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フランス外人部隊への挑戦#2
フランス外人部隊への挑戦#1の続きです。
いきなり訳分からん!
そう、フランス行きのバカ高いチケットを手に飛行機に乗った右も左も分からない小僧の僕は、遂にパリのシャルルドゴール空港へ降り立ちました。
みんなと同じ様に降りて同じ様に並んだつもりでしたが、どこをどう間違ったのかいつの間にか1人。
そして、どう考えても観光客が通りそうな所ではなく倉庫近くの裏ゲートのような場所。
とにかくパスポート出して、サイトシーイング!って言わなきゃ行けない所があるはずだ!
![](https://assets.st-note.com/img/1710243756437-3aFv1uLW9u.png)
そうして歩き回っていると、なんとなくそれっぽい場所がありました。
でも、誰も並んでない…どこ行ったみんな!?
とりあえずここしかないだろ、と思いパスポートを差し出すと開きもせずにパスポート返されてアゴで行けと言われたのを今でも忘れないし、なぜか分からない…。
そんな事ないだろ、調べろや!いや、まだ先に入国審査あるんだろ?そう思って進んでみると、いつの間にか空港のホールの様な所に出ました。
そこは銃を持った警官が犬を連れて歩いてた。
本当にあれで終わり?正規の場所じゃないだろ?
…今だになぜアジアの小僧が1人でパリの空港降り立って、パスポートを開かず入国出来たのかは分かりません笑笑
とにかく空港を散歩して、出た先は…
フランスじゃ〜!おおお!挑戦の舞台や!
近くのバスにParisと書いてあるのをみて、運転手にパリ?って聞いたらアゴで乗れと言われた。
外国のアゴ会話文化に触れた少年でした。
凱旋門じゃないかい!
そうして、バスに乗りフランスを眺めていた僕は興奮状態です。
おお!外国や!来ちまった。
そうして、車の量が多くなり遂にシャンゼリゼ通りと凱旋門が見えました。
特に行き先も決めず分からずだった僕は、とりあえず凱旋門のそばで降りました。
下から見上げた凱旋門。
![](https://assets.st-note.com/img/1710243937970-oD2JhQrqkg.png?width=1200)
ナポレオンからヒトラーまで見たであろう風景を見て感慨に浸っていた僕は感無量(泣)
そこから行き先も考えず歩き出しました。
知らんうちにセーヌ川に辿り着き、川沿いを歩き、遂に見たエッフェル塔!
すげー、エッフェル塔だぁ!
![](https://assets.st-note.com/img/1710244033053-hBFu62ZLKJ.png)
田舎っぺまるだしでパリをひたすら歩き、気付いたら7時間歩きっぱなし…
そして夕暮れ時。
やばいな…宿探さなきゃ…近くの立派なホテルにつたない英語で問いかけたらアゴでどっか行け(笑)
なんかお庭の綺麗なホテルに聞いたら手であっち行け(笑)!
なんだよ、フランス人冷てーな。
気づけば真っ暗なパリの路地裏を歩いてました。
やばい…外国の夜は危ないって聞いたぞ!
でもひっそりとその路地裏にもホテルの看板。
入ってみると気の優しそうなお婆ちゃんが、何が喋ってる…全く分からない。
兎に角お金をだして泊まりたいと身振り手振り。
そうして、一晩の宿をやっと得ました。
小さな部屋でシャワーがあったか記憶に無い。
でも、よく映画でスパイが滞在しそうな雰囲気。
あまり覚えてないけど2泊程度でそこを出て、
本を頼りにパリ近郊のノジャン要塞と言われる外人部隊の入隊募集所近辺へ向かいます。
そして、辿り着いたノジャン要塞。
でも、僕はすぐに要塞に入らずに近くのホテルに泊まり、入隊試験に向けて身体を整えようと考えました。
少し、1週間ほどランニングなどをして身体をほぐしてから突撃だ!おお!そうだ!
違う!ビビってるんだ!
実はここまで来てビビってるんだ…
でも、全てをかなぐり捨てて来たじゃねーか!
いや、だって世界の荒くれ者や犯罪から逃げた奴が集まる場所だぜ?本気?
![](https://assets.st-note.com/img/1710244605047-olozcoxskT.png?width=1200)
自問自答しながら、朝起きて走り食事をして部屋で筋トレして、走って寝る毎日。
入隊にビビる自分を覆い隠すようにトレーニングしていたある日の事、僕は運命の様に入隊するしかない強烈な出来事が起きました…
小銭しかない…
いつもの様にランニングをして部屋に戻ってご飯を食べに行こうと思ったら……あれ?札束がない?
確か20万円分くらいあったフランスフランの札束がない…え?誰か入ったの?泥棒あれ?
後に世界を放浪した俺から言わせたら、外国に居ながら何という油断と未熟さ。
有金全ての札束を部屋に普通に置いて、すっかりやられたのです。
フロントに行って事情を伝えようとしたけど、相手が英語わからん!しかも僕の英語もわからん。
警察呼んだってお金戻ってこなかったら、どこにも泊まれないし、ポケット探っても小銭しかない…
はるか地球の裏側で小銭しかない…
こりゃ、行けって事だね。
そうして、踏ん切りがついた僕は即荷物をまとめてノジャン要塞に向かい門の前に立ちました。
重厚感のあるヨーロッパの古要塞の門を叩くと、
覗き窓から兵隊がこちらを睨みつけます。
「ヴォロンテール!」(志願兵)こうやって言えばいいと本に書いてた。
それから、すぐに門が開き僕は招き入れられました。
ここからが本当のフランス外人部隊への挑戦です!
フランス外人部隊への挑戦#3へ続く