼寺の御本尊、馬頭観世音菩薩は、昔から飛騨七観音の六番の霊場でもあり秘仏として崇敬されています。
縁起によりますと、約九百年前の応徳二年(一〇八五)白河天皇の御代に加賀の白山北国の別当である、
越前の国大野郡石徹白村(現岐阜県郡上市白鳥町)平泉寺の御本尊だったのが、
当時の別当職吉峰某に夢のお告げで、
「わが有縁飛騨の国・菅生村(数河)に有りよって彼の地に伴うべし」と言われ、
しかも、このお告げがしばしばありましたので、吉峰は御本尊を供奉して、はるかこの地にきたのです。
あねがこうだい なごんまさつな
その後飛騨の国主姉小路大納言尹綱卿が城を守護する本尊として谷の本堂に数河から移し奉られました。
その後になって時の城主時光卿の時代、当時岡前にあった宮谷寺に安置されましたが、
宮谷寺が廃寺になると共に慈眼寺に奉安されました。
のち元和三年(一六一七) 高山の素玄寺六世竹翁融存和尚が本堂を再建して、
曹洞宗に改宗して以来、現在二十世に及んでいます。
境内には樹齢四〇〇年くらいと推定される県指定の鎮護桜(江戸彼岸桜)があります。