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本当のやさしさ

子猿は考えた
去る人は追いかけない

母猿がいなくなってからいつも寄り添ってくれていたやさしいと思っていた人たちが去ってゆく

その人たちは本当にやさしいのかと…
ただやさしいふりをしていただけなのかもしれない
子猿を甘やかしてくれるから
子猿のことを否定しないで「そうだね、そうだね」と言ってくれるだけの人

厳しいことは言わないで
言いにくいことも言わない
子猿のことを本当は思っていない人
その場さえ良ければいい人なのかもしれないと

子猿は大分経ってからそう思えるようになって来た
無茶苦茶傷つくようなことを言ってくれる人の方が子猿のことを思ってくれるのだろうか

あまりにもめちゃくちゃな言われ方をする従姉の方が母猿のさみしさを感じられていたのかと

ハリネズミのように近すぎるから傷つけられたと思うのか

でもその従姉も去ってゆく
母猿の言った通りに「わたしがいなくなったら切れるでしょう」

時々感じる今そばにいる人たちを大切に
そう思うもののまた同じことが起きないかと子猿は少し不安になる

それは仕方のないことだろう
神様がお与えくださるものだから
去るもの追わず来るもの拒まず

そう考えればいい
子猿は母猿のいる宇宙そらを思って頷いた

いつもいつも子猿が思うのは母猿のやさしさ

まだまだ涙が止まらない

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ノリかな
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