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出来ないことが分かりました
お茶のお稽古をしませんか…
お師匠さんに誘われて
ちょっと気力が抜けたけど
そんな時こそ気持ちを切り替えて
お茶のお稽古にいらっしゃい
今日はお客さんをやりたい知り合いがやって来る
個性の強い宇宙人
私も人のことは言えないが
今日はお師匠さんも忙しく
お師匠さんはお友達のハナさんと網戸の張り替えをやっている
本来ならこの日はお稽古はお休みの日
略盆点前の準備を、自分で出来ることはやってごらんと…言われる
えっ、何にも覚えていないのに
やってみる?
まずは水屋で茶巾を絞り畳む
棗にお抹茶を入れてみる
いつもはお師匠さんがやって下さるから、ほんのちょっとだけ見たことのあるのを真似てみる
でもやっぱり出来ない
出来ていないことを理解した
茶巾を絞るも折り方を間違える
お師匠さんに教えられた
略盆点前の用意をする
しかもお客さんとわたしのコンビをお師匠さんからは「🐒お猿さん」と言われる
二人共、可愛い子猿のようだ
なぜだか分からないが笑っていた
お師匠さんの網戸の張り替えが終わり
お茶のお稽古にお付き合いしてくださる
私がどれだけ出来ているかのお試しなのか…
新しいことへ挑戦だ
次から次へと目先を変えて下さる
可愛い子猿と言われたお客さんは
またお客さんをやりたいと言われる
この方も昔々にお茶を習っていたという
やはり身体が覚えている
形が綺麗
何回もお点前のお稽古をして
姿勢やお点前の形を直され
私の弱点を指摘される
それは私に良くなって欲しいと言う親心
お師匠さんのやさしさを感じられて
言いにくいことも教えてもらう
少しでも力が入ると肩があがり、右肩を少し上げる感じにすると姿勢がよくなる
背中を曲げない
自分の出来なさに呆れかえる
左利きの私にとって右手を使う訓練をしたらいいとも教えられる
やはり右手の方がお点前をする時には見栄えが良いようである
普段から左手ばかりを使っていると右の手首が硬いと自分でも感じていた
わたしのあまりの不器用さにお師匠さんも「大半の人は自分の不器用さに嫌気がさしてやめてしまうのにかなちゃんはやめないで続けてきた」と褒められた?のである
そうだよね、私は不思議なことにそのことにも頭が回らずに淡々とただ続けていただけ
それは母の死を受け入れられないと言う意味で、本当に無茶苦茶で投げやりになりながら息をしているだけだった
それでも母の帛紗に触りたい
母の使っていた帛紗に触れることでわたしは気持ちを落ち着けられたのだろう
お師匠さんはやさしいからこんな不器用ものの私もあたたかく受け入れてくれたのだ
そしてお師匠さんは心学びの親さまからもお社様からも私のことをお願いをされ、頼まれている
目の見えないところからもお茶を習いなさいと指令が来たのだろうか
そんなことを考えながら
お猿コンビは帰り道の駅前で遅いランチを食べて帰る
ランチを食べながら
「私とあなたは似てるのね」と相方に言われる
まぁそうかもしれないと思えるようになる
そんなことはないと今までなら受け止めなかったのに
その方も心学びをしているからか
晩方にお師匠さんから「今日も愉しいお稽古でした。また一歩前進しました」とうれしいラインが送られてくる
何にも出来ないと思っていたが、亀のように少しずつ進めているのか
もうやめられない
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