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大学生の息子たちに伝えたいこと 大前提を覆す②編
今月、クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」(2014年公開)を初めて映画館(IMAX)で鑑賞しました。
物理と決定的に相性が悪い私には、きっとこの作品の本質は分かっていません。
けれど、理解不能のモノとの出あいは、世界の広がりを感じさせてくれるので、好きです。
ノーラン監督は、5次元の世界をこう表現するのかと、その美しさにしびれました。
この方の目には、世界はどう映っているのだろうと興味が湧きました。
同時に、心に鮮明に浮き上がってきた記憶があります。
15年ほど前に、メンターを通して出会った、Tさんという若者のことです。
彼は、20代なかばで、小柄でやせ型、短髪、色白で目がすごくぎょろりとしていました(魚っぽいと思いました)。
いつも手ぶらで、ジーンズの後ろポケットに折り畳み財布を入れていました。
ランチをご一緒した時、彼は、ハンバーグランチを半分以上残していました。
「お口に合わないですか?」
私は、別のランチセットを頼んでいましたが、普通においしかったので、不思議に思って問いかけました。
Tさんの答えは、「いえ、もうお腹がいっぱいなので、残します」でした。
20代の若者が、こんな少量しか食べないというのは、見たことがありません。
きっと、私がよほど変な顔をしていたのだと思います。
Tさんが続けて、「ぼくは、食事からだけでなく、大地や空気や、その他様々なものからエネルギーを頂いているので、さほど食べなくても大丈夫なのです」といいました。
なるほど、修行僧的な感じの?
それは、私にも、分かります。
ヨーロッパを旅すると、食事量が日本にいる時の半分くらいで足りるのです、それで旅行期間中元気が続きます。
体重は、ひと月で10キロほど減ります、日本に帰ると、バクバク食べて、1週間ほどで元に戻るのですが(涙)。
この時は、確かに、ヨーロッパの大地からエネルギーをもらっている感覚があります。
さらに、私はTさんに突撃しました、なぜなら、微妙に話している時に目線が合わないからです。
「私と、目を合わせないのは、なぜですか」
そのTさんの答えは、私には人生で一番想定外でした。
「僕は、人をエネルギー体として見ているので、あなたの目を知覚できないんです。目をそらしているわけではないので、失礼をお許し下さい」
…エネルギー体として見る?
私の関心はMAXになり、メンターも止めないので、更に質問すると、Tさん曰く、「人間は、無数の電球の集合体で、瞬間瞬間様々な色に変化しながら明滅する存在として認知しています」
このTさんの答えを聞くまで、私は、世界の見え方は、みな同じだと思っていました。
それが、そもそも形状からして違うなんて!
それ以来、人により、見え方も感じ方も違うのかもしれないと想像するようになりました。
日本人は、外見が似通っていることもあり、集団の総意と違う考え方や行動をする人を嫌う傾向があります。
私は、この同調圧力、学校時代めちゃめちゃ感じて、息がしにくかったです。
本来、誰一人同じ人間はいないのだから、世界の見え方も、感じ方も、全く異なる方が当然ですよね。
日本にいると、この当たり前のことになかなか、思い至らないものです。
ホンマ、信じられないくらい、人間も食べ物も雰囲気も国によって違うから!
百聞は一見に如かず。
感性が固定化する前に、自分が心惹かれる国にひとりで行ってこいと、私は息子たちに心の底から勧めます。