不器用なわたし
ある大雨の朝、唐突にすずさんから
「雨だけど、お稽古しましょうか」とラインが来る
ものすごいざあざあぶりの雨
一瞬やめようかと考える
でもこんな日だからこそゆこうかな...
「今日は誰も来ないから四時半まで空いてるよ、何時ごろに来る」
「十三時頃に伺います」
のんきにしてたらすぐにお昼
あわてて大雨の中、飛び出した
今日はおみあげに豊島屋の小鳩豆楽を買い求めよう
お稽古の前にすずさんはひたすら喋る
人の中にいるとほこりをかぶる
ほこりはどうしたらかぶらなくて済むのだろう
みんな大人だから上手にかわす
でも心の中では一物も二物も持っている
それが人間といえばそうかも知れない
「かなちゃんに聞いて欲しかったの」とすずさんは言う
うれしいことば
その後にお茶のお稽古をする
最初はお客様
まあまあ慣れてきた
次はお点前をする
なかなか難しい
なかなか慣れない
わたしは左利き
しかも心の中はかたくなで
不器用
自分でもよく分かっている
袱紗のたたみ方もなかなか覚えられない
すずさんに必死についてゆく
「かなちゃん、不器用だよね」
そこははっきりと言われる
だいたいちょっと見ればわかるよね
「Mさんもそういっていたよ」
知り合いのMさんもお茶の先生
この間のお茶会では同じ組で
正客をされた方
どうしたらカチカチに
ならないで済むのだろう
落ち込んでしまうけど
すずさんのフォローはうまい
「不器用も悪くないのよ」
ゆっくりとのんびりとゆきます
お師匠さんのお手並み拝見
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