飛騨タイムループ旅2022 〜新平湯温泉へ〜
一年前に奥飛騨温泉郷と飛騨高山を旅して、勝手に岐阜観光大使と名乗ることにした私。
ちょうど1年後の2022年の1月に、飛騨の旅を全く同じように辿って旅するのも面白いかも、と考えた。
「バタフライ・エフェクト」とか「アバウト・タイム」とかのタイムループものの映画は、大体どうやったって少しずつ運命が変わっていくもので、まあそれこそが作られた物語なのだが、私の旅はどうだろう。
全く同じことが起きようと、別の物語が生まれようとどちらにしても面白そうなので、タイムループしてるみたいな旅を試してみることにした。
とは言え、昨年と全く同じにしたかったのに、昨年泊まった新平湯温泉の宿が「ペットと泊まれるお宿」という予想外の方向転換をしていたため、アレルギー持ちの私は、同じ宿の宿泊は断念せざるを得なかった。
そして、昨年とは違って連休の高山のホテルもそれなりに部屋が埋まっていて、お手頃なところが残っていなかったため、今年は下呂温泉に宿をとった。
もうこの時点で大幅にストーリーは変わっているが、いざ出発。
ちょうど一年後の同じ曜日に、青春18きっぷを持って同じ時間の電車に乗った。
乗り継ぎも昨年のnoteで書いた通りの時間でまったく同じ。
(貼り付けていく昨年のnoteと読み比べてみると、面白いかもです。)
滋賀県の北部から急に雪が深くなるのが不思議である。どこかに境界線がある気がする。
岐阜駅で途中下車してさてランチタイム。
岐阜駅の織田信長像がマスクをまだしているのも同じ。
いつの日か信長様がマスクを外した姿も見てみたい。
昨年のあの場所へ向かう。
今年は南インド料理をランチにすることはやめた。
なぜなら、昨年は楽しみにしていた岐阜駅にある南インド料理屋「エリックサウス」が2021年12月に大阪駅にもできたからである。
行きやすい場所にできたおかげでさっそくオープン以来2回食べに行っており、特別感がなくなってしまっていた。
なので、南インド料理屋と同じフロアにある岐阜料理のお店で味噌カツ丼をテイクアウトすることにして、エリックサウスには電車待ちの間チャイを飲むだけにした。
するとエリックサウスのレジ横にインドの大好きなお菓子「ラドゥ」が150円で売られていた。
なんと!
ラドゥを日本で、岐阜で食べられるとは。
ワクワクしてお店で食べた。
知っているインド映画の音楽のインストバージョンが流れていた。
何か、いい。
正月っぽい。
インドの正月ことディワリの時に、バラナシの宿でジャレビーとかと一緒にふるまわれて食べた思い出が蘇る。
ギーやひよこ豆粉で練られたココナッツ味がおいしい。
ラドゥを知らない方、ぜひ象の姿をしたヒンドゥー教の神様ガネーシャを検索してみてほしい。
ラドゥがガネーシャの好物である証拠に、ガネーシャの左手に白いそのお菓子を持っているはずだから。
それから近くのお店で昨年買った岐阜のはちみつDAYSをまた発見。
昨年はトースト用のバターはちみつ「雪白」を買ったが、今年はカレー用のはちみつ「加哩」にした。次にカレーを作るのが楽しみだ。
お年玉スクラッチキャンペーンで500円券が当たったので、今度は別の店でトースト用に飛騨で作られたクリームチーズジャムに使った。
今年は幸先が良さそうである。
引き続き、昨年と同じ時間の高山本線に乗り込む。
さあ、ここからが長い。
味噌カツ丼を持って、意気揚々と電車に乗り込んでみてびっくり。
昨年のような前向きの2人がけの座席が並ぶクロスシートではなく、横向きのロングシート車両であった。
あちゃー。
やってしまった。
鉄道に詳しい鉄子ではないからよく知らないのだが、同じ時間の列車でも車両のタイプが違うとかあるのか…。
しかも昨年よりも混んでいて、向かい合わせの長い座席で立っている人もいる中、味噌カツ丼は食べにくい。
これから3時間半。味噌カツ丼を持ち続けて電車に揺られるのも酷である。
数駅悩んで、空いたタイミングで大急ぎで味噌カツ丼を食べた。
3時間以上も乗るので、どんどん乗客は降りていく。
そもそも終点の高山まで乗り続ける人はほとんどいない。
なぜなら、大半の大人は、高山に行くなら3時間半強もかけて鈍行で行かずに特急に乗るからだ。私は好きで18きっぷでゆっくり旅している大半じゃない大人である。
数名の青春18きっぱーのおじさん達もいたものの、どんどん乗客が減ってガラガラになった車両で、昨年と同じように家から持ってきたみかんを食べたり、外の景色を見たりした。
窓を見ながら気づいたが、今年は雪が降っていない。
下呂温泉のある下呂駅はまったく雪がなかった。
ちょっとがっかりしていたら、それ以降は、あっという間に白い世界になっていった。
ロングシートだったせいか、窓をずっと見る体勢のため、昨年よりも景色を見る時間が長かった気がする。
30分ほど特急待ちがあった久々野駅で降りてみた。
久々野駅は高山本線の中で一番標高が高い場所らしく、雪が深いしとても寒い。
それから2駅で高山駅に到着。
しかし高山でも雪は降ってはおらず、だいぶ前に積もった雪が残っていて、凍り付いているような状態。歩く道がカチンコチンで怖い。
ふわふわの雪をざくざく歩きたかったのだが、まあいい。
奥飛騨温泉郷まで行けば、ふわふわの雪を踏みしめて歩きたい私の願いが叶うはず。
さっさと先に進むことにした。
新平湯温泉までのバスの中では、昨年と同じように飛騨のすくなかぼちゃの生スイートポテト。
2回目なので自分の好きなお菓子を分かっているから間違いない。
他のお菓子には目もくれず悩まずに5個買った。
やっぱり奥飛騨というだけあって、奥へと進むと寒いし雪もふかふかしてそう。
ただ、昨年は吹雪いていたのに、今年は降っていないのがちょっと残念だなあと思ってしまっている私がいる。
降る雪のカメラでの撮影方法も学んできたし、ニット帽までもってきたのになあ。
まあ、いいや。
ふかふかの雪をザクザクと踏みしめながら、宿に荷物だけ置いてあのお店へと急ぐ。
今回の旅で一番くらいに楽しみにしていたあの飛騨牛ホルモンのお店へ。
店の扉を開けた。
楽しみにしていた奈賀勢。
昨年はコロナが猛威を振るっていて岐阜県も緊急事態宣言が出る2日前で、誰もお客さんがいなかった。
私とおばちゃんだけの時間だった。
そして、今年もまだ17時半だったし誰もお客さんがいないかと思ったら、4人組の家族が奥の座敷でホルモン鍋を食べていた。
昨年のおばちゃんがいて嬉しくて顔がにやける。「ちょうど一年前に来たんです。」と伝えると、「そう!ありがとうねえ」と言ってくれたが、話を続ける前に、2人組の男性客と4人組の男性客がお店に入ってきた。
おばちゃんが忙しくなってしまい、昨年のようにゆっくり話せずに調理場へと引っ込んでしまった。それに、他にお客さんがいるのにペラペラ喋るのは、今の世では黙食を徹底したい私としても気が引ける。
娘さんらしきお姉さんも働いていて、お姉さんに飛騨牛ホルモンの鍋にうどん入りと生ビールを注文して黙って待つことにした。
店内のTVでは東京がすごい雪だとか、東京や大阪が1年前よりも多い陽性者数になっていることをニュースで伝えていて、おばちゃんもお姉さんも忙しくてニュースは見れていないが、別のお客さんたちが静かにニュースを見ていた。そしてまた別のお客さんがやってきて、テイクアウトを頼む。
おばちゃんとゆっくり話したかったのだが、たくさんのお客さんがこのお店に戻っていることは喜ばしいことだよなあと思った。
良かった良かった。
食いしん坊の私は、バスの中でも、今回も鍋にうどんを入れるかごはんを入れて雑炊にするかを相当迷っていた。
タイムループの世界線である今も、また悩んでうどんにしたのだが、今回は自ら途中でライスを追加して鍋にぶっこみ、どちらも堪能することにした。
そして、昨年はただの漬物を食べたが、今年は飛騨の名物「漬物ステーキ」にしてみた。
なお私は、豆腐ステーキとか厚揚げステーキとか、牛肉でもないくせにステーキを名乗るのはやめてほしいと常々願っている人間であるが、漬物ステーキもステーキと語らず、漬物を卵と一緒にしょうゆ味で焼きましたと正直に名乗り出てほしいところだが、おいしいから許す。
2022年も欲しいものは全て手に入れたいし、口に入れたい。このスタンスでいこう。
というわけで、飛騨牛のホルモン鍋うどんと雑炊の饗宴with漬物ステーキは最高ディナーであった。
お店には、アクリル板やコロナに関する注意勧告や消毒スプレーや体温計が増えていた。
この一年、色々と変わったが、このお店の鍋のおいしさは何も変わっていなかったから、また次に新平湯温泉に来たときは必ずここに来たい。
奈賀勢を出た後、昨年通りにライトアップを見に行くことにした。
昨年は頭に雪が積もるくらい吹雪だったのに、今回は雪は降っていないしそれほど寒くもない。
だけど、昨年と同じく静まり返っていた。
雪の量は昨年と変わらないから、クリスマスとかお正月頃にドカ雪が降ったのだろう。そして数日後も大雪が降るらしい予報である。また一段と積もるのかも知れない。
一方、ライトアップは昨年と同じく、誰も人がいなかった。まだ19時になっていないし当然かもしれないけど。2回目の誰もいない1人でのライトアップはやることがないので、さっさと宿に帰ることにした。
ここまでは昨年の通りに進んだが、今年は別の宿に帰る。
今年の宿は、貸切露天風呂と雪見酒がついているから楽しみだ。
続く
今年の旅は、ハッシュタグ「飛騨タイムループ旅」でまとめていきます。