しあわせのお裾分け
初めての孫っちがやって来る
それは正月明けの四日である
お嫁ちゃんは朝から入院したと息子から連絡が来る
どうやら今日、生まれるらしい
そんなに上手くいくもんか…
初産は時間がかかると言われている
明日になるかもしれないよ
それは私は早かった
夜中に破水して
朝には子どもは飛び出してきた
経産婦ならあっても初産の人は初めてと助産師さんに言われる
私はちょっと特殊な感じ
気の通りがいいらしい
月の満ち欠けや満潮や干潮を見ている助産院である
やっぱり不思議なところへ導かれる
水中出産で大きな浴槽の中にお湯がたまる前に産まれてきた第一子
いきむこともなく
子どものチカラに任せた
第二子はまるでその子が起きるのを待っていたかのように産まれてくる
一番最初に兄を見て「こいつか…」と再び目を閉じた
二年前に母を見送り、それから息子たちは結婚した
そして今、私はおばあちゃんになる
夕方にラインが来る
「生まれたよ」
えっ、初産なのにお嫁ちゃんも早い
そして生まれたての孫っちの写真が送られてきた
力強い命の息吹きを感じてる
息子は初めてみる赤子に困惑する
イヤイヤ、かわいいから
普段なら無視するところだけど、兄弟仲の良くない息子たちだけど
「昨日、生まれたよ。おじさん」と遊びにきた長男夫婦にも教えるとうれしそうにしていた
赤子はみんなを仲良くさせる
パパとママの間にはさまれた家族写真が送られてくる
「しあわせのお裾分け」だそうである
小牧さん、ありがとうございます
なんだかあたたかい気持ちになりました
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