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生存確認

ひとりでとぼとぼ歩いている
本当はひとりでなんかでいたくない
情けないほどわびしい気持ち

自分の生きてる価値はなに
肉体のない国へ還りたい
いつでもそう願っている

わたしはこの世の極楽を知っている
あの門を入れば極楽が待っている

でもその門を一歩でも出たら
現実の世界に引き戻される

現実の世界はちょっと胸が痛くなるけれど
わたしには還る場所がある
そう思えると少しだけ気持ちは楽になる

もう少しだけ生きて行けるかな
大丈夫、大丈夫と自分を騙し、騙しに進んでいる

最近は引きこもってばかりではいられない
気分転換にお茶のお稽古をしましょうとお師匠さんから誘われる
お客さんの子猿さんも加わって

極楽以外にも行くところが出来て来た

もう三十年以上も前に彼の世に還った作家芹沢光治良氏の朗読会にも参加する
俳優さんが「神の微笑」を朗読してくれた
老作家が木々たちと会話が出来て羨ましい
わたしもいつか木と話しがしてみたい

夢のような世界
そして神との対話

肉体が無くなることは怖くない
私はこの肉体を持て余す
長生きはしたくないと強く願う

極楽では肉体があることはまだまだ使命を果たしていないと教えられ
私の役目は何なのか
もう充分に果たしただろう

そう思うのは傲慢なのか
生き急ぎ、死に急ぎ

ただ毎日生存確認をしているだけ


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ノリかな
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