真っ赤なりんご
りんご箱からひとつりんごを取り出して
籾殻に包まれた真っ赤なりんご
なぜだろう
いつそんなことをしたのかと記憶をたぐりよせてみる
昔々にたどり着く
母が黙って見守っている
若くて綺麗な母
おしゃれな母
大好きな母
幼いわたし
そんな景色がよみがえる
真っ赤なりんごというよりも
わたしには籾殻が気になる
籾殻の感触がなつかしい
籾殻の入ったりんごの木箱がお気に入り
いまは見かけなくなった
りんごの木箱と籾殻を
なぜだろう、なつかしい
母との思い出
恐らく祖母が送ってくれたりんごだろう
祖母は何でも母のところへ伯母に見つからないようにこっそりと八百屋さんから送ってくれた
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