元に戻ることを考えないで生きたいものです。 〜壁紙初心者DIY〜
寝室の壁の青について悩んでいたが、悩み過ぎたせいもあり、注文して届いた物を開けてみて、あれ?こんな青やったっけ?とピンとこなかった。
あんなに悩んだのに至って普通の青やん…と数日前の自分の決定に戸惑ったりもしたが、ここまでくると何でも良かった。どうやらミッフィーカラーという青にしたらしいが、ミッフィーがなぜ青なのかという意味についてもピンとこなかった。
とりあえず寝室のここの白い壁に青いミッフィーカラーの壁紙を貼ることにしたのだから、もうただ黙って貼るしかないのである。
壁紙を買ったのは初めてなので、壁紙素人が学んだ知識をここに書いてみる。これから初めて壁紙を貼ろうかという人の参考になればいいなと思いつつ、自分自身も忘れないようにするための備忘録である。
まず初めに、壁紙には、のり付きとのり無しがあった。
ペローっとめくれるシールタイプと、のりを塗って貼るタイプらしい。
賃貸の場合などは、張り替えや原状回復を考えて、剥がせるタイプを選ばないといけないらしい。のり付きでも何度も剥がせるタイプもあるらしかったが、そんなに綺麗に剥がせるもんだろうかと素人の私には疑問だったため、のり無しタイプを選ぶことにした。
のり無しだと、のりを塗らないといけないが、綺麗に剥がすことを考える人向けになんと、「のり無し青壁紙・オンザ・壁紙用両面テープ・オンザ・マスキングテープ・オンザ・今の白い壁紙」というまたもやオンザの重ね技があるらしい。両面テープだと剥がす時にベリベリベリーっと白い壁紙ごと剥がされる危険性があるから、マスキングテープを貼って白い壁紙を守るという技である。
重ね重ねのDIY。見えない場所に手間をかけるのがDIYだなあと感心した。
という訳で、壁の最上部から四角くフチを白い太めのマスキングテープを貼って囲った。それから、適当に上下左右にマスキングテープを貼り巡らせたが、本来はちゃんと45cmとか測ってきっちりと平行に貼るのがルールのようだ。そしてその上から壁紙用の両面テープ(リャンメンテープね)も貼り巡らせた。
壁紙を買う際に、色や柄を決めた次に頭を抱えるのが、何m買えばいいのか問題。
できるだけ無駄なく、安くあげたいから、きっちり計算をしようと思うが、寸足らずで絶望したくないし、余分に少し長めに買う必要があるものの、少し多めがどの程度なのか素人には難しいところ。柄物は継ぎ目の柄を合わせないといけないからもう私にはお手上げになると思い、柄無しの青にしたのだが、それでも何m買えばいいのかは悩んだ。おおよそ2mの高さ×2.5mの幅の壁なので、少し長めに切ってもらえるらしい噂を信じて、92cm幅の壁紙を6m買うことにした。そして、2m5cmくらいずつ3等分にカットして、いざ、貼り付け開始。
右端から貼っていくことにしたのだが、1枚目から明らかに失敗したなと全私が泣いていたのだが、無視して2枚目を貼り、新たなる失敗を重ねてやる気が失せた。
それがこちら。
やってもーたー!の図。
1枚目に貼った壁紙(右端)は誰がどう見てもヨレていて思いっ切り空気が入ってるし、2枚目に貼った壁紙もズレて、1枚目と2枚目の継ぎ目に、まっすぐ白い縦線が入ってしまった。
これはメーカー側にも責任があると思うんだけど、壁紙の端っこに、5ミリほど白いミミのようなものがあったのである。
要ります?白い部分。
それをうまく重ねられず、ここが継ぎ目やで、と白の縦ラインがめちゃくちゃ主張していた。
継ぎ目はカッターで一気に切ってうまく隠すという技を、こないだの有吉ゼミで、ヒロミが上手にやり方を教えてくれたので私もきっと上手にやれると信じていたが、それ以前の問題が山積みである。
ここは、せっかく剥がせるオンザ・スタイルで壁紙を貼っているのだしと思い、思い切って、剥がしてやり直すことにした。
不本意だ。
全くもって不本意。
やだよー、やだよー。
初めからやり直し、というものが、私は戦争より嫌いである。
「剥がせる」というのが謳い文句のオンザ・スタイルなのに、剥がすのに一苦労だった。
両面テープはぐちゃぐちゃになるし、例によって両面テープが足りなくなってしまい、事務用の両面テープを代用したり(何回やるのだこのミスを)、マスキングテープから貼り直さないといけない場所も出てきたり、青い壁紙の方が破れるしで、しっちゃかめっちゃかだった。
青い壁紙の裏側はぐちゃぐちゃの世界となった。
何とか貼り直して、表側はまあまあの出来栄えに。
正直、壁にまだまだ空気を閉じ込めているし、「青い壁紙・オンザ・空気・オンザ・白い壁」になってしまっていることも否めないが、このやり直し作業でかなり神経を削られてしまい、力尽きた。
上も下もカッターでのカットがガタガタになっていたが、もうすでに、壁なんてどうでもいいやモードに入ってしまったので無理矢理終了。
もう知らん。
はい、できた。
もう、いいや。
細かいところは、どうでもいいや。
なぜ急にこんなに投げやりになったかと言うと、戦争よりも嫌いな初めからやり直しの作業中、ここの壁に棚を作ってオープンクローゼットみたいにしようという企みが浮かび、所詮、服などが吊るされて青の部分もそれほど見えなくなるという計画に頭の中で発展していたので、壁への関心は薄れ、棚の設計へと私の気持ちは移っていたのである。
壁の色にあんなに悩んだのに壁にもう飽きていた。
壁紙や うつりにけりな いたずらに。
思わず一句詠みかけるくらい、わが身世にふるながめせしまにである。
壁紙への意識がまだある今のうちに、壁紙初心者の私から一つアドバイス。
まず、壁紙は両面テープのオンザ技で貼るもんじゃないな、ということ。
せめてノリで貼るべきだし、貼るよりも色を塗ってしまった方がよっぽど簡単だと思う。
原状回復を意識して何かを作るというのは、やはりどこかで無理が出るのだなぁと身に染みて感じた。
物を作る時は、傷つけないようにとか、元に戻せるようにとかを考えずに作りたいものである。
芸術家目線ではすごくそう思う。
しかし、私は芸術家ではないので仕方ない面もある。
思い切りもないし、心変わりも怖い一般人なので元に戻れる道をついつい選んでしまう。人生も同じで、今ならまだ引き返せるか、を常に考えて生きている気がする。
いざとなれば引き返せばいいし、を言い訳に新たな道に進んだり。そう思わないと踏ん切りがつかないから仕方ないし、新たな道に進むだけ良いか、とも思ったり。
元に戻れるかどうかを考えて生きていくばかりだと嫌だなぁと思う。
退路を断つ思い切りが必要な局面が人生にはある。
思い切れる勇気がほしい。
ああ、マンションを買った暁には、必ずローラーで「芸術は爆発だー!」と言いながら、塗りまくってやろうと思う。
その前に茶色のボロ扉の続き(扉の白は上手くいっているなぁと我ながら感心)をちゃんと仕上げたい。
ちなみに、マンション購入に向けての話は進んでおり、ローンの1次審査は通った。
さてさてマンションは買うのだろうか。今なら元に戻れる。
それでもまだ、この期に及んで悩んでいる私であった。
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