マイコ

「あゝ、マイコだね」
二男が熱を出して小児科に連れて行ったのはもう二十年以上前のこと

何故かその時だけ掛かりつけの小児科ではなかった
その理由は覚えていない
その日は休診日だったのか

「マイコ？」なんだそれ…
そう、その医師は慣れた様子で
「マイコプラズマ肺炎だよ」という

今年は珍しくテレビから「マイコ」「マイコ」と耳に入る
まだ時期的に早すぎないか

二男がマイコにかかったのはもう少し寒い頃だった
小さな子供が肺炎？大丈夫なのか
少し不安になるものの
医師は「抗生物質を出すから、それを飲めば大丈夫」とばかりに軽く言う

案の定、二男は薬を飲んで元気になる

二男は家では誰も罹らないインフルエンザに二度ほどかかる
怪我はしない
長男は何回も骨折を繰り返すが

あの頃に戻りたいとは思わないけど
懐かしい「マイコ」と言う言葉

最初は人の名前かと思った