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note発、彦根ダブルデートの思い出。

思いがけず、彦根でダブルデートをした日の思い出をここに残しておこうと思う。

出会いはなんとここのnoteである。

そして、対面して会うのはデートの日が初めてというドキドキ案件である。
ダブルデートと匂わせておいてなんだが、こちらは高校の頃からの友達のポン子さんと2人ペアで、デートの相手はと言うと、スペインのアンダルシアからやってきたご夫妻で、女3男1のヘンテコなダブルデートである。

私とポン子さんは高校時代からの友人で、同じ日に偶然noteを誰にも内緒で書き始めた仲で、二人だけで会う時、noteの話をしてひそやかに楽しんでいた。
あの人の文章が好きやわ
あの人凄ない?!
あの人料理上手やな
LAのあの人といつか会いたいな
バンコクのあの人はいい人そうやな
と共通でフォローして読んでいる方々について、共通の知人かのように話題に出して楽しんでいた。
そんな中で、二人でよく話していたのが、スペイン、アンダルシアでのてんやわんやな暮らしを綴っておられるてんやわんやさんのことである。

私たちは事あるごとに、
「てんやわんやさんのあのnote読んだ?」「おもろかったな」「多分てんやわんやさんって会っても印象が変わらん人やと思う。文章の通りの人やろうなあ。」「いい人そう。」「会ってみてもすんなり馴染んで話ができそう。」
と勝手に言いたい放題に喋り、「仲良くなれるタイプやで」と言っていたくらい、てんやわんやさんのnoteの文章のファンであった。
何を根拠に仲良くなれるって言ってるのかっていうと根拠は彼女が綴る文章だけなんだけど、読んでいる方はみんな分かってくれると思うんだけど、文章からもれてくる人柄が(時々登場する夫氏を含めて)ホロリ温かくてジワリ面白くて、すっかり心を掴まれていたのである。

そんなてんやわんやさん(唐草さんと呼ばずに勝手にこう呼んでいます)と、コメントでやりとりをしていた中で、ひょんなことから私のnoteに対して優しいメッセージをいただき、それを8ヶ月遅れて読むという致命的なミスを私がやらかし、返事を送り、LINEを交換し、スタンプを送ったりしながら虎視眈々と距離を縮め、タイミングを狙い、なんとか彦根の地でダブルデートにこぎつけたわけである。


昔のペンフレンド(古い)と手紙を交換し合った先にようやくデートをするような奥ゆかしさと、マッチングアプリ(今時でしょ)で知り合った人とデートするカジュアルさをミックスしての初デートである。
ちなみにペンフレンドとの文通もマッチングアプリもどちらも未経験なので、よく知らんけど。
noteで知り合った人と会うのは初めてのことであった。

さすがにマンツーマンは緊張しそうなので、こちらは互いに知り尽くしたポン子さんを前面に出し、てんやわんやさんはあの愉快な夫氏を召喚してくださり、ひょんなことから彦根の駅で待ち合わせておかしな4人で彦根観光をすることとなったというわけ。

いつもながらにえらく長い前置きで、さっさと彦根に行けよと我ながら思ったので、いよいよ彦根へ。



私とポン子さんは、初デートの前に何かの予感を期待して歯磨きとマウスウォッシュを念入りにして気を鎮める男子中学生のように、抗原検査を受け陰性をかまして彦根へと移動。これが新時代の初デート相手に対するドキドキのおさめ方である。
駅前で、はじめましての瞬間はやはり緊張が走ったが、こちらにはポン子さんという人付き合いの上手な誰からも好かれる天才がいるので安心して緊張していない風の初めまして感を私は出すことができた。
てんやわんやさんの第一印象は、トゥースではなく、パキっとした女優さんのような美しい人だなあということと、背筋がピンとしていること(ダンサーのポン子さんも背筋が伸びている)、Tシャツがものすごくおしゃれだったこと。
そして、夫妻ともに一言で言えばものすごく「感じ」が良くて、今日のデートは楽しくなりそうという手ごたえを感じた。
大体初デートというものは待ち合わせ場所で顔を合わせた時点で成功か失敗かはほぼ決まるものである。だから、今日のデートは、車に乗り込んだ時に既に成功が約束されていた気がする。

てんやわんやさんは、本人いわく最初緊張しておられたようだが、ポン子さんの心のままになスタイルの立ち居振る舞いのおかげで私はいつもよりも緊張せずに堂々とできたし、先方の緊張をほぐして差し上げたい気持ちから「大丈夫、安心して、私たち悪い女じゃないから」というようなニュアンスの余裕すら醸し出しながら初対面の人と話すことができていた。
ポン子さんのおかげである。
虎の威を借る狐ちゃんはそのまま調子に乗っていつも通りマイペースに過ごせて、彦根城までのキャッスルロードを炎天下の中歩いたり、店に立ち寄って4人でソフトクリームを食べたりしているうちに、私たち4人の関係も少しずつとろけていったように思う。真夏のソフトクリーム状態ってこのことです、知らんけど。

このお茶はカフェインがほとんど入ってなくて赤ちゃんも飲めるお茶です、とお茶好きの夫氏に教えていただく。

彦根城天守閣の中の物凄く急な階段を登りながら、愛の吊り橋理論が4人の距離を急速に縮めていき、天守閣の中からの琵琶湖を眺めたりしている他の3人の様子を少し冷静に見ていた私は、なんだか笑いがこみあげてきた。
さっき初めて出会ったばかりの2人組と2人組が、彦根城に一緒に登ってそれぞれがそれぞれの方角の景色を見たり説明書きを読んだりしている。
4人が4人とも個性的だよな、などと楽しく思ったりした。
それから、ポン子さんが「彦根城の形がひこにゃんぽい」という謎の言葉を発して4人の場を柔らかくしてくれて(この人はこういう才能に長けている)和んだのち、ランチをテイクアウトできるお店を探しにキャッスルロードに戻った。

滋賀県名物「飛び出し太郎」とび太くん、ひこにゃんバージョン
(かなりレア)
ひこにゃんぽい彦根城。よう分からんけども。
城からのひこにゃんヘッド
ななめ彦根城
琵琶湖!
城から近江高校が見えた。夫氏は高校野球の近江高校の試合が気になっていた模様。


私が近江牛を食べたいと言っていたことに気を遣っていただいたのか、夫氏(以下、私の夫でもないのに夫氏と略します)が調べてくれた近江牛丼の店に行ってみるが休業中。
歩いているところに近江牛バーガーの店があったので、4人でここのバーガーをテイクアウトすることに決めた。
ランチ場所は感染対策の観点から四方に風が通り抜ける屋外を、ということで近くに日陰になっているいい場所で食べることにした。

余談だが、汗かきで暑いのが苦手な私は、屋外で食べることを想定して、まあまあの大きさの首振り扇風機を充電してリュックに入れて持ってきていた。普段は荷物少なめの私だが、手持ちのミニの扇風機に大きめの扇風機、着替えと汗を拭いたらサッパリするシートと、雨用のポンチョと、初デートに対して準備しすぎの状態で臨んでいた。こういうところに初対面でしくじりたくないという見栄っ張りな私の性格が出たとも言える。
ところが扇風機は重いので車の中に置いて観光をしていたため、ランチタイムに扇風機を使うことはなかった。ランチタイムにはとてもいい風が吹いており、涼しくバーガーを頬張れたので扇風機の出番はなかったが、結果オーライであった。
外のスペースで全員でハンバーガーに食らいついて黙食するそのシュールさに少しニヤッとし、食べ終わってマスクをしてから満を持してお喋りをすることとなった。
noteで聞けない話を聞かせてもらったりした後、ポン子さんが食後のアイスコーヒーを買ってくると言うと、夫氏も買ってくると言い、2人で仲良くキャッスルロードに消えていった。
何気に仲良くなっている2人の姿に私とてんやわんやさんは思わずにんまりした。
2人がアイスコーヒーの旅に出ている間、私とてんやわんやさんと2人で少し話したかった話ができて、私とてんやわんやさんの共通点のようなものを感じられて(もう少しその話をしたかった、次回ぜひ)、ああこの人好きだなあと改めて思った。

しばらくして、どこまで行っていたのだろうかと心配になるくらいアイスコーヒーを求めて行方不明になっていた2人が帰ってきたので、4人揃ってお土産屋さんに行ったのだが、そこでもみなマイペースであった。
私が3人の目を盗んでこっそり一人でアイスクリームを買いに行ったら、てんやわんやさんがさりげなく来てくれて、「あのアイスコーヒーの2人は?」と聞くと、外国人である夫氏に勧められた美味しい醤油を日本人のポン子さんが買うことになっている状況をてんやわんやさんに説明してもらい、なんとなく面白かった。
急に雨が降ってきて、ここぞとばかりに私だけが持ってきたポンチョを着て、クールにひこにゃんクッキーの乗ったアイスクリームを食べたりしていて、もうすっかり全員がいい感じにおさまってきていた。

奥のスペースでランチ
近江牛バーガー!ポテトもつけた。
ひこにゃんアイス。


それから、車で次の目的地である多賀大社へ。
多賀大社までの道のりはポン子さんの恋愛相談で4人で盛り上がっていた。
こちらは初めて訪れる場所だったのだが、かなり立派な大社で、広々としていて、お盆明けの平日だったせいか人もあまりおらず、がらんとしていて気持ちが良かった。
多賀大社名物の「糸切り餅」を食べたいと夫氏が希望されていて、私もネットで事前に調べて見つけた糸切り餅のルックスのかわいいさに驚き、是非食べたいと気持ちを高まらせていたのだが、大社前のお店が閉店しており、みんなでガッカリした。
私が諦めきれずGoogleMapで調べると、もう一か所糸切り餅を売るお店があると分かり、みんなで一縷の望みをかけて10分ほど歩いて向かったが、なんと、そこも休業中であった。
諦めて帰ろうとしたところ、店の中から声がしたので、私と夫氏が店の窓の木の枠に顔をピッタリくっつけて店の中を覗いて、糸切り餅を買いたいのだという思いを伝えたのだが、日持ちがしない物だから作り置きはないのだと中にいる店の人に言われて、諦めて戻ることにした。
はるばる来てくれた夫氏にどうしても糸切り餅を食べさせてあげたい思いと、私も絶対食べたいというご当地グルメ好き食いしん坊な私の思いが1つになり、残念ではあったけど、私と夫氏の糸切り餅(食べ物)への熱い想いが同じレベルに達していたことが嬉しくもあった変な私ではある。
(多分、てんやわんやさんもポン子さんもわりとすんなり諦めて見守っていてくれた気がする。)

それから、また車で移動し、滋賀と言えば私の大好きなたねやかクラブハリエでお茶をすることとなった。
(文字数が増え過ぎなので、もっと色々書きたいけど、急に駆け足でフィナーレとなります。
てんやわんやさんが、最後のサプライズにできなくて、デートの途中でおもむろに、私たちへのプレゼントを披露してくれたこと、それがあまりに素晴らしすぎたことは次回以降にまた書きます。あのコラカオだったことに私は感激した。)

次は是非、糸切り餅を。


最終スポット、近江八幡のラ・コリーナへ。
私とてんやわんや夫妻は「焼きたてバウムクーヘン」を買い、ポン子さんだけ別の普通のミニバウムクーヘンをお土産に買い、奥にあった屋外のテーブルでバウムクーヘンを食べることにした。
そしてポン子さんだけ「(今すぐ食べられる)なんか買ってくる」と言って姿を消したため、しばらく3人でお話をした。
焼きたての美味しさに感動しながら、ポン子さんのオープンマインドで軽やかな感じがいかに魅力的かという話をした。
私はもうすっかりてんやわんやさんと話すのにリラックスしていたし、次はいつ会えるのかなぁと考えるようになっていた。
てんやわんやさんは、私の世界一周の旅のことを気にかけて聞いてくれて優しくて面白い人だなと思ったし、てんやわんやさんを褒めてからこう書くのは僭越なんだけど、私と似ているのではないかと思う瞬間がいくつもあった。
ポン子さんが戻った頃には閉店の時間がきて、私の焼き立てのバウムクーヘンを一口あげて、こういうご当地グルメは作り立てや焼き立てを買うべきだよと教えてあげた。(先に教えといてあげないのが、私の意地の悪いところである。ごめんよ。)
焼き立てはフワフワだった。

近江鉄道はレアです、と教えていただいた。
ラコリーナ
「飛び出し太郎」たねやバージョン(かなりレア)


もう5千字超えてるので大急ぎでまとめる。

一言で言えば「楽しかった」なのだけど、写真を見て気づいたことがある。
それぞれが撮った写真をグループLINEで共有したのだが(現代のデートっぽいよね)、私が撮った写真は、ここには載せていないものも多いが、前半の彦根城までは主に風景とポン子さんのみを写していた。
私のカメラがちゃんと人見知りしていた。
前半はまだ、勝手に撮ったら失礼かな?嫌かな?と思い、むしろ2人をなるべく撮らないように遠慮していた。
彦根城を降りた頃には遠慮も薄れて、ちょこちょこ3人を隠し撮りするようになり、2人を撮ってあげたりもできるようになっていたが、4人で写真を一緒に撮ろうと言う勇気はなかった。
だけど、他の2人が撮ってくれていた写真を見ると、私とポン子さんが暑さのあまり頭頂部にハンドタオルや手ぬぐいを乗せて歩く後ろ姿等の面白い写真や素敵な写真、4人での記念撮影もたくさんあった。
カメラは人との距離を反映していると思った。次に会う時は、しょっぱなからシャッターチャンスを狙っていきたい。
また、夫氏のスマホのカメラは、彦根城であろうと空がスペインみたいにかなりヴィヴィッドに写っていた。カメラとは本当に不思議なものである。
あまりのヴィヴィッドさに驚いて私が夫氏に話しかけ、夫氏がスマホのスペックについて教えてくれて、カメラを通して会話ができたことがきっかけで私は夫氏と話しやすくなったりしたなあと思い出す。
4者4様にこうして近づいていった私たち4人だったが、帰りの車の中で「大阪まで送りますよ」という夫氏の冗談に一本取られてしまい、面白かったと同時に非常に悔しかった。次は私も大阪人として、相手をあっと驚かせるような攻めた冗談を言いたい。
近江八幡の駅まで送っていただき、駅前で4人で記念撮影をして別れた。
駅のエスカレーターで私たちが上がっていく時も、見えなくなる瞬間までいつまでも笑顔で手を振ってくれていたてんやわんや夫妻。
本当に素敵なお2人だと思った。



私は基本的に閉鎖的な人間で、近年輪をかけて人間関係をできるだけミニマムにしていこうと心がけており、交友関係を広げずに限りなく狭めて生きている。その残った僅かな交友関係もほぼ消えてしまいそうな勢いではあるが、今回のことでさらに強くこう思った。
会いたいと思える人と会うことは大事にしたい。
海外の旅先では別だが、大人になってから新たに仲良くなる人はほぼいない日常を過ごしている私だが、そんな私だからこそ、会いたいなあ、会ってみたいなあ、という自分の感覚には自信があった。
その感覚に従って、今回は初デートに臨んだが、やはり私の感覚に狂いはなかったし、てんやわんや夫妻と出会えて良かったし、また絶対会ってセカンドデートをしたい。
それがスペインだか日本だかは分からないけど絶対に。

結局ダブルデートをしたところで、私の最後のまとめは自分語りであり自己の内面の話にしていくという私のエゴの強さには目をつぶってもらいたいが、これからも会いたいと思える人と出会っていきたいなと思っている。

あと、文章って、自分を偽ることもありのままを描くこともできるものだと思うのだけど、てんやわんやさんの書くnoteの文章からは、偽ることなく素敵なお人柄が滲み出ていたことを実際会ってみて実感できた。
私もどうせ文章を書くなら(時々隠したり、いい格好したり、背伸びをすることはあっても、それも私だということで時々は開き直りつつ)、私という人間を偽ることのない文章を書きたいなと改めて思った。
(でも読む方の読解力もある程度要るよな、などと己の表現力の未熟さを横に置いて生意気にななめなことを思ったりもした今。いや私のnoteの場合は長文を読む忍耐力が必要か。)

いつかまた、noteで出会った人ともしかしたらnoteの外で会うことがまたあるかもしれないので、会ってみてガッカリされないような文章、そして、ガッカリされない人間でいたい。
会ってみたら実物の方が魅力的だわってなればそれはそれで大歓迎。
デートはギャップもまた醍醐味である。

noteの中で出会った人とnoteの外で出会ってダブルデートをした彦根の夏。
とても素敵な1日となった。

¡Muchas Gracias!
またnoteで、そしてどこかで必ず会いましょうね。


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