飛騨三十三観音霊場 第十番 集雲山 霊泉寺(真言宗泉涌寺派)
第十番 集雲山 霊泉寺(真言宗泉涌寺派)
高山市千島町六一六
本 尊 聖観世音菩薩
開創については不明であるが、古くこの地に古刹があったと伝えられる。
天正年間、松倉城主三木自綱が再興し、三木氏没落後、廃絶した。
正保元年五月二十五日、女僧・一如素心尼があって、自ら山上に石棺を埋め、生きながらに入定した。中興の開基とされる。
延宝五年七月、千島村民が力を合わせ、一宇を建立 愛染明王を安置し、また別に坊舎を設けて、寺と為し、集雲山と号し、寺号を霊泉寺と称した。
寺後に美泉が湧き出でて、霊泉寺の寺名となったが、
村民は、親しみを込めて「愛染」と称してきた。そのときの住持は、天霓高幢和尚である。
元禄年間には、皇室の香華院である泉涌寺の第九十一世長老・春瑞法印は、寺僧・千紅法師を
当国に差し遣わし、千紅法師は、松倉山晋門堂に住み。
光厳天皇より桜町天皇に至る尊牌を奉持し、後年、当山に移り住み、泉涌寺の末寺となる。
現在の本堂は、昭和五十二年十二月に再建され、
昭和五十三年四月二十九日、本山である泉涌寺管長・長老小松道圓猊下のご親修を得て、本堂建立落慶法要が厳修された。
ほかに高山市の重要文化財である愛染堂がある。