新人ナースちゃん、あれから一年
昨年の6月下旬、右足の手術をした。
右も左も分からない患者に、新人ナースが当てられた。
えぇ~、どうする?
まぁ仕方ない、私が腹をくくるしかない。
と思ったものの、こちらも初めての骨折患者で右も左も分からない。
かわいらしい新人ナースチャンは手術前の体温さえも、どれくらいならば手術ができるのかを把握してない。
37.8度もある、私の体温にアワアワしている。
ついでに私もアワアワしている。
最後に先輩ナースさんが教えてくれた38.5度にならないと手術は中止にならないよ。
なんだそうなんだ、私の手術はアリですね。
その次は手術の前の点滴だった。
速度がゆっくり過ぎて、おそらく手術には間に合わない。
私の付き添いの看護師の息子がこっそりと点滴の速度を早くする。その点滴が手術の前までに終わるように。
彼女が怒られないように…、本当はやってはいけないこと。
あれから一年余りが経った。
私の金具を抜く手術のために入院。
手術をしたその日の夜勤に、あの時の新人ナースちゃんが私の担当になってくれた。
偶然?、いや必然。
あなたのてきぱきした働きぶりを見せられて、私は嬉しく思った。
体温を測り、点滴を落とす、痛みは大丈夫か、数々の確認をして行く。
私はまだ麻酔が抜けなくて頭はウルウルしているが、きちんと滞りなく責務をこなして、最後には術後の寒さを気遣い、布団を一枚足してくれた。
パーフェクトでございます。
翌日、息子とのラインで夜勤で担当してくれたナースの話になった。
息子も覚えていたようで、
「あの時の新人ナースだよね、やっぱり…」と言う返信。
一年と言う時の流れを強く感じた出来事だった。
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