正直に書く、ソロキャンプ失敗編 【山ごもりの夏休み⑨】
ソロキャンプが最高だったのは紛れもない真実。
しかし、何もかも完璧やな!と言えるかというとそうでもない。いいことしか書いてない面もあるが、本当のことを言うと、失敗続きでもあった。
悪くないだろう、とカバーできた出来事については書いたけど、こればっかりは失敗したぜ、ということを今回は書きます。ちょっとマニアックかも知れませんが、女性ならではの困りごとも書いておくので、これから山でソロキャンプする女性は、お気をつけください。
1.夜空に満点の星!を期待していたのに…
こればっかりは仕方ない。
だけど、5泊すれば一晩くらいは晴れると思うじゃないの。
夜空を見上げて星の数に感動できると思うじゃないの。
まさか五夜とも雨か曇りで星が全く見えないとは思ってもいなかった。星空を撮影する予習もしてきたのに。
これは失敗というよりも、諦めきれないけど、どうしようもない事態だった。また晴れた夜にあの地に立ちたい。
2.超基礎の最初の石拾いを怠った
これは、キャンパーにあるまじき失態。ソロキャンプは初めてだけどしょっちゅうキャンプはしているのに、油断してしまった。いつもはコットで寝ているというせいもある。だけど、テントの設営中に雨が降ってきたら、焦ってしまって石拾いなんかしてられないもんです。
というわけでテントの下の地面に小石がいくつもあって、背中や座り込むスペースにはまあまあのサイズの石がいて、何度も私の体を突き刺していた。何度も「いてっ!」という羽目になった。大失態だった。テントに穴が開かなくて本当に良かった。
あと、ストレッチや腰痛を和らげるためにいつも旅に連れて行くかたおを忘れてしまったのもでかい。かたお、今度は連れて行くね。私をしっかりほぐしてほしい。
3.ダウンの寝袋が臭すぎた
これは、安物のダウンや羽毛布団によくある現象だけど、さすがにNANGAの寝袋はメジャーだし、そこそこ高かったし大丈夫だと信じ切っていた。しかし、地獄のような獣臭。言っておくが、私の体臭ではないのは確かだ。ホワイトダックだか何だか知らないが、獣の臭いに包まれて眠るのは最悪だった。臭いに敏感な私には耐えがたかった。シルクのトラベルシーツを寝袋に入れ込んで、顔周りはリセッシュをかけて寝ることにしたが、それでもテント内に漂う獣の臭い。やはり、軽量の寝袋なら3万円くらいは払わないといけないのだろうなぁ。それか、重くても化繊の寝袋にしようかな。もう、これは帰ってから、中古としてメルカリでさっさと売りさばこうと思う。
4.スノーピークのチタンシングルマグ450は便利だけど、いらんことをしてしまった
キャンパーご愛用のスノピのマグ。これはそのまま火にかけられるから便利だったが、持ち手の部分が熱くて握れなくなることをネットの情報で知った私は、出発前にシリコンで持ち手にカバーをわざわさつけて持っていった。私の好きなDIYだ。
すると、その部分(ゴムだった)が火で燃えて溶けて大変なことになった。水をかけて火を消し、ナイフで焦げた部分をこそげたり、いらぬ手間がかかってしまった。次に軍手で掴むと、軍手の滑り止めのゴム部分が熱で溶けてくっついたり、火傷したり、何かとうまくいかなかった。
結局、おとなしく手拭いで手をカバーして持つことにした。皮の手袋とかを使うべきかも知れない。いらぬDIYをしたせいでえらい目にあった。
また補足として、寒くて常に何かのためにお湯を沸かしていたので、マグはやかんとして湯沸かしに大活躍していたため、マグカップとして使う暇がなかった。味噌汁を飲んだりお茶を飲むシェラカップを別で持っていくべきだったと反省。
ちなみに、自然を汚すわけにいかないので、もちろん使った食器を洗うこともしないし、歯磨きだって温泉の洗面所でしかしていない。ウェットティッシュで食器を拭いたり、毎日、無印の歯磨きシートのお世話になった。ゴミはジップロックを二重にして入れて持って降りて富山のホテルのゴミ箱に捨てさせてもらった。室堂ターミナルにもゴミステーションはあるが、山のマナーとしては持って降りるべきかなと思った。ウェットティッシュや歯磨きシート、汗拭きシート、クレンジングシートと、ゴミがシートだらけだった。これも考えものだと思ったが、ちょっと潔癖のけがあるので仕方ないなとも思う。
ちなみにインドの癖でトイレットペーパーを持って行ったが、どこの山小屋にも普通に紙があった。そしてコロナのせいであちこちにアルコール消毒が置かれていたから、トイレットペーパーも除菌シートも不要だった。
5.悲報:指紋がなくなりました
私は皮膚が弱いので手荒れを起こしやすいのだが、6日間の山生活を終え、山を降りると、iPhoneの指紋認証が出来なくなっていた。
なぜかというと、指の腹を酷使しすぎて指紋がなくなったのである。何年かに一度の手荒れが酷い時(まあそれは大体海外の旅先で起こるのだが)、指が腫れたり皮がめくれて指紋がなくなりがちな私。今回も指紋がなくなったのだが、いつもと違って、指の腹がヒリヒリしてぷっくり腫れている。
必死に原因を考えたが、富山のホテルで靴を脱いだ時にひらめいた。
靴紐を結ぶということを何度となく繰り返したせいである。やわな指だと思われるかも知れないが、雨で常に濡れている靴紐を固くきつく結ぶのは、指をかなり酷使する行動なのだ、多分。拷問とも言える。靴紐を結ぶのに使う親指、人差し指、中指が腫れているから間違いない。
それと、ハンドクリームを持って行かなかったことも失敗だった。他の部分がガサガサになっている。
そういう意味でも手袋が必要だったかも知れない。
あと、靴の中に紙を突っ込んで乾かしたりしていたが、靴紐だけはなかなか乾かなかった。何故だろう?と思っていたが4日目に気づいた。
靴はテント内に入れろ、というアドバイスを聞いたことはあるが、靴を寝室に入れることに抵抗のある私はいつもどうしてもできない。それでも、ちゃんと登山靴を前室の雨に当たらないところに脱いでいた。しかし、靴紐をそのまま、いい加減に地面に垂らしていた。毎晩の雨で地面は濡れ、それを毎晩、靴紐が吸い上げていたのだった。
分かった時の衝撃たるや。我ながら間抜けすぎる。
こんな情報、どこにも載ってなかったから伝えていきたい。靴紐は何があっても濡らすな、と。
6.女たるもの下着は減らすな
色々食料を持ち込んでおきながら、荷物の軽量化をはかろうとし靴下は山用2足、普通のペラペラのやつ1足しか持っていかなかった。雨のため2足濡れた。濡れた靴下を履き続けるのがこの世で5番目に嫌いな私は、ターミナルで1320円の靴下を買い足して事なきを得た。
パンツも2枚。これは洗ってテントに干して半乾きを履くというローテーション。ユニクロのシームレスのやつはすぐ乾くから許せる範囲だった。
そもそも旅先では衣類は洗って干すスタイルが定着していた私だが、毎日ずっと悪天候とは思ってもいなかったし、1日くらいはピーカンに晴れるだろうからその時に干せば何とかなると思っていたのが甘かった。
中でも、ブラジャー1枚というのは大失敗だった。単に持って行き忘れたのだが、ブラジャーは着けていったもののみだ。別に山用ブラ1着増やしたところでそんなに重いわけでもない。山で5泊、そのあと北陸を旅する予定なのに。
ああ、ブラジャーが臭くて温泉あがりに泣きそうになる。
リセッシュを振りかけて生き返らせていたが、それでもブラジャー生命は瀕死の状態ではあった。
下山し、富山駅でブラトップとパンツを買おうとユニクロを探したが、まさかの徒歩圏内にユニクロ無し。そんなバカな。主要な駅には必ずユニクロってあるもんだと思ってたぞ。好日山荘と無印と3COINSはあったから命拾いしたが。
という訳で、これからはどんな事情があろうと、夏の旅にブラジャーは最低2つは用意しよう、と思う。
(富山のホテルにランドリーがあったので全部洗濯して無事生き返りました。)
7.ごはんに関する誤算
まず、室堂でごはんを食べられるレストランがキャンプ場から遠い。かつ、ラストオーダーが昼下がりという状況。カツカレーや牛丼を食べたかったが、いつも着いたらラストオーダーが終了していた。早起きしない山のキャンパーは珍しいらしい。いつもテントでダラダラ、ゴロゴロしていて、昼過ぎから動き始めていたから間に合わない。まあ、そもそも全部自炊するつもりで食料を持ち込んでいたが、たまにはどこかで食べたかった。
あと、アルファ化米は天才的発明だと思う。本当にお湯を入れて15分でご飯になった。だけど、持ち込んだ米が足りなかったから必然的に味噌汁が余った。持ってきた米の量と味噌汁の数のバランスが悪かったと思う。
お米あっての味噌汁だ。富山のホテルであさりの味噌汁を飲みながらそう思う。
また、ガス缶も、私がいつも使っているバーナーのは、ホームセンターで手に入りやすいから使っていたCB缶タイプだったが、山に売っているのはOD缶ばかりということを知った。山小屋のポットに助けてもらわなければ、最終日にビーフシチューを作ることはできなかったと思う。次の山キャンプのためにもOD缶タイプのバーナーも買おうと思う。
以上が少々お恥ずかしい失敗談。
テントの中で見た映画「岳」で、小栗旬が「山に捨てちゃいけないのはゴミと命」と言っていた。どちらも捨てずに山を降りられたから良かったと思う。
どうでもいいけどAmazonプライムの邦画は山関係と三浦春馬関係が多い気がした。私個人や人々の興味がそこに向いているからだろうけど。私がお気に入りでダウンロードしている洋画はホラーやサスペンス系が多くて、ソロキャンプに相応しくないので見るのはやめておいた。間違ってもウォーキングデッドとミストは見ないように気をつけた。また別の機会に見ようと思う。
今は指の腫れが引いて指紋が蘇ることを待ちながら、これだけ失敗しても、結論として、やっぱり山でのソロキャンプは最高だったなと振り返ってそう確信している。
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