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時の流れ

来年はもうすぐそこまでやって来た

長いようで短い一年だった

春先にはストレスから蕁麻疹のようなものに延々と悩まされ

いつの間にか夏になっていた

わたしは自分ではない誰かに導かれて
お茶を習うことになる

縁もゆかりもないものだと思っていたがハマってゆく

教えてくださるお師匠さんにも恵まれて
お師匠さんの魔法にかかる
訳の分からぬまま
自分の不器用さにも気づかぬうちに
もう九か月経っていた

お客さんだけ出来ればいいのにと始めたが
母の帛紗ふくさが見つかって
お稽古に持ってゆくと
お師匠さんのお茶魂に火が灯る

「かなちゃん、これはお母さんからの伝言です。お茶をやりましょう」
それからは母の帛紗と二人三脚
新しい帛紗を欲しいとも思わない

お扇子もお師匠さんのお下がりである
どれも愛着が湧く

年明けからは新しいものをと思っていたが、まだまだ使いたい

他人様ひとさまにお点前をする練習をさせられて
帛紗が濡れるほど汗をかいた

「はい」しか言わない私がいる

お茶会デビューも果たしたし
緊張するけどなんだか楽しい
お茶会では御茶碗拝見で失敗もする
一度やるともう失敗は繰り返さないと肝に命じた

来年はお師匠さん宅の初釜デビューも控えている

どうなっているのだろう
緊張と楽しさで気持ちもゆるむ
それが心地良いのか

自分でも気づかぬうちに身体が覚えてゆくようだ


小牧さん、お題を有難うございます。
今年一年、お疲れ様でした。
良い年をお迎えください。

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ノリかな
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